見出し画像

中国未進出ブランドの中国市場攻略いろは

今後、更に人口減少が進む日本でビジネスを行うことは大変難しくなってきています。そんな中、巨大な市場を持つ中国に進出しようとする日系企業は多く存在します。日本酒や農作物などの中国進出も増えていくことでしょう。私は普段大手企業様の市場調査業務を請け負っていますが、今回は中国に未進出のブランドがどうやったら売れるブランドになり得るのかについて、まとめてみようと思います。

いきなり大きく売ることは無理!

単刀直入に申し上げて、これは絶対に無理です。想定しない外的要因により、知らないところで売上が上がることはあったとしても、基本的にそんなラッキーは起きえません。

よく言われることに「中国は人口が日本の10倍もいるんだから、売上げも日本の10倍売れるでしょ。」という言葉があります。

中国市場に携わっている人ならば、この発言がいかにナンセンスかお分かりいただけると思います。確かに、中国の人口数は魅力的ですし、シェア10%だとしても、日本の人口を上回る購入者を獲得できることになります。

日本でそこそこ売れている商品でも、中国にきたら苦戦をします
それくらい難しい市場なんです。

我々が魅力的だと感じるということは、世界中の企業も同じように考えています。それくらい競合が多いということです。

まずは、このマインドを持っておきましょう。

地道にやっていく

中国関連の情報を見ていくと、「天猫」、「京東」、「Alibaba」、「Tencent」、「KOL」などのキーワードに出会うことが多いと思います。しかし、これから進出しようとするブランドは、一旦これらのワードは忘れた方がいいと思います。
というのも、天猫に商品を出すにはしっかりとした実績がないとそもそも商品を出すことが出来ないですし、現地法人も必要です。天猫に商品を出せたとしても、年間のランニングコストで2000万円ほどかかるといわれています。生まれたてのブランドがこんなマーケティングを行うのは現実的ではありません。

いきなりですが、うちの商品は日本では有名だから、大丈夫。と思った方に質問です。中国人の認知度はどれだけありますか?中国人のファン(ロイヤル顧客)はどれくらいますか?多くのブランドは自信を持ってたくさんいるといえないはずです。

日本で人気=中国で売れるではありませんしかし、誤解ないように申し上げると、日本で人気ということは実は大きなアドバンテージなんです。

日本市場でもできることはある

中国に進出する上で、日本で人気であるということは大きな強みになることは間違いありません。商品カテゴリにもよりますが、日本人が使っているから安心して使えるという心理は働くからです(化粧品や食品など)。

また、日本でもできることの一つとして、在日中国人や訪日中国人対策があります。彼らにしっかりと商品を浸透させることで、中国本土の彼らのコミュニティに属する人たちにもその商品が知られるというストーリーを描くことができます。例えば日本在住の中国人で影響力を持っている人をターゲットして商品をトライアルさせてみる施策などは有効と言えるでしょう。

日本でも売れない商品はどこでも売れません。なので、日本初のブランドであれば地の利をしっかりと生かすべきです。

小規模でいい。ファンを増やす施策を。

まずは小規模でもいいので、ファンを増やす施策をとってください。
いきなり何千万もする施策を売ったり、商品在庫を抱えても失敗まっしぐらです。

エリアを絞って、ターゲットを絞り、USPを絞り、狙っていきましょう。
最初は少ない規模かもしれません。しかし、その小規模な市場でも浸透しなければ、大きくマーケティングを動かしたからといって成功するはずがないのです。

テストマーケ(仮説→検証→振返り)をすべし

先ほど、エリアを絞り、ターゲットを絞り、USPを絞りと話しました。マーケティングの基本ですが、とても大切なポイントですので改めて強調しておきます。そして、これらを決めることは皆さんのマーケティング上の戦略を決めるのと同義です。

この戦略は動かしてみて、初めてうまくいったかどうかが分かります。
初めから大きな予算をかけることは難しいと思うので、まずは小規模にテストマーケを繰り返し、仮説検証振返りのプロセスを回していくべきと考えます。

例えば、10万人の人にターゲットできるプロモーション施策を小規模に実施し、購入率リピート率を把握していくことは重要です。

どういったプロモーションが効果的なのか、どれくらいの人が買ってくれるのか、どれくらいの人がリピートしてくれるのか。

これらが不明な状態ではどうやってもマーケティング戦略を作ることはできませんよね。まずはここを探っていくところからスタートです。

市場理解&消費者理解の重要性

本格的に商品を出していく上では、中国市場の理解は欠かせないです。
マーケット構造消費者のニーズ理解なしではUSPを作ることは難しく、本当に今の戦略が勝てる戦略なのかを裏付けられません。

小規模でもいいので、ヒアリングや市場調査は行うようにしましょう。意思決定時に必要な情報を地道に回収していくことはマーケティングの基本ですね。

まとめ

中国人口は日本の10倍。だから10倍売れる。出せば売れる。という幻想を持つのはもうやめましょう。そして、地道にやっていくしかないというマインドを持ち、一歩ずつでも前に進むことのできる戦略を作ることが重要です。
私はプロモーションを専門としていませんが、中国消費者のデータを取り扱う会社にいる立場として、日々様々な関係者の方とお話をして得られた知見をベースに本記事を執筆しています。



よろしければサポートお願いします!これからの記事制作に使わせていただきます。