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アラサーの壁を超えるための食事とトレーニング習慣について考えたこと

これは壁 Advent Calendar 2021の19日目の記事です
(注意:この記事は個人で調べたことを書いたメモであり科学的な正確性は保証しません)

アラサーと壁カレンダー

壁カレンダーが初開催されたのは2015年12月のことで、その時私は生産研に着任したばかりの27歳だった。それから隔年開催していており、2021年12月現在は33歳になった。私も毎回壁カレンダーに寄稿しており、ある意味2年おきに今の自分を振り返える機会となっている。恐ろしいことだ。

30代になるバージョンアップ(ダウン?)により健康を保つのが難しくなるのは2019年壁カレンダーのrezoolabの記事でも語られている。そんな私も、2020年初頭に始まった感染症の流行による在宅勤務とジムの一時閉鎖により、運動習慣がなくなっただけでなく、慣れない在宅勤務のストレスを家の近くの激うま二郎系ラーメンを週二で食べて癒すという食習慣により、体重はついに2020年9月には体重99kgを記録するようになった(ラーメン玄とてもおすすめです。1年行けてないのだけど)。

後は自分のクラフトビール醸造所を初めて、自分のビールや色々なお店で飲むこともあり、今後も健康で飲み続けられる習慣と体を作る必要があると考えたことが大きい。お酒造ってる人間として、健康でいるのは大事だとおもった。

今回はそんな私が健康を取り戻すために実践してきたトレーニングと食事法について色々振り返りつつ、今後も健康的に筋力を伸ばしていく方法について考えたい。

トレーニングの開始とこれまでの経過

これまで会員制ジム通いなどはしたことがあったが、栄養や筋トレについての知識を真面目に学ぼうとしていなかったが、これを機会にちゃんとした知識を得ようとパーソナルジムに入会することにした。たまたま家の近所にサステナブルボディ(入会して痩せるだけでなくその後も自分で維持できるように知識もつける)を掲げるパーソナルジムがあったので、そこで週一回のウェイトトレーニング+食事指導(目標が設定されるだけで写真とかを送るわけではない)を24週間のコースを契約した。

ダイエットにおいてはいきなり摂取カロリーを減らすのは得策ではないため、大体6~8週間ごとに2400kcal (基礎代謝*生活活動強度指数-500kcalで計算)スタートで200kcalずつ減らしていった。

開始時に設定されたカロリー

その成果としては開始時99kgあった体重も、24週終了時には90kg程度に減量することができた。しかしそれ以上に重要なことは、減量を行いながらもウェイトトレーニングでの使用重量を大きく延ばすことができたことだろう。そのとき自分の中で指標にしていたのはバーベルスクワットで、50kg程度から85kgで12回3セットを行うようになっていた。

そんなパーソナルジム生活の中で、筋力を伸ばすことに興味を持ちパーソナルジム24週終了後は、会員制のジムに通い筋力強化に励んできた。その成果により一つの目標であったダンベルフライ(胸のトレーニング) 片手30kg 6回、レッグプレス(脚のトレーニング) 300kg 8回を達成することができた(動画のお腹を見ればわかるようにトレーニングを続けるほど減量と筋力アップを両立するのが難しくなる。3kg増えた….)

初心者の場合、なぜ筋トレが楽しいかといえば、回数だったり使用重量が週単位で伸びていくことであろう。筋力・筋量の向上はストレス(筋トレ)への応答反応であるため、毎回のトレーニングで少しずつ回数なり重量を伸ばしていくのだが(厳しい減量期以外)、アラサーになって週単位で成長することってほぼないので、アラサー人間が筋トレにはまるのは納得である。

ここからは理想とする体重にむけて減量しつつ筋力も伸ばしていく小くじ法とトレーニング法について考えていきたい。

アラサーの壁を超える食事法

なぜトレーニングより先に食事のことを書くかといえば、ダイエットは食事が8割という言葉があり、どれだけトレーニングしても適切な食事管理がなければ、健康にパフォーマンスを発揮するのは難しい。下の図はEric Helms先生が提唱する栄養管理のピラミッドのように、カロリー管理を基本として、PFCバランスやビタミン・ミネラル摂取の適切にしたい。

栄養管理のピラミッド(著者作成)


カロリー管理

では具体的にどのくらいのカロリーに設定した方が良いかというと、様々な議論があるが、ここでは日体大岡田隆先生(バズーカ岡田先生)が除脂肪メソッドで提唱している、除脂肪体重 * 40kcalを目安とすることや、基礎代謝 * 運動強度(メッツ)- 500kcalという数値が参考になる。たとえば体重 60kgで体脂肪率が 20%の人の筋トレもしていた場合の消費カロリーは下記のように概算する。

