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伊勢神宮へ


父の仕事で伊勢市にご縁があったので、二人でお伊勢参りをして来ました!

幼い頃「お伊勢参り」と聞くと、
・おばあちゃんたちの町内会のバスツアー
・お土産に赤福とお守り
↑このような印象が強かった。
しかし、2013年の式年遷宮に行ったとき、若い人たちが多かったことに驚いた。
そして、参拝のためにたくさん歩く!しかも参道は砂利!足腰丈夫なうちにお伊勢参りはするものだと気付いた。
次回の式年遷宮の時、父は80代後半となり、あの参道を歩くことは難しいかもしれないと思い、2泊3日のお伊勢参りを計画した。

東海道新幹線から富士山が見えた



伊勢市駅を降り、外宮へ向かう。伊勢の空気は何か違う、神聖だ。大きく息を吸い込み、体に染み込ませる。

先ずは【外宮】からお参り

大きな灯籠がどっしりと構えている

事前に買っておいたガイドブックに従い、一つ一つのお宮を参拝していく。樹々たちがお宮を守り、天からのエネルギーを参拝者にも分けてくれているように感じた。

なんとなく「空が広いな」と感じたのは、前回の参拝時には新旧のお宮が並んであったが、今回は一つだけ。次の式年遷宮の準備もそろそろ始まると聞く。約10年経ったお宮の屋根には苔が生え、時の経過と自然の強さを見ることができた。

外宮の神馬さんに会えた
人懐こくて可愛い目をしている



【二見興玉神社】へ
本来ならば、外宮参拝前お清めのために二見興玉神社を参拝するらしいのだが、許してもらおう。

夫婦岩とカエルたち
この旅が無事であるようお願いする


この日は経験したことのない強風だった。
波の泡が飛んでくる!前に進めない!
それでも、夫婦岩にはしっかりと大縄が結ばれていた。年に3回取り替える作業は、荒波と強風の中では命懸けだろうなぁと想像する。

この日の強風で、鳥羽〜伊勢間の電車に遅れが出ていた。気温も冷たく体が硬くなってしまったが、無事に旅館に着き、温泉にゆっくりと浸かり、松坂牛をたらふく食べて、心身ともにあたたまった。

次の日【内宮】へ

曇り空でも、内宮の空気は神聖だ。

宇治橋鳥居が迎えてくれる
五十鈴川と木除杭(きよけぐい)
神苑(しんえん)
お手入れされていて美しい


神苑の先には手水舎があり、清めてから先に進むと五十鈴川の御手洗場があり、さらに清める。
俗世に生きているとたくさんの塵芥が付着しているのであろう。二度も清め、やっとお宮へ参拝。
内宮でも真面目にガイドブックに従い、一つ一つ丁寧に参拝してきた。

階段も多く高齢者にはけっこうきついかも
内宮の神馬さんは、ちょっと人見知り


参拝者のほとんどが、スマホ片手に歩いていた。ガイドブックを持っている人は、私以外いなかった。神聖な場所で、電波を使うのはどうなのかな?天からのエネルギーがぶれたりしないのだろうか?と勝手な妄想を抱いて、参拝中はスマホの電源を切っていたが、時代とともに変化してきているのかもしれない。
しかし、伊勢神宮の式年遷宮は変化せずに1300年以上続いていて、日本の文化・技術の伝承は今も大切にされている。

【おかげ横丁】へ
おかげ横丁はものすごい人だった。赤福には相変わらず列が出来ているし、スヌーピーやすみっコぐらしのお店(伊勢に関係あるのかな?)も人気だった。
食べ歩きと人混みが苦手な父と私は、小さな喫茶店に入りサンドウィッチとコーヒーで一息つき、足を休めた。

【神宮美術館・徴古館】へ
伊勢神宮の歴史もしっかりと観ようと、徴古館へ。日本初の私立博物館という建物は、国の有形重要文化財にもなっている(写真がなくてすみません)。祭典で使用する物や資料が展示され、歴史が学べる。
そして、30周年を迎えた美術館へ。戦後、式年遷宮の資金不足を解消するために、芸術家たちが作品を奉納したことがきっかけで、美術・工芸品を展示するようになり、美術館が建てられた。洋画・日本画・彫刻・工芸と素晴らしい作品たちに出会える。また、庭も散策できて楽しい。
おかげ横丁の人混みと違って、ここの空気は清涼で心地よい。だけど、こんなに素晴らしい歴史と文化を展示しているのにほとんど人がおらず、もったいない!おかげ横丁の5分の1でいいから見に来て欲しいと願う。

歴史・文化・現代をたっぷりと体感し、たくさん歩いた2日間だった。旅館で伊勢海老をたらふく食べ、温泉に浸かり、疲れた足をあたためて、ぐっすりと眠った。

父と二人で旅を目的とした移動をするのは初めてだった。
普段の移動は、父の仕事をサポートすることなので、気を休める暇もなく、景色を楽しむこともなかった。
今回の旅に仕事は少し絡んでいたが、旅館でゆっくり食事をし温泉に入るなんて初めてだった。
「こんな素晴らしい時間を作れたことに心から感謝し、明日からまたしっかりと生きていこう」と帰りの電車の中で話し合った。
伊勢で見た日本の歴史や文化の素晴らしさを再認識することができて、これから先、関わる人と時間をもっと大切にしたいと思った。

『父と行くお伊勢参りのお土産は優しい心と赤福2つ』