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アラフィフ母さん、初めての北アルプス縦走記【2日目】 ~大天井岳&東天井岳&常念小屋泊

2022年夏、北アルプス縦走(燕岳→大天井岳→東天井岳→常念岳)へ家族(大学生の息子二人とアラフォー妹)と行ってきました。

初めての3000m級の本格的な登山は、
地上世界とは違う「山の常識」や
登って発覚した「新たな事実」や
改めて気づいた「大事にしたいこと」
の連続でした。
せっかくなので登山初心者の貴重な経験として記録しておこうと思います。
「これから山歩きや登をはじめようかな」という人や、すでに登山に親しまれている人にも参考になれば何よりです。

まえがき~1日目はこちら。⇩

2日目の予定表はこちら。⇩

山に泊まる醍醐味は…

山小屋の朝は、早い。

前夜、客室を点灯したまま消灯を迎えた(つまり電源元が落ちて暗闇となるもスイッチはONのままな)ので、2日目の朝は、燕山荘の起床時間(営業時間?)とともに電球が煌々とつき目が覚めました。
時刻を確認するとまだ4時過ぎ。が、すでに廊下を歩く音や身支度をする気配など、小屋の一日がはじまっているよう。
起き上がってトイレに行き、部屋に戻って寒くないように上着を着こみ、コーヒーを持って外へ出ると、、、

日の出待ちで、すでに小屋の周りにたくさんの人。
眼下に広がる雲海、そこから島のように頭を出す山々の峰。
この地が標高2000m以上であることを思い出させてくれます。
見惚れているうちに、辺りがどんどん明るさを増していきます。

日の出。
山に泊まる醍醐味の一つは、
一日のはじまりの瞬間に立ち合えることですね。
妹と、他の宿泊者の皆さんと、このひとときを共有します。
※息子たちは爆睡中。声はかけたんですけどねぇ。

ちなみに、燕岳山頂で日の出を見る登山者は、まだ真っ暗な4時過ぎからライトをつけて登るそうです。

朝ごはん、そしてサプライズな出来事

じっくり朝日を堪能しても、まだ5時過ぎ。
お腹が空いたので、息子たちを起こして食堂へ。
朝食は、4時15分ころから時間を分けて先着順です。

夕食時同様に、お櫃とお鍋から各自よそいます。
簡素にして十分な朝食でした。
白和えがおいしかった❤

食事を終え部屋で荷物整理をしていると、外からバラバラと大きな音が!
急いでスマホとともに外へ出ます。

物資運搬のヘリです!
下界からの荷を降ろし、空いたフックに小屋からの荷を掛けます。
わずかな時間で作業する手早さ!
何往復もしていました。

山登ラーの妹も、初めて観たそうで、いつでも見られる光景ではないらしい。
調べてみると、燕山荘への荷揚げ荷下ろしの拠点となるのは合戦小屋だそう。そして、ヘリが飛べるかどうかは天候次第。ヘリが飛べない日が続くと、合戦小屋まで往復して人力で運搬するそうです。

こちらは、10日ほど前の燕山荘のブログ。⇩

不足する物資を今日も背負いにいかなくてはならないかと思っていたところ、10時半頃より天気が回復してきて、たくさんの物資が運ばれてきました。こうしてヘリコプターによる荷揚げが出来ないと山小屋の営業が成り立たなくなってしまいます。今日は本当にヘリコプターのありがたみを感じました。

燕山荘スタッフブログ「やっとヘリが飛んだ。」

たくさんの人の力で登山ができるのだな、と改めて感謝です。

いざ、縦走! 出発

のんびり用意をしていたら、館内の人の気配がどんどん消えていきます。
私たちは、ほぼラストでした。
が、燕山荘前は、まだ賑わってました。
テント泊の人たちもいたのかしらん。

雲海の残る快晴のパノラマをぐるり。
燕山荘寄りの山並の向こうには富士山の姿もキレイに見えます。


お世話になった燕山荘をあとにします。
まだ7時半前。
ここまですでに盛りだくさんな山の朝。

この日も快晴!
青空をバックに燕岳とそのはるか向こうの雪渓の峰々がきれい。

さて、今日は稜線歩きです。

こんな具合の道を行くのですが、、、
出発してすぐ西側からの強風に、これは体温持っていかれる、と上着を一枚足すために止まります。

リュックから各自、上着(兼レインウエア、ウルトラライトダウン)を出して着ます。
※長男がしゃがんで待機していますが、これは高所恐怖症対策のようです。

稜線の東側か西側かで、風も温度も全く違う、別世界。
この日の山行きで痛感した山の環境でした。
東側は風がなくて気温も高く(暑く)、トンボの群舞が見れました(東側のみ)。

身支度完了し、縦走再開。
本日進む予定の峰道が前方に見えます。
ひときわ目立つとんがりお山、槍ヶ岳を彼方に望みながらの山歩きです。

振り返ると来た道が見えます。
燕山荘がもうあんな小さく!

