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表千家流の茶席で飛び入り点前をしました

南坊流の私が表千家流のお茶席で飛び入り点前をしたお話です。
この記事の結論=他流派交流は積極的にすべきという事です。

ちょっと前のことですが私の祖母の家、長野県坂城町をぶらついていると…

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お…なにやら文化の館でお茶席をやっているようで…

これは幸運と早速足を踏み入れます。

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お軸は定番の喫茶去。

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お花は…(花の名前が覚えられないんですToT)

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香合は扇

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この卓は一番下の板が抜いてあります。水指運び出しの点前用の卓なのだそう。確かに、納得の形状です。

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棗、茶杓。茶杓の銘は…

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はい、会期にしっかり書いてあります。
※全ての写真は拝見の時に許可のもと、撮影しました。

 さて時系列は前後しますが本題はここからです。
 私が正客につき、問答をしていると…やはりお茶をされない方とは落ち着き方が違うのでしょう…
「失礼ですが、お茶をやられているのですか?」
「はい、福岡の地場の流派である南坊流です。南方録の南坊流です。」
「初めて聞きました…珍しいですね…」
「はい、福岡藩の家臣、福岡以外では、数カ所しかないようです。」
 そんなこんなでお菓子・お茶を美味しくいただき、帰路につこうとしたところ…社中の皆様に声をかけられ…
「よろしければ南坊流のお点前見せて頂けないかしら?
 今お待ちのお客様もいらっしゃらないし…」
「あ…はい喜んで!(庄屋風)」
 というわけで二つ返事で袱紗だけお借りし、南坊流の薄茶点前を。
…いや結構すごいことだと思うんです。他流のお茶席で、突然お願いされて、自流のお点前をするって。
 皆様の感嘆に溢れるひと時でした。やはり珍しい流派の珍しいお点前というのは表千家の皆様には刺激になったようです。私も説明しながらお点前させていただきとても楽しかったです。

 こうした他流派交流は、流派・社中によっては禁止されているところもあるようです。でも、禁止することの目的は何でしょうか?お点前が混ざってコンタミするからでしょうか?…いいえ、きっと何かに対する恐怖が原因だと思うのです。自分とは違う哲学に触れられることの恐怖、引き抜かれる恐怖、疑問を持たれることの恐怖。
 しかし他流派と点前披露や意見交換をしても自流が汚れたり壊れたりする事はありません。その上、むしろ自流の位置付けをより理解することができると私は思います。例えば、南坊流は他流の方に点前をお見せすると「丁寧で手数が多いですね」とよく言われます。だからこそ”丁寧で手数が多いこと”を大切にし、崩さないようにしたいとようになりました。

最初に述べた結論を繰り返し、締めくくりたいと思います。
茶道において、他流派交流は積極的にすべきです。
(営利企業では同業他社との接触は禁じられていますが、異業種交流と考えればこの考え方は一般化できるかもしれませんね。)


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