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東日本大震災メモリアルマッチ、そして

ついに2021シーズンが幕を開けた。初戦は「東日本大震災メモリアルマッチ 福島ダービー」。2年ぶりの開催となる本試合は、福島ユナイテッドとの対戦。コロナ禍という極めて特殊な状況下での開催となったが、東日本大震災から10年を迎え、これまで紡いできた日々を振り返りながら、それぞれの胸に日常生活を送れることの幸せ、サッカーを見られることの幸せ、地域にクラブがあることの有り難さを充分に感じることが出来た1日だったと思う。そして2週間後に控えたJFL開幕。例年のごとくホームと同様にアウェイを楽しみ、盛り上げるであろうサポーターの姿を期待しながら、その一端を書き連ねていきたい。

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サッカーを観られる嬉しさ

2年ぶりの開催となった「福島ダービー」。
喉元に刃物を突き付けられているかのような、10年前のあの忌まわしき日々。我々だけではなく、福島ユナイテッドサポーターのみんなも、多くの県民も、東北地方に生きる人々も、茨城、千葉などで被災した人々も、それこそ全国の人々も、良く頑張ってきたよね、本当に。震災直後、コロナ禍という特殊な状況ではあるにしても、「いわきFC」という名前が刻まれたレプユニを着て、サッカーを応援出来る、こんな日々が来るなんて本当に想像できなかった。まさに開催することに意義のある対戦だったように思う。

いわきサイドからすれば、勝てなかったのは本当に悔しくはあるのだけれど、勝ち負けによる「嬉しい、悔しい」という感情は試合ごとにいったりきたりするけれど、会場に着いた、仲間に会えた、スタグルを味わう、サッカーを観るという感情はたった1つ「楽しい」しかない。生きていれば辛いことや苦しいこと、悲しいことが一杯あるけれど、少なくとも自分にとって、この「非日常空間」には楽しいという感情しかないのだ。10年が経過し、そんな「楽しい」を目いっぱい与えてくれた両クラブ、サポーター、運営にあたった人々には本当に感謝しかない。

福島ユナイテッドもいわきFCも、今年は大きな期待を抱かざるを得ない。
そして思ったことが、下記ツイート。

まさにこのツイートが、自分の言いたいことを全部言ってくれている。
この日常を、県内全域の人々にとってもっともっと当たり前の日常にするために、今年も試合を楽しみ、盛り上げていけたら嬉しい。楽しいところに人は集まるのだ。

そこであえて、試合内容を抜きにして「楽しかった」を思い出してみた。その中で、アウェイの楽しさを再認識した。

アウェイ戦が楽しいのはなんでだろう

ということで、ここからは少々緊張感を解いて、軽く書いていきましょう。
ご存知のようにサッカーは「ホーム戦」と「アウェイ戦」があって、いわきFCが立ち上がって以降、少ないながら近場を中心に様々なアウェイ戦に出かけた。そこで知ったことがある。
アウェイ戦めちゃくちゃ楽しいじゃねぇか(笑)

ここ数年で行ったのは近場だけだけど福島、相馬、鏡石、米沢、弘前、女川、松島、にかほ、ひたちなか、鹿島、武蔵野…少ないながらも充実していた。その中で最も記憶に残っているのが女川で行われたコバルトーレ女川との対戦。いやーー…まじで楽しかった。

ムキムキホヤホヤ

コバルトーレ女川という好チーム、しかもアウェイとは言えどちょーどいい距離。それ以上に、女川の復興の様子を見たい。こりゃあ大量のサポーターが行くんじゃないだろうか、ということで、女川戦を前にサポ仲間の1人が「サッカーサッカーしてない『変なハッシュタグ』を付けてツイートしよう、見た人が「なんだこれ?」って思って追いかけてくれたら面白い」という提案で「変なハッシュタグ選手権」がサポーターグループLine内で盛り上がる。

うちは…ムキムキだわな。女川は…ホヤ食いたい。
ムキムキホヤホヤでいいんじゃね?はい決まり。
「ムキムキホヤホヤ」…剥きたてのホヤを喰いに行くのか、ムキムキだけどホヤホヤなチームなのか、なんだか分からんけどそれがいいということで、「2018開幕戦対コバルトーレ女川戦に参戦する者は『ムキムキホヤホヤ』のハッシュタグでツイートする」というルールが完成。

女川戦を前に、Twitterでは#ムキムキホヤホヤが密かに盛り上がっていた。

アウェイの楽しみは「現地の美味いもんを食う」という姿勢は素晴らしいと思います。

そうすると当然のように、前日から泊りがけで女川や石巻、松島あたりを満喫しまくるサポーターからのリポートが入り始める。


いよいよ会場に着く。アウェイの楽しさは到着した瞬間にもある。
初めて訪れる場所、勝手の知らない町で出会ういつも会う人々。それが単純に「非日常感」「高揚感」をもたらすのだ。遠く離れた場所で地元を思いっきり感じられる。そんな部分も精神的楽しさ。いや、サッカーが単純に一番楽しいのは分かってるけど!(笑)

そして、いわきFCサポが誇るデザイナーが軽トラで運んできた看板がこちら。はい、ドン。

コバルトーレ女川戦_210301_0

海の幸を喰いに来た
なんじゃそら(笑)

でもいいんですよ。東日本大震災で甚大な被害を受けた地域どうし。試合が大事なのは充分過ぎるほど理解したうえで、サポーターが現地を訪れ、試合を盛り上げ、美味しいものを食いまくって、お金を落とし、一緒に元気になる。それってすげぇ大事なことなんだよなぁ…と思い返した。勿論、今までアウェイで訪れた町で出会った人々はみなさん温かかった。サッカーとともに町や食、文化を楽しめるアウェイ戦て本当に楽しいのだ。

終わってからも楽しいアウェイ旅。

コバルトーレ女川戦_210301_1

地域を訪れ、両地域に思いを馳せる

なぜ今、女川のアウェイについて書いてきたかというと、単純に「アウェイの楽しさ」を多くの人に知ってほしいというだけなのだ。
新型コロナ禍にあって、残念ながらアウェイに行きづらい状況になっている現在。充分な対策をして行くもよし、一定の鎮静化が図られた後に大いに盛り上がっていくもよし。いわきのホーム戦に来られたアウェイのサポーターさんたちには、心からの大歓迎を、アウェイに行った先では心行くまで町、食、サッカーを楽しむ。早く、そんな日常が訪れることを祈りたい。
他の地域を訪れることで、自分たちの地域が見える。ますます地域を、クラブを好きになる。

追記
女川さんの試合が観たい。出来ればいわきFCと対戦してほしい。そしてまた、あの最高の町で最高の人々に囲まれて、最高に美味い食べ物を食べて大いに盛り上がりたいのだ。

2021シーズンが間もなく開幕。さあ次はどこを楽しむ。



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