見出し画像

逮捕されると

逮捕されただけでは<前科>はつきません。

ただし、<前歴>はつきます。

前歴がつくとどうなるかというと、警察のデータベースに半永久的に記録が残ると言われています。

で、何が残るのかというと・・・
・顔写真
・指紋(掌紋も)
・足形
・(場合によっては)DNA
これらは、逮捕の度にとられるそうで、1度とったら終わりというものでないとのこと。私は勾留が決定した最初の取り調べのタイミングで行われました。

不思議なことに私はこういったものに特別な抵抗はありません。

趣味での海外旅行も顔写真を撮られますし、指紋も取られます。だからでしょうか。
むしろ「私の生きた証が国に保管されるんだぁ」とおかしな方向に想いが行ってしまいます(笑)。

とは言っても、大好きな海外旅行を考えたとき、逮捕の前歴があるだけでビザが必要だったり、無罪であっても起訴されただけで国によっては入国を制限されることがあると聞いています。よって、逮捕された瞬間<ホワイト人間>でなく、もはや<グレーな人間>になってしまうということです。

そう考えると、また目の前が真っ暗になってしまいますが。。。

さて、逮捕されるともう一つ 必ずされることがあります。
それは<取り調べ>です。
ただ、そこには警察と被疑者との間で大きな駆け引きが存在します。

何故かというと
供述調書が最強の直接証拠になるからです。

間接証拠ばかりですと、有罪に向けての推認がどうしても弱くなりがちです。しかし、そこに犯人の自白があると犯罪の立証としてはより完璧なものとなる訳です。

よくあるのが
[今まで犯行を自白していた被告人が、公判で供述を翻し無罪を主張する]ということがあるかと思います。
この原因は取り調べの過程にあります。

私も体験して分かったのですが、特に<否認>した場合、捜査員は
・怒鳴るなど強圧的な言動をとる
・机を叩いたり、暴力的になる
・殊更、不安を覚えさせる言動をとる
(「ずっと出られないぞ」)
・困惑させる言動をとる
(「お母さん、泣いてるぞ」)
などなど、不適正な取り調べが続くこととなります。

余程、精神力が強くない限り、この過酷な取り調べには耐えられません。また密室の中で行われることで違法となる証拠も残らず、まさにやりたい放題という感じとなります。

普通の人なら精神的にもおかしくなる世界が展開されるのですが、そこで自分を守る権利とされているのが<黙秘権>です。
ただ、この黙秘権を行使すると取り調べの刑事も黙ったままとなることもあり、そうなったら1時間も2時間も沈黙の状態が続きます。

それを最大23日続く勾留満期まで続けなければなりませんので、やってもいないことをやったと自白してしまうことに繋がっていくのが現状と言われています。

一旦、自白してしまうと余程の証拠がない限り、公判ではひっくり返りません。(=有罪となります)
それが最強の直接証拠と言われる所以です。

だから、担当刑事はこの取り調べにおいて、確実に自白まで持っていこうとするのです。

私も弁護士先生のアドバイスのもと、一貫して否認しながら<黙秘権>も駆使するわけですが、相手は取り調べのプロ。素人の抵抗なんて屁の突っ張りです。
何度も何度も挫けそうに・・・。

この期間で行われた取り調べ、本当に大変でした。

ここから先は

0字

¥ 100

★★★ 本記事は「投げ銭」形式です ★★★ 価格設定をしていますが、記事自体は全文無料で読めます! 頂いたサポートにつきましては、裁判傍聴や各種調査等の活動に使わせて頂きます。よろしければ、サポート頂けると嬉しいです。