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うつ病家族の知恵袋

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家族がうつ病になると、思いがけない出来事や悩みと次々に直面します。 そんな時どうやって取り組むか、立ち向かうのか、あえて逃げるのか。 経験者+カウンセラー+精神保健福祉士がアドバ… もっと読む
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記事一覧

スルースキルとは:メンタルケアラーのための心の防御術

メンタルケアラーにとって、ストレスから⾃⾝を守るスルースキルは不可⽋です。 スルースキルには、状況を客観的に捉える力、感情をコントロールする力、自分のニーズを認識し優先させる力が含まれます。 これらの力を身につけることで、メンタルケアラーは自身の精神的健康を維持しながら、家族を支え続けることができます。 しかし、メンタルケアラーがスルースキルを持っていない場合、ストレスが高まり、バーンアウトリスクが高まるだけでなく、家族への支援にも悪影響を与える可能性があります。 ケアラーが

【メンタルケアラー必見】ケア生活完全攻略の4大スキル

/ 🎁無料プレゼント企画 第6弾🎁 \ ≪ケアラー歴20年のカウンセラー直伝!≫ ケア生活完全攻略の4大スキルメンタルケアラーの毎日は、問題と悩みの連続です それこそ一つ一つ数えていたらきりがないでしょう 無限に出てくる毎日の問題を一つ一つ対処するのもきりがありません 毎日の無数の問題をまとめて対処出来る 「4大スキル」について解説しました 更にこの4つを身に着けていただくためのワーク・資料もご用意しました ≪受取方法≫ けいぜん庵のLINEに友だち登録していただく

夫婦間コミュニケーション:絆を築く3つのポイント

~精神疾患患者とメンタルケアラーの夫婦の場合~ 夫婦間のコミュニケーションは難しいですよね。 他の人なら「?」で済むような反応が、相手をよく知っているがために、その意図を読み取れてしまったり、深読みすることもあります。逆にこちらの意図を汲んでくれないことに不満を持ってしまったりします。 更にどちらかが精神疾患を持っていると、症状への配慮も加わるので難しさが増加します。 今回は、夫婦間コミュニケーションの注意点と活用できる心理学的アプローチ、更に今日から出来る工夫点をご紹介し

共感と同調:ケアラーの心理的負担と理想的な対応

辛い状況にある相手から同調を求められて拒否できる人は少ないでしょう。それがパートナーなら尚更です。 しかし一緒に生活する中で、常に同調し続けることはケアラーのメンタルを疲弊させます。 ケアラーが取るべき態度は、同調でしょうか、否定でしょうか、共感でしょうか。 ずっと一緒にいるからこそ、無条件の同調ではなくお互いの意思を尊重し合える共感を目指すことをお勧めします。 1.共感と同調はどう違う?①共感とは 共感とは「あたかもその人になったつもりで」その人が感じていることを

うつ病家族の感情のコントロールの難しさ:理由と対処法

家族に対する感情のコントロール、特にイライラや怒りが収まらない。どう対処すればいいか分からない、という悩みはケアラーあるあるです。 私も対処の仕方が分からず、散々夫と衝突しました。今思えば要らないことをたくさん言っていました。 しかし、イライラする根本は「どうにかして状況を改善したい」という意欲です。それは大事なモチベーションです。 意欲をそぐことなく、家族に対する怒りを和らげるためには「ストレス」「無力感」「自己評価の低下」を防止しましょう。 1.うつ病家族に対する感

うつ病回復期の準備と注意点

復帰へのスムーズな道のり うつ病が少しずつ回復してくると、一気に「治った」と思って失敗する、を繰り返してしまいます。 それは本人だけでなく家族も同様です。ずっと心配や不安を抱えていたからこそ反動が出ます。 うつ病の回復期とはどんな状態でしょうか。その後も続く再発予防も含めて考える必要があります。 職場に戻る・戻らないの判断に縛られず、家族自身の意見も含め、広い視野から今後を考える視点を持ちましょう。 1.うつ病回復期とは、不安定さが大きく出る時期①気分が安定し、エネルギー

うつ病急性期の症状と治療・サポート

-家族に出来ることのポイントを解説- うつ病は発症直後が一番状態が悪いです。一番しんどい時に家族も何をしていいのか分からず戸惑います。 うつ病が増えていることを頭では分かっていても、いざ家族がなるとすぐに対処出来ないのが現実です。 家族がうつ病になったときにやるべきノウハウの中から、今このタイミングで出来ること・やるべきことを知りましょう。 それが分かれば不要に慌てることなく、対応することが出来ます。 1.うつ病急性期とは①うつ病回復までの3段階 うつ病は発症から回復ま