槍ヶ岳をバックにこのあと何枚となく撮影することになります。北アルプスのアイドルは間違いなく彼(槍ヶ岳、彼女かも?)ですね。

「森林限界」とよばれる高山領域なので、岩肌や低木の中を歩くので視界を遮るものが少なく、大変見晴らしがよい。
北アルプスなど高い山での稜線歩きの醍醐味ですね♪
、、、高所恐怖症の長男には、これが辛かったようですが(気の毒に)。

蛙岩(げえろいわ)

巨岩の間を進みます。
「大きな岩があるなぁ」と撮ったら「蛙岩(げえろいわ)」という名のついた岩だったらしい、と後で判明。

道標と巨岩。
たぶん、写っているどれか(あるいは、ここまで歩いた中のどれか)が「為右衛門吊岩」(ノーチェックでした)。

振り返ると、もう燕山荘は見えません。
人間、けっこう早く歩けるもんだなぁ、と感動。

東側へ出ると、風がやんで温度が一気にあがり、トンボの群舞に迎えられます。
この頃は、もう西側での気温もあがり体も温まって上着は脱いでいます。
山では、脱いだり着たりで体温の調整をこまめにできるようにします。
上着(レインウエア)は取り出しやすいリュックのポケットなどに収納します。

森林限界の登山道。
前方に大天井岳、その左の麓にお昼ご飯を食べる大天荘が見えてきました。

突然現れる鎖場と梯子。
切通岩と呼ばれる箇所です。

下から見るとこんな感じ。
ちょっとしたアスレチックな感じです♪

道標が出てきました。
私たちが登るはずの「大天井岳」、そしてランチをするはずの「大天荘」の表示は、いずこに。
視線を下にやると、、、

ありました。
岩に書かれた「←大天井岳山頂 大天荘」の白ペンキ。
私のようなおっちょこちょい(死語?)は間違えて「大天井ヒュッテ」のほうに行ってしまいそうです。
(私は雪山には来ないつもりですが)雪が降ったらどうなるんでしょう。雪山限定の道標ができるのかしらん。

大天井岳登頂、お楽しみランチ@大天荘

大天荘に到着。
ここでトイレ休憩のち、リュックを下ろして水だけ持って、大天井岳の山頂へ。

ものの5分で到着。
「大天井岳頂上」の頂上標との記念写真待ちのたくさんの人がいます。
待っている間に景色を愛でたり、、、



今日通ってきた尾根道をバックに記念撮影。
高所恐怖症さんも、しっかり岩につかまれば大丈夫!

順番が来たので頂上標と。槍ヶ岳が背景中央にきれいにおさまる構図です。ほぼ、3000m。人生で一番高いところに自分の足で登って来たわ。

大天井岳から見下ろす大天荘。
岩場を浮石に気をつけて下ります。

そして、大天荘で、お待ちかねのランチ!


インディアンカレーランチ~♪
私は、「牛ひき肉のキーマカレー」をセレクト。
大変おいしゅうございました。
「ナンのおかわりはない、、、よね」
と息子たちは大事にナンを食べておりました。

こちらの大天荘は、燕山荘とともに妹一押しの山小屋。
今回は、行程を考えて残念ながらランチのみの利用となりました。

推しの理由は、小屋の其処ここに施されたランプ。
以前泊ったとき、夜のランプの喫茶室が素敵だったそう。
山小屋の夜をジャズとランプでなんてたまらんでしょうとも。次の機会に。
ランプのルーツは、意外や八ヶ岳にあるそうですよ。

雷鳥さんご一行と遭遇

コーヒーも飲み、たっぷりランチ休憩して縦走再開。

眺望を楽しみながら進みます。
しばらく行くと先を進む息子たちが止まって何かを撮っている。
ピヨピヨ鳴き声も聞こえる。

雷鳥でした。
特別天然記念物にして絶滅危惧種。
燕山荘のオーナーが「2000羽か、もっと減っているかも」と話していたので、初の北アルプス登山で見られて幸運でした。

これもオーナーの話ですが、外国の研究団が日本に来て、「雷鳥がこんなに人間の近くまで寄ってくるのは初めて見た」と驚いたそうです。
「この山の人間たちが決して自分たちを害さないという長年の経験によって培われた信頼によるものだろう」と。

