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先日「かなりちゃんとした」オンライン講座を開催してみた話

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、皆が外出自粛を余儀なくされている現在、それと対比して、オンラインの会議や講座、遠隔医療、テレワークなどが活発になっています。

これは、非常に「望まざる形」ではありますが、「オンラインの機運」といえる状態なのではないでしょうか。

そんな中、先日、対外的にオンライン講座を開催してみた話を少し書いてみたいと思います。

経緯

経緯としては、オンライン講座で講師を務めてくださった星野哲さんとのご縁から始まります。
星野さんは、一言では語りきれない方ですが、いわばライフエンディングの専門家で、立教大学社会デザイン研究所研究員や、ライターなどもされている方です。  

私自身は、星野さんと、いくつかの勉強会などでたまにお会いするくらいだったのですが、星野さんのご著書は『最期のお金の活かし方 遺贈寄付』『定年後はお寺が居場所』など、いつも拝読していましたし、私が幹事をしている寺院活性化研究会でも、令和元年11月に「居場所となるお寺づくり」というセミナーを開催し、星野さんを講師としてその会が行われる博多までお招きするに至りました。
僧侶の方ではないですが、『地域寺院』という雑誌の取材などを行っていたり、多くの寺院の取り組みなどもよくご存知で、僧侶以上に僧侶を知っていそうな、お話を聞いているとそんな感覚もする方です。

そして、そんな星野さんも、もっと言えば私も、この状況で様々な活動の自粛を余儀なくされていました。
動くに動けないこのような状況で、ある日のやり取りで、「星野さんを講師にしてオンライン講座を開催しましょう」という思いつきのメッセージをお送りしたら、ご快諾いただき、『集活』や『遺贈寄付』をテーマに含めて、オンライン講座を開催する運びとなりました。  

そして、その話を同じく僧侶の久住謙昭さんという方にお話をすると、「実は、このコロナを逆手に取って、双方向で学び合うコミュニティをつくりたいと思っていたところなんだ」というお話があり、これを単発講座にするのではなく、そういうコミュニティの取っ掛かりにしようというご提案がありました。
同じように、これからの話しではありますが、何人かの方々とお話をしながら進めることになりました。まあ大きな話になってきました。

実際の開催日まで2週間もなかったと思います。
しかし、まさに望まざる形で訪れたオンラインの機運に後押しされたような形で、勢いよく話が動き出しました。

ツール

オンラインで講座を開催するツールは、zoomを使用しました。

今流行りのzoomです。
会議を行うのに非常に便利で、参加者は会員登録しなくても良かったり、媒体を選ばなかったり(PCでもタブレットでもスマホでも)、私も昨年から色々と可能性を感じて、有料会員になっていましたので、それを使うことになりました。
日頃、有志の僧侶の方々と使って、こなれているというのもあります。不慣れなツールでこういうことはあまりしない方がいいですしね。

ここのところ、ユーザー数が激増し、セキュリティ面を突っつかれることが多いzoomですが、情報を見ていると、要は今まで鍵無しの部屋を衆目に晒すような状態で行っていたのがまずい訳で、パスワード設定や、ミーティングルーム情報の共有の仕方、待合室機能(ホストが許可した人のみ参加できる)などでかなりセキュリティの度合いは変わると思います。

まあ、これはこれで大変なのですが、zoomも暗号化などセキュリティ対策には躍起になっているようです。この辺りはさらなる向上に期待したいですね。

講師謝礼について

あえて書きますが、お金の話は大事にしています。
別に私はお金持ちではないので、風呂敷を広げたところで、私自身が講師にお支払いできる金額はたかがしれているのですが。
しかし、私自身にしても、他の方にしても、何故か妙に「オンラインは安価」という、そういう固定観念があるように感じます。
「お互いの勉強として」とか、「遊びのようなつもりで」という建前を使って相手のボランティア精神に期待するような、そんな風潮が見られます。  

実際私もこれまで講師のボランティア精神に期待していたことも少なからずあるのですが、オンラインで様々な講座を組んだりするなら、それじゃいかんだろうという思いがありました。相手に悪いですし、タダにすれば(講師も参加者も)タダなりの方しか来なくなるような思いもありました。  