共感しすぎて辛い!家族のネガティブ感情への対処法と共感疲労防止のポイント

うつ病家族の落ち込みやネガティブ感情に引きずられて辛い、という経験があるケアラーは多いと思います。 人は他者の感情に無意識に共感します。それが病気の家族であれば尚更です。 共感しすぎは多くのデメリットがあります。共感しないスキルもまた必要です。 家族のネガティブ感情への共感疲労への対抗策は、「課題の分離」「役割の明確化」「キャパシティの再認識」です。 1.近くにいる人に共感しすぎてしまう仕組み扁桃体 扁桃体は、他者からの情報発信の中から、特に感情に関する意味を読み取る役割

精神疾患家族との関わり方

3つのタイプ別アプローチと家族ができる4つの取り組み 精神疾患の家族との関わり方は、繊細さと柔軟性が求められるため難しいです。 日によって、状態によって、家族側からの関わり方を変える必要があるからです。 今回は精神疾患本人のタイプを3つに分けて接し方をご提案します。 家族に出来ることがどこまでか、を認識し、本人を尊重しつつ前向きに関わっていきましょう。 1.関わり方を考えるときの3つのタイプ①タイプA:未自覚タイプ まだ自分の精神疾患を自分事として受け入れ切れていない

うつ病かも…な家族が病院へ行きたがらない時

~精神疾患への理解を深め、初診への道を開く方法~ 明らかに元気がない、様子がおかしい家族に精神科受診を勧めたら拒否された、という時。家族は困ってしまいますよね。 しかし本人としては、心の病気の自覚がないのに「あなたは病気だから病院へ行って」と言われても、すぐには受け入れることは難しいでしょう。 それでも、心の病気は早期治療が効果的です。未治療のままだと本人も周囲もどんどん苦しくなります。 まずはうつ病と決めつけず、本人が拒否しない方法を模索するところから始めましょう。

効果的なメンタル不調サポート

~当事者の要望と周囲の役割~ 周囲、特に家族や職場にメンタルが不調そうに見える人がいると、心配だし気になります。 しかし具体的に自分に何が出来るのかが分からず悩んでしまい、何も出来ないまま時間だけが経ってしまうことが多いでしょう。 メンタル不調を来たしている人は、周囲に何を期待しているのでしょうか。それを知ることで自分の役割が分かってきます。 メンタル不調の人との接し方、家族や職場関係者に出来ることについてまとめました。 1.メンタル不調当事者の要望どんな症状か、元々どう

自己評価が低いパートナーとの付き合い方

~メンタルを守りながら築く健全なパートナーシップ~ 自己評価の低い人をパートナーに持つと、自分自身の存在意義、自分がパートナーであることの意味も分からなく、寂しくなります。 私もずっと悩み続けました。夫が「自分には価値がない」と考えるなら、妻の私にも価値がないのでは、と。 しかしながらその発想自体が害だったのです。夫の自己評価と私自身は関係がない、と気づけてから楽になれました。 相手の自己評価の低さをケアしつつ、自分の自己評価も守ることでパートナーシップを築くことが出来ます

家族の相談先の見つけ方

~精神疾患で苦しむ家族への支援ガイド~ 「家族が精神疾患になったことで起きている家族側の悩み」は、一体どこへ相談したらいいのか分からない、という悩みを耳にします。 私もそうでした。思い切って相談しても「家族だから頑張って」でおわってしまったこともあります。その時はそういうものかとも思いました。 ですが今自分が専門家になって、家族側の相談窓口が無いことがどれほどのデメリットか、を痛感しています。 家族目線の相談先も絶対に必要です。 それは公的機関、家族会、家族自身がカウンセリ

精神疾患の家族に共感する:メリットと向き合い方

と思っているケアラーは少なくないと思います。 精神疾患になると心と思考のパワーが激減するので、以前とは別人のような言動をして家族を困らせます。そうなると一緒に暮らす家族は振り回され、理解や共感を示す余裕がなくなります。 しかし「共感」は、家族にとって、特に精神疾患を患う人にとって何より重要な関わり方です。 相手に共感することと自分の意思表示は相反するようで両立します。そのコツをご紹介いたします。 1.共感とは何か①定義 共感とは、コミュニケーションの基盤です。自分と相