60 * 0.8 * 40 = 1920kcal

上記の数字はトレーニングを頑張っていればギリギリ太らないラインといわれているため、減量をするためにはここから少しずつカロリーを減らしていく(2週間に200kcalずつくらいを8週間にわたってなど)必要がある。ただ、人間の体には恒常性という機能があるため、低カロリー状態が続くとエネルギー生産の効率化などにより、基礎代謝が落ちるため、摂取カロリーは一気に落とさず徐々に落としていくや、短期的なダイエットと通常の食事を繰り返すことで体重減少の停滞を防ぐことが必要となる。大量の炭水化物を摂取(研究によると体重×12g[1]を1~3日で食べる)するチートデーを1,2週間に一度取り入れて代謝を回復させることなども考えられる。実際私もパーソナルジムに通っている後半は停滞にかなり苦しんだ。

また最近の研究では、16週間ダイエットを続けた群と、2週間ダイエットして2週間普通の食事をするサイクルダイエットを16週間続けた群を比較したところ、体脂肪減少が継続群で平均8.9kg, サイクルダイエットで平均12.3kgで、サイクルダイエットの方がダイエット効果が大きかったという結果もある[2]。来年からはこれを実践して、食べて激しいトレーニングをする時期と、減量する時期を2週間ずつ分けて過ごしていきたい。

PFNバランス

PFCバランスを知っている人も、知らない人もいると思う。先ほどのパーソナルジムで設定されたカロリーにもあるように、栄養素のうちカロリーとして計算されるたんぱく質(P)・脂質(F)・炭水化物(C)のことである。簡単にまとめると

タンパク質:筋肉など体を構成するため、トレーニングしなくても体重と同じグラム数、トレーニングするならば体重×1.6-2.0以上は摂取したい。1gあたり4kcalで計算される。

脂質:細胞膜や一部ホルモンになったり、エネルギーとしても使われる。健康のためにも接種は必須だがカロリーは高く1gあたり9kcalで計算される

炭水化物:体内で消化されエネルギーとして使われる糖質と、消化されないが腸内微生物の餌や便のかさになる食物繊維がある。糖質は1g 4kcalで計算される。食物繊維は厚労省の日本人の食事摂取基準を満たすためにも1日20g以上は取りたい。

そのため摂取カロリーは、タンパク質g * 4 + 脂質g * 9 + 糖質g * 4で計算される。この時の、PFCの内訳がPFCバランスである。日本人の食事摂取基準によると目安となるバランスP(13-20%)、F(20-30%)、C(50-65%)であるようだが、例えば 2000kcalを食事でとる場合、タンパク質が13~20%というのは、60~100gであり、体重90kgの私の場合では180gくらいは取りたいため、タンパク質の割合は35%以上としたいところである(私の体重で2000kcalというのは結構厳しい食事制限だが)。また、2018年のメタアナリシスでは、体重×1.62gを限度にトレーニング効果が上げることはなくなるという結果があるため、一つの目安にしても良いかもしれない[3]。また、そんなにお肉と魚食べられないという人はぜひプロテインを活用してほしい。プロテインはタンパク質を摂取しやすくしたものである。プロテインはサプリではなく食事である。

絵がなくて寂しいので適当にいらすとやを入れてみた

さて必要なタンパク質量がだいたい決まったところで、脂質と糖質を考えたい。最近は糖質を抑えるローカーボが流行りであるが、実際脂質を抑えるローファットや、健康によいとされる地中海式の食事(オリーブオイルとナッツを信じろ)のどれがよいのだろうか。結論を言えば、どれでも痩せられるがようである[4]。個人的には、山本義徳先生が一般向け著書 筋トレ大学で提唱しているように、あえて(体に良い脂で)脂質の摂取を少しだけ増やして空腹感を感じないようにして、糖質(ご飯)の量を徐々に減らしていくのが良いと思う。いずれにしても極端なダイエットや長期間のダイエットは体に良い影響はないため、トレーニングしつつ適切に減量する時期と筋肉を増やす時期を交互に行うのがよいのではないだろうか。

ちなみに糖質の摂取量を少し減らすのではなく、ほぼ完全にカットすることにより、脂質より生成されるケトン体をエネルギー源とするケトーシス状態でダイエットを行うケトジェニックダイエットもある。私はパーソナルジムに行っているときに3週間ほど行ってみたが、食べるものが制限され食物繊維の摂取量が足りなくて体調がよくなかったため、その際は積極的にイヌリンなどでの水溶性食物繊維の摂取を意識したい。まぁ正直私の体質には合わなかった笑

