海上都市の夢

清水建設のフロンティアプロジェクトに、GREAN FROATという海上都市のプロジェクトがある。海の上に直径3キロの円盤のような都市を浮かべ、上に高さ1キロのタワーをつくり、そこに植物工場と住宅を収める。地上にも緑があふれていて、海中も様々に利用できるといったユートピアだ。

僕はこれをみたときに、とても大きな希望を抱いてしまった。自分がずっと考えていた、国や世界から自由になるといった可能性を感じたからだ。

つまるところ、国というのは土地だと思う。土地にある財に基づいて構築されている権力の体系のことが国だと考えていた。だから、情報系の企業とか、もはやほとんど土地に属さない価値をもたらすプレイヤーがでてくれば、国の存在感は小さくなるのは当然なのではないか等と思っていたのだ。そして、現在世界中で起こっている様々な問題というのは、結局のところ土地が足りないことによって生まれているのではとも思うのである。人口が増え、土地が足りなくなることにより、資源も足りなくなり、また人々の摩擦も増えていく。

だから、この海上都市という案は、文字通り人間を土地による束縛から解放するようにみえた。もちろんそんなに簡単にいくはずはないけれど。

これからの世の中では、フィジカルな空間の中に、情報技術を組み込んだスマートシティなどの構想と、逆にデジタルな空間の中にフィジカルなアバターや都市を組み込んだあつもりのような仮想空間を構成することがフロンティアとして開発しがいのあるものなのだと考える。海上都市は前者にあたっている。

フィジカルな面を受け持つゼネコンなどと、デジタルな面を受け持つために例えばgoogleとかが組んでこういった環境をも考慮した都市を海上につくっていけるようになれば、既存の国家のような土地依存のものによって生まれてきた問題から人間は少しずつ解放されていけるのではないかと空想するのである。

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