信頼関係を壊さないように、そっと見守っていると、岩場に隠れていたのが姿を現し、こちらの登山道の方へとどんどん下りてきます。

しまいには、目の前で砂浴びをはじめる始末。

人間が信頼されているのは嬉しいけれど、ここ、登山道の真ん中だよ。
気ぃつけやー。

東天井岳登頂、素通りした横通岳

雷鳥さんとのフォトセッションでだいぶ時間を使いました。
後ろ髪惹かれながら、だいぶ前へと進んでしまった男子陣を追います。

尾根道の横には、ところどころ残雪が。
高山の涼しさを改めて実感。
夜の気温はいかほどでしょう。

ひらけたところから見下ろすと、大所帯のご一行がちょい先でお休み中なのが見えたので、さっと下りてお先に失礼します。

登山は競争じゃないので、みんな自分の心地よいペースで山歩きを楽しめるのがいいところです。

さて、今日の宿泊場所、常念小屋へ行く前に、もう二山登ります。

まずは、東天井岳。
これまでのような分かりやすい道標的なものがなかったものの、ガイド役の妹が地図で確認し、無事登頂。

母と叔母で、両手に花状態の次男。
達成感と爽快感あふれる我ら3人を、単独登頂されていたソロ女子に撮ってもらいました。
※長男は麓で待機(気の毒に)。

撮りましょうか、と声をかけたら、
「あ、大丈夫です」
と超クールな返答が。さっさと下りていかれました。
足取り確かで、めっちゃ早かった。

今回の山行で驚いたのは、ソロ女子の多さ。
なんなら、ソロ男子より目にしたような(目立つからかな)。
山小屋では見かけなかったので、テント泊のソロ登山派の女子がけっこういるのかもしれません。

麓で待っていた長男と合流、進みます。
しばらく進むと道標が。

常念小屋が近いらしい。

「あれ、そういえば、横通岳は?」

どうやら通り過ぎてしまったらしい。
東天井岳も道標が見えず危うく通り過ぎそうでしたが、横通岳よことおしだけは実際に通り過ぎてしまったようです。
仕方がないので、今回はスルーのまま先へ進みます。

「ここからは下りだから、ストック使ってみるなら練習にいいかも」

という妹のアドバイスで、今回の新装備登山用ストックの登場。
高度が少し下がったのか、常念小屋までの下りは視界の遮られた緑の中を進みます。

視界がひらけ、この日のお宿、常念小屋が見えました。
小屋の背後が、明日登る常念岳。
岩が黒っぽくて、色白さんだった燕岳と対比的。
山それぞれの個性を感じます。

下ってきた森を背にした一枚。
両手のストックは、このときはあまり必要性を感じず(というか慣れず?)ちょっと持て余しました。
※ストックの真価は、翌日発揮されます。

テント泊のキャンプ場を横切って小屋へ。
燕山荘のキャンプ場同様、半分も埋まらない程よいソーシャルディスタンス具合。
妹曰く、シーズン真っ盛りでこの空き具合は初めてとのこと。
平日ゆえか、コロナゆえか。

常念小屋へ


2日目の宿、常念小屋に到着。
受付を済ませてすぐに、、、

小屋の茶屋「常念坊」にてお疲れさまの宴。

宴といっても、酒類は私のみ。
男子陣はカップ麺、妹はハーゲンダッツで、本日の行軍の無事を祝いました。


ステンレスマグで飲むビヤ。
ヤッホーって感じの味がしました(どんな?)。

2日連続ハンバーグ。
小屋それぞれのお味でどちらも美味しかったですが、あえて言うなら、ボリューム、デザートの有無等々、燕山荘に軍配が上がりそう。

夕食後は、書棚の『岳』(燕山荘にも全巻ありました)や同著者のジャズマンガ『BLUE GIANT』を読んだり、常念坊で地図を確認している妹の山の話を聞いたりして、まったり時間を過ごします。

この日は、男子が早々に就寝(まだ20時前だよ?)。
新品のライトの具合を確認するため、男子はおいて姉妹で、小屋の前の広場、常念乗越へ。

雲が出ちゃってるねぇ、と言った直後、不思議なことに、みるみる雲が切れて流れてゆき星空が!
山の神様、ありがとうございます。
その後また、雲が出てしまったけれど、つかの間、星空を眺めることができました。

常念小屋では、4人1部屋(6畳くらい?)。
ご時世柄、衝立がありました。

この日は、早寝の男子につき合って早めの就寝となりました。

2日目の実際の行程はこちら。⇩


(3日目へ続く)



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