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人材紹介以上の何かを提供すること

弊社の人材紹介で目指すべきポイントについてまとめてみました。
一言で表すと「人材紹介の以上の何か」を提供することだと考えています。
これについて例を交えながら考えてみます。

例えば、旅行先で泊まるホテルについて。

■そもそもホテルとは
宿泊施設という通り、ベッド、風呂、トイレの3つが備わっている施設。ということだと考えています。
この3つがあれば、最低限は「宿泊」という目的を達成することができます。

■課題
人によって求めることは違うと思いますが、上記3点があるだけでは、なかなか宿泊しよう。という決め手にならないはずです。
「個室」「アメニティ」「綺麗さ」「快適さ」「利便性」「接客」等、ホテルに求める条件は様々です。
3点の条件だけでは「満足してもらえない」という課題があります。
ホテルと宿泊施設の差分は「最低限より上のサービスや設備」が整っていることで課題を解決していっています。
つまり、その分の価格を上げてでも「宿泊施設」ではなく「ホテル」という形で顧客満足度を高めている。と言えるのではないでしょうか。

■ホテルの種類
雑に分解すると「高級ホテル」と「大衆ホテル」があると思います。
「高級ホテル」とはリッツカールトンや帝国ホテルと言われる高価格帯のホテル。
「大衆ホテル」とは東横インやアパホテルに代表されるような中価格帯(ボリュームゾーン)のホテル。
※あえて言えば、最低限寝れるだけの宿泊施設は低価格帯に分類できるかと思います。

■人はなぜ高いホテルに泊まるのか
「宿泊」というゴールを達成するだけなら、最低限の宿泊施設で十分です。
また、個室や最低限のアメニティがある。という点でいえば、大衆ホテルで十二分に事足りますし、一般家庭のアメニティ等で考えれば、むしろ大衆ホテルが最も普段の生活水準に近いはずです。
にも関わらず、なぜ高いお金を払って「宿泊」をしようとするのでしょうか。

そこには「宿泊以上の何か」がありますし「大衆ホテル以上の何か」があるからこそ「高級ホテル」に宿泊するのだと考えています。
「その何か」があれば、平均以上の顧客満足が得られている証拠ですし、その分を「価格に転嫁」できるということだと弊社では理解しています。

■人材紹介でいうと
大手人材紹介会社が価格からみれば「大衆ホテル」に当たると考えられます。
会社によっては「宿泊施設」のような形で低単価を謳っているところもあります。
弊社は「高級ホテル」を目指したいと考えています。

■他社との差別化
他社がどのようなサービスを行っているのか、どのような思想で、どのようなKPIで事業を行っているのかという点に着目しました。

①紹介数重視
20社受ければ1社内定が出ます。という話をする人材紹介会社が一定あります。
こういった会社は、応募数を担保することで内定まで導こうとしています。
個人的にものすごく嫌いな発想です。
人事出身の身からいうと、全然マッチしない人を平気で紹介してきます。
介在価値がどこにあるのか分からないけど、たまに良い人が紹介されることがあるので、その人を採用したらお金が発生するからです。

②自動マッチング
システムによって自動マッチをさせる方法です。
求職者の情報と、求人票の情報を照らし合わせて、何かしらのロジックで応募喚起を促す方法です。
上手くシステムが使えている会社であれば良いと思うのですが、現状は酷い状態です。
システムでマッチした求人を、人の目を通さずに求職者に送る会社があります。
候補者が興味を持って応募しても「書類お見送り」で返ってくるという事例が多発します。
候補者も期待して応募していますし、企業側も書類選考の手間がかかります。
誰も得をしていない状態を作ってしまっています。
仮にシステムで自動マッチするにしても、現在のマッチング精度であれば、担当者が目検して、本人の希望と企業の希望が一致している求人だけを紹介する(つまり書類選考通過率が限りなく100%に近い状態)ことが大切だと考えています。
このあたりを「サボる」ためにシステムを導入している人材紹介会社には嫌悪すら覚えますし、顧客目線が全くないなと感じます。

③適当なキャリア面談
本人の希望だけ聞いて、とりあえず仕事を紹介する面談です。
とりあえず「本人の希望に多少近い求人」の中から「受かりそうな求人」を選んで紹介するだけです。
これって、人がヒアリングする必要すらないですし、人のキャリアを「もっとよくしてあげたい」という意志が全く感じられません。
もはやキャリア面談ではなく「言われたことを行うだけのマシーン」と同じです。

■上記3点を踏まえて
①紹介について
弊社では1名紹介したら1名入社。という世界を本気で目指したいと思っています。
まだまだ遠い目標ですが、目指すべきところは絶対にここだと考えています。
候補者にとっても、企業にとっても、これが最も効率よく、気持ちが良い転職活動(採用活動)になると信じています。

そのため弊社のメンバーには
「自信を持って推薦できる良い人だけ紹介してほしい」
「選考でNGが出る訳ない。と思える状態で推薦してほしい」
「NG理由を根掘り葉掘り聞きたくなるレベルで自信を持って推薦してほしい」
と伝えています。

本気で候補者と企業に向き合えば「自信」「嬉しさ」「悲しさ」「粘り強さ」が生まれるはずです。
そこまで想いを持って推薦できるような仕事をしてほしいと考えています。

②自動マッチング
現時点で導入する予定はありません。
まだまだ「人の気持ち」をシステムが読み取れません。
自動化が叫ばれている世の中ですが、人にしか出来ない仕事もまだまだ存在しています。
それを人の手で、丁寧に、マッチングしていくところに価値がある。と考えています。

③面談
根掘り葉掘り何でも聞くようにしています。
先日、私が面談を担当した際「4名連続で転職しない方が良い」という話をしました。
それは仕事だけでなく、プライベートな話、家庭環境の話、今後の人生設計の話等を踏まえると「転職しないことがBEST」だと判断できたからです。
職務経歴書には「キャリア」については書かれていても「プライベート」な内容は書かれません。
「本人の気持ち」についても当然書かれません。
レジュメだけでマッチングしよう。というのは限りなく不可能に近いです。
仕事なんて人生の一部でしかないので「人生を良いものにする」という前提で考えることが大切です。
その中で「転職」というソリューションが良い選択でないのであれば、より良い人生を送れるような選択肢を一緒に考えることも大切だと考えています。
当然、1円の売上にもなりませんが「転職ありき」の面談で、「仕事の話だけ」をして、「次の求人票を紹介」なんていうキャリア面談はバカバカしいと思っています。
候補者と企業に向き合えば、当然に「根掘り葉掘りヒアリング」して「マッチする方を紹介する」という仕事に結びつくはずです。


まだまだ「人材紹介以上の何か」の答えは明確ではありません。
ただ、上記のような考え方を通して「もの凄く考えてくれる人材紹介会社」だということを求職者にも企業にも伝えていきたいと考えています。

まだまだ伝わり切っていない部分もあります。
上記のようなことをやっているので社内コストも高いのですが(苦笑)その分のコストをなかなかクライアント企業様にご理解いただけていないことを反省点にしています。

宿泊施設が3000円。
大衆ホテルが7000円。
高級ホテルが30000円。

コスト重視の人材紹介は年収の20%。
一般的な人材紹介が年収の35%。
だとすると、年収の50%を報酬として頂けるようなハイレベルのサービスを弊社はもっと突き詰めていきたいと考えています。


そういった想いに共感頂ける方と一緒にお仕事をしたい。と思っています。