ケトジェニックを始めるときの食事指導

サプリ

減量中の問題点としては食事量が減るため、三大栄養素PFC以外の微量栄養素であるビタミン・ミネラルが不足してしまうことにある。これは健康にとっても悪影響なため、減量中のときこそマルチビタミンやミネラルをサプリで摂取することに目を向けてほしい。特に筋トレをするならば、コラーゲン合成やストレスに対抗するホルモン生成などをつかさどるビタミンCや、体の中の酵素を助ける補酵素となるビタミンB群の摂取は意識したい。特にストレスがかかる環境ではビタミンCの必要量が増えるため、薬局で60日分500円以下で買えるビタミンB群も含まれるビタミンCサプリなどは継続性の観点からもおすすめである。いや、よくわからん栄養のサプリよりも、日本人の食事摂取基準に記載のある栄養素を補填するのは大事ですね。

アラサーの壁を超えるトレーニング

書きすぎたのでトレーニングのところはササっと書こうと思う。これを読んでいる方がいますぐトレーニングを始めるべき理由としては、初心者ボーナス(初回限定ログインボーナス)があることがあげられる。これは、一般的には筋肉を増やしながら、体脂肪を減らすリコンプは難しいといわれるが、トレーニング初心者が最初の数か月はそれができてしまうらしい。そのため、リングフィットアドベンチャーなどで運動習慣をつけることも素晴らしいのだが、個人的にはパーソナルジムや会員制ジムなどで指導を受けながら正しいトレーニングすることをお勧めしたい。よくマッチョにはなりたくないという意見があるが、筋トレ続けてもそうそう簡単にはマッチョになれないため安心していただきたい。

適切な指導を受けた方が良い理由としては、指導で色々な種目やマシンを教えてもらえるため、色々な刺激を与える方法を取得できることがある。筋肉の成長はストレス(筋トレ)への応答反応であるため、同じ種目、同じ重量、同じ回数をやっていたのでは成長はあまり見込めない。そのため、同じ種目の場合には日々重量または回数を上げていく必要があるのだが、高重量を毎回扱うのは関節への負荷の観点から、特に栄養が足りなくなる減量中は避けたい。そのため、色々な種目を行うことで使用重量を重くしすぎずに効率的に筋肉に刺激を与えることができるようになる。

また、様々な事情でジムにいくことが難しい人は家での筋トレも視野に入れていただきたい。いまはYoutubeなどで、「自重トレーニング」や「エクササイズ」などで検索すれば家でトレーニングする方法が沢山でているため、週1回からでよいのでぜひトレーニングをして、アラサーの壁を破壊したい。

まぁ何はともあれ筋トレは楽しい(特に体の中のエネルギーを使い尽くす感じが個人的には癖になる)のでぜひ時間を見つけて楽しんで欲しい。

おすすめ本やYoutubeチャンネル

段階的に減量する方法が紹介されてます

一般向けだけで有益情報多い

石井先生の短時間トレ、時間ないとき実践してます

一般向け書籍じゃ満足できない方へ。超おすすめ。

研究者の方はこのチャンネルすきかも

わかりやすくて好きです

山本先生!

推しトレーニング紹介

せっかく動画あげたので紹介だけ.. と思ったけど既に6000字超えてるので、まぁ下記のツイのツリーで動画あげました(見なくて大丈夫です)


みなさんもアラサーの壁、壊していきましょう。

参考文献

[1] Rosenbaum M, Goldsmith R, Bloomfield D, Magnano A, Weimer L, Heymsfield S, Gallagher D, Mayer L, Murphy E, Leibel RL. Low-dose leptin reverses skeletal muscle, autonomic, and neuroendocrine adaptations to maintenance of reduced weight. J Clin Invest. 2005 Dec;115(12):3579-86. doi: 10.1172/JCI25977. PMID: 16322796; PMCID: PMC1297250.

[2] Byrne NM, Sainsbury A, King NA, Hills AP, Wood RE. Intermittent energy restriction improves weight loss efficiency in obese men: the MATADOR study. Int J Obes (Lond). 2018 Feb;42(2):129-138. doi: 10.1038/ijo.2017.206. Epub 2017 Aug 17. PMID: 28925405; PMCID: PMC5803575.

[3] Morton RW, Murphy KT, McKellar SR, Schoenfeld BJ, Henselmans M, Helms E, Aragon AA, Devries MC, Banfield L, Krieger JW, Phillips SM. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018 Mar;52(6):376-384. doi: 10.1136/bjsports-2017-097608. Epub 2017 Jul 11. Erratum in: Br J Sports Med. 2020 Oct;54(19):e7. PMID: 28698222; PMCID: PMC5867436.

[4] Johnston BC, Kanters S, Bandayrel K, Wu P, Naji F, Siemieniuk RA, Ball GD, Busse JW, Thorlund K, Guyatt G, Jansen JP, Mills EJ. Comparison of weight loss among named diet programs in overweight and obese adults: a meta-analysis. JAMA. 2014 Sep 3;312(9):923-33. doi: 10.1001/jama.2014.10397. PMID: 25182101.

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