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とうもろこしご飯贔屓について

こんばんは、今日は人生で初めてファミチキを食べた日。
美味しいかったけれど、これといって「何回も食べたくなる味!」ではなかったかもです。
ごちそうさまでした。


今日の食日記

今年の夏の振り返ると、黄色の粒が光ったおむすびを思い出す。
噛むたびに芳醇な甘味を醸し出したあの主食。
それだけをひたすらに食べ続けたいと願ったあの主食。

とうもろこしご飯には大変お世話になった。

こんなにも美味しかったものか?と今年初めてのとうもろこしご飯を口にした時そう呟いたことを覚えている。

始まりはおばあちゃんが作るとうもろこしが世界一美味しいというところから。

僕のおばあちゃんは、まだまだ現役。
作物量は体力に合わせて減らしてきているが、まだまだ農作物に合わせて体が早起きしてしまったり、勝手に外に様子をみに行ってしまったり、その体力はとどまるところを知らないと母が嬉しくも嘆いていた(家におって!がよく聞こえてくる。母は元気なおばあちゃんをずっと見ていたい。その一心だ)。

夏は野菜の収穫シーズン。
ありがたいことに、僕の夏はおばあちゃん方のフレッシュな野菜で育ってきたから、美味しい野菜しか知らないとてつもない贅沢ものだ。夏になれば真っ赤で濃密なトマトが食卓に並び、採れたてのきゅうりの浅漬けは大きくて食べ応えが違う。
「農薬をできるだけ少なく」と汗を流して育ててくれたお野菜の数々は美味しさのレベルが比べ物にならない。

中でも、とうもろこしはダントツだ。
夏の野菜とうもろこしを、スーパーで買ったことはない。
ひげもじゃもじゃの大きなとうもろこしはキロ単位で家にやってきて、丸ごと茹でられ、むしゃむしゃと全力で食いちぎるようにいただく。
粒がたった元気なとうもろこしからは、噛むたびに甘みが溢れシャキシャキの噛み心地が群を抜いているのだ。
夏といえばやっぱりこのわんぱくとうもろこしがなくてはならない。

居ても立ってもいられなくなり、親がおばあちゃん家に帰る時、思い切ってとうもろこしくださいと懇願した。
栃木の地に岐阜のとうもろこしがやってくることがあっても良いのだろうか。その日届いた段ボールを開けて、丸ごと一本湯がいた後、マイラバーとうもろこしご飯をせっせと仕込んだ。

2号白米を準備して、塩を小さじ1を回しかける。丸ごととうもろこしを寝かせたら、炊飯を押すという文明の技に頼れば、あっという間に炊き立てのとうもろこしご飯ができるのだ。


世界一美味しいおむすびの完成

キラッと一粒一粒のとうもろこしを確認し壊さぬように慎重に口に運ぶ。

ほかほか!を逃すのが大嫌いな僕は、やけどを躊躇することなく大きな塊を口に放り込んだ。
じわーっと鼻に抜けるとうもろこしの香り。
シャキッがギリギリ残っているくらいに蒸されたとうもろこしは、シュワっと水々しく弾ける。その強い味わいとしっかりとした甘さがなん度も咀嚼させる。

味の決め手に入れた塩の旨みが存分に感じられるそのシンプルながら洗練されたご飯は、有無を言わさぬ究極のとうもろこしご飯と言えるだろう。

おばあちゃんの育てたとうもろこしご飯にしか出せない味だと確信している。
ここまで甘く芳醇なとうもろこしを食べたことがないのだから。

旨みと甘みの調和が取れたとうもろこしご飯を年中食べたいとは望まない。
また来年のこの季節に出会えることこそが、おばあちゃんとの約束のような気がしているから。

とうもろこしご飯贔屓なもので、また来年!


美味しいひとときに、ごちそうさまでした。
では、また次回。



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