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結局、ひと。

仕事をしていると思うことがある。
この仕事、好き?自分に合ってる?やり甲斐ある?やりたかった仕事?これからも続けられる?
そんなこと。

私の今の仕事はどうなのだろう。
私の職場は大手牛丼チェーン店。忙しい。
走り回るのは、はっきり言って好き。そこは合っていると思う。お料理も好きなので、お肉を炊いて、牛丼を盛って…という仕事も合っているとも思う。

だけど、やり甲斐?
え?
毎日一生懸命やってはいるけど、どうなのだろう。
やりたかった仕事でも何でもない。

今の仕事を選んだのは、家から近く、始めた頃まだ小学生だった息子が、何かあれば直ぐに私のところに来れる、という安心からだった。

ここはかなり動き回らなければならない体力勝負の仕事。何せお客様が注文したら、1分以内に商品を提供しなければならないのだから、毎日ものすごく急かされる。そのための準備も、慣れはしたものの、結構たいへん。何せ回転率が高いから。
若い子と同じように動き回り続けなければならず、手も、膝も実は限界。笑
なのでサポーターと、もう何年も仲良し。
これ無くしては仕事が出来ない。

じゃあどうしてこの仕事辞めないの?
娘によく聞かれる。
当時小学生だった息子は、もう大学生。
もっと楽な仕事があるんじゃない?
そう言われる。

その度に考える。
始めた頃、私はチーフが好きだった。
私より11歳年下の女性。私からすれば年下の女の子的存在。
だけどものすごく責任感が強くて、正社員でもない、私と同じただのパートなのに、すごい量の仕事を抱えて、ずっと年上の方に文句を言われながらも、それでも頑張っていた。

私はこの人の助けになりたい、と思ったんだ。
仕事、分けてちょうだい。このくらいなら私できるよ、って。

それなのに私が辞めたらチーフが可哀想すぎる、そう思っていた。
 
あれから8年。

このチーフがもうすぐマネージャーに昇格する。
マネージャー=正社員。

本当はマネージャーになるつもりなんて、本人さらさら無かったのだけど、子どもにどんどんお金がかかるようになってきて、少しでも収入を上げたい、と思ったそう。

その気持ちはよく分かる。

でも、あと1つ理由があって。

このお店なら、自分にもマネージャーという仕事ができるのではないか、と感じたということだった。

いま、この職場は人間関係がものすごく良くて、そして一人一人の意識が少しづつ高くなってきている。バイトの学生も、頑張っている私たち大人に、必死についてきてくれる。

私はこのバイトくん達のことを、他店舗に自慢したいぐらい可愛くて好き。最初はチーフが好きで辞めたくなかったこの仕事は、今はみんなが好きで。色んな人がいるけど、それぞれかなり個性はあるけど、みんないい人で。

そんなお店だから、今のチーフはマネージャーになろうと決心したんだろうな。

仕事内容で納得できないことは多々あるけど、でもこの仲間とならやり通せる自信はある。

まだ内緒だけど、チーフがマネージャーに昇格したら、私がチーフになるそうだ。
え?私そんなつもりないよ! 
そう答えたけど、でもそうだな。この職場だったらやってもいいかな、そう思った。

それならもうちょっと、このお店こうしたい、という欲まで出てきて、自分の中で箇条書きにメモをした。

体力勝負だし、この仕事がいつまでできるか分からないけど、やれるだけやってみようかな。

結局私を繋げたのも、チーフを繋げたのも、きっとバイトくん達がここで一緒に頑張ってくれるのも、全部人なんだ。人が人を繋げるんだ。

人が人を繋げる。
どんなにやりたかった仕事をしていても、どんなにお給料が良くても、そこにいる人と合わなかったら辞めたくなるもんな。

人が人を繋げる。
何でもそうだよな、そう思う。

私は人に恵まれているかもしれない、そう思う。






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