そこで、実際に私が持ちかけた方法も、安価といえば安価なのですが、このnoteの「サポートをする」という機能を使うことにしました。

この記事の下にも「サポートをする」があると思いますが、noteの記事を書かれている方に、「任意の金額」を送金する機能です。

有料記事を書いていただいて、「固定の金額」を設定する機能もありましたが、どちらかというと、「任意の金額」というのが、参加者の心理的ハードルが下がるのと、「サポートをする」は金額とともにメッセージで思いが伝えられるので、サポートをする方が、可能性を感じたというところもあります。
星野さんが乗ってくださったというのも大きいです。

念の為、下限を1000円と定めた上で、あとはお気持ち次第…というとまさにこの界隈の言い回しみたいで嫌いですが、この方法を取ることにしました。

当日~反省点含め

告知から開催まであまり時間がなかったので、10名ほど集まれば有り難い、くらいの感覚であったりもしたのですが、当日フタを開けると、25名くらいの方がいらっしゃいました。

講師の星野さんはやはりプロです。
オンラインに不慣れな中、聴衆の顔色を気にしながら講義を進めてくださいました。参加者の方の満足度も高かったようです。  

私の方は…半々でしょうか。
普段使って慣れている部分もありますが、時間が過ぎてもちょこちょこ入室される方もいて、こちらも「○時で切る」とか、その手のアナウンスをしていなかったのもあり、先述した「待合室機能」で、ホストの承認待ちの参加希望者がいないか逐一気にしながら、チャットで議事録代わりのことをしつつ、たまに何か会議をまわすような話をしたり、普段とは違う忙しさがあるので、(嫌いではないですが)なかなか大変ではありました。

「ブレイクアウトルーム」という、いわゆる分散会・グループワーク機能も使いました。機能自体は問題なく使えましたが、座長の決め方などをアナウンスしていなかったので、迷った方もいたようです。運用次第だなと思いました。

色々と手落ちもあったので、ご参加いただいた方にはご容赦いただければと思います。

今後に活きる経験をさせていただきました。

今後の展望~双方向で学び合うコミュニティについて

今後、私の思いとしては、シンプルに言えば、こんなオンライン講座を、僧侶界隈でも、それ以外の方々を含めても、また、私のフィールドの宮崎でも、ときおり開催したいと考えています。

4月下旬にも、信岡良亮さんという方をお招きして、「僧侶向けオンラインファシリテーション講座」を開催する運びとなりました。オンラインの会議運営の技術的な話や、オンラインに対する理解を深めようという試みです。
今後もこんな講座の企画に携われればと思っています。

そして、それとは別に、先述した久住さんがおっしゃったような、「双方向で学び合うコミュニティ」をつくることも関わりたいと思います。

「双方向で学び合うコミュニティ」ありそうで、ないコミュニティだと思います。
なぜかといえば、オンラインサロンのようなオンラインのコミュニティは、どうしても管理役だったり、特定の人が動かさざるを得ない状況になるからです。いわば中央集権型なイメージですが、これを双方向にする。簡単そうで、そういう場ができることって難しいことだと思います。

そしてオンラインで学ぶだけでなく、それを私たちがそれぞれ持つオフライン(現場、地元)で活かす、そんなオンラインとオフラインとの融合がなされれば、と思います。

(仮)で、「ローカルコミュニティファシリテーター」という名称をふってありますが、この名称含め、色々と模索段階で、こういうことを考えている方も多いと思います。

こんなコミュニティづくりが同時多発的に起きていても、まったくキャパオーバーにならない、これこそがオンラインの可能性だと思いますし、これから、私も関わっていきたいと思います。

一先ず、こんなところですが、オンラインで講座を開催するということは、今までかなり手がかかっていたことを、オンラインで完結する形で行うという大きな可能性を持っています。

日本全体が、一刻も早いコロナの収束を祈るとともに、この可能性を模索している時期ですね。


森下 恵王 合掌
―――――――
身延山宮崎別院 立正寺 副住職
宮崎県宮崎市末広1-6-1
℡0985-27-1121

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