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家庭での子どもへのスマホ指導について

 子どもとスマホの付き合い方の家庭での指導方法について紹介したいと思います。というのも保護者面談で「子どもがスマホやパソコンでSNSやYouTubeばっかり見てだらだらして勉強しない。どうすれば良いか?」という相談をよく受けます。正直教員からしても非常に解決が難しい問題です。何せ大人ですら依存してますし、家庭内のことなので、直接教員は指導できないからです。依存が深刻な場合には医療機関にあたるとよいでしょう。ここでは、医療機関にかかるほどではない、スマホのし過ぎで勉強が少し疎かになっている程度の子どもを対象としてどう保護者が働きかけたらよいか、紹介していきます。一人ひとりの解決策は違いますので、解決策を考えるヒントだと思ってください。

①ルールを一緒に作る

 親が勝手にルールを決めるのではなく、一緒に対等な立場で話し合って決めることでルールを自分で決めたという感覚を持たせましょう。そうすれば子どもにそれを守る責任が生まれます。
 まず大切なのは親がいきなり怒らないことです。中高生にもなるといきなり怒ると反発して逆効果の場合が多いです。感情的にならないために話し合いの進め方を3ステップに分けて紹介します。

1.現状確認
 子どもが1日どれくらいの時間、何のためにスマホに時間を費やし、それがどのような影響を日常生活に与えているのか確認させましょう。

.現状に対して子どもがどう考えてるかを引き出す
 親がどう問題視しているか言う前に、子どもの認識を引き出しましょう。もし別に問題じゃないというような態度をとるようであれば、親が客観的に現状の問題点を指摘しましょう。そしてお互いに共有した問題点を解決するためにルールを定めましょう。

3.使用ルールを書き出す

 口頭だけでなく書き出すと良いでしょう。ルールは細かすぎないのも大切で多くても5か条くらいが良いでしょう。使う場所や使用時間の制限など一緒に決めましょう。優先的に入れた方が良いルールを1つ紹介すると、「スマホを寝室またはベッドにもちこまない」というルールです。寝る前のスマホの使用は睡眠障害を招く危険があります。

 ルールの作り方を紹介しましたが、「すでにルールを作っているのにそれを守らない」というお話をよく聞きます。その場合以下の点を振り返ってみて下さい。

② 親がスマホばっかりみていないか?

 「人の振り見て我が振り直せ」です。そもそも親がスマホばっかりみてませんか?その状態であったのならば、いくらルールを作ったところで子どもは直そうとはしません。もし子どもにスマホをやめて勉強してほしいなら、スマホばっかり見てないで親が勉強や読書をする姿を見せましょう。親は子どもの一番の手本です。

③ スマホ以外のルールを子どもは家庭で守っているか?

 起床時間、帰宅時間、学習時間、担当している家事など様々なルールが家庭にはあると思います。もしスマホ以前にそれらが守ることが出来なければ、スマホのルールも守れません。まずはスマホより基本的なルールの徹底から始めましょう。家庭でのルールを守らせるには、子どもが親に尊重されているとう実感と信頼関係が大切です。頭ごなしに「やれ!」「守れ!」といっても信頼関係は生まれません。子どもを大人扱いしてあげて、ルールを守る必要性や、協力してほしい親の都合などを共有したうえで、今一度一緒にルールを決めなおしましょう。

④ 強制的に没収することは根本的な解決にならない

 「成績が何点以下だったら没収」などのルールを設けるやり方をされている家庭もあるかと思いますが、私は反対です。理由は2つあります。1つ目は以前の記事で述べましたが、「ネガティヴモチベーション」は勉強を「ペナルティを回避するための勉強」にしてしまい、子どもが勉強を好きになる機会を奪ってしまいます。

 2つ目の理由は、将来スマホのない生活をする訳じゃないからです。現代においてはスマホはほぼ生活必需品です。それをどう使い向き合っていくかは大人になっても大切な能力です。没収されている間は問題は解決されたように見えるかもしれませんが、結局スマホとの付き合い方が育つことはありません。スマホが根本の問題なのではなく、子どもが規範意識をもってセルフコントロール出来るようになることが重要なのです。スマホは強敵ですが、親は感情的にならず粘り強く子供を教育していきましょう。

 ここで述べたものは即効薬という代物ではありません。そもそも教育に即効薬なんて私はないと思います。あったとしたら副作用があります。子ども1人1人によって解決策は違います。最終的に解決策を導き出すのは保護者または子ども本人です。それを導き出すためのヒントになれば幸いです。


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