見出し画像

どこから来て、どこへ行くのか?

小学生の頃、ある夜寝ようとしたとき、電気を消すと同時に「自分はどこから来て、死んだらどこへ行くのか?」ということが頭をよぎり、それがなかなか消えず眠れなくなったことがありました。

なぜ急にそんなことが頭に浮かんだのか、未だに分かりません。その時同時に、いずれ来ると思われる両親との別れの悲しみを感じたことも覚えています。

その後進学し、社会人になり、結婚し、子供ができるなど日々の生活に追われ、そのような考えは薄れていきました。

しかし、父親が7年前に亡くなり、親しい友人が急逝するなどして死という存在が身近に感じられるようになった50歳を過ぎた頃、再び「どこから来て、どこへ行くのか?」という問いに向き合うことが増えました。

もちろん確かな答えは見つからないままですが、その問いに向き合うことで、今の生活を大切にし、亡くなった人々を忘れないでいることに良い影響があると感じます。恐怖や悲しみではなく、ニュートラルな気持ちで考えることができます。

「どこから来て、どこへ行くのか?」という問いは永遠のものであり、答えは見つからないでしょう。しかしその問いを続けること自体が価値あるものだと感じます。

冒頭で触れた小学生の頃の出来事は今でも気になります。ある夜、なぜ突然その問いが頭に浮かんだのか。それは一生の謎のままでしょう。

(終わり)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?