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在庫増大の原因が変わってきているのではないか

今週の12月5日(土)の日経新聞1面の「世界の製造業在庫、コロナ前比3割増 中国減速で削減に遅れ、景気先行きに影響も」は、正直かなり懸念する記事でした。
 
コロナ禍の際、物の流れが非常に滞ったこと、また更に見込まれる物価高から各企業にて在庫を積み上げて来ました。コロナ禍前、在庫は資金繰り悪化につながるために「在庫=悪」と考えていた企業でさえ、コロナ禍を通じて一定程度の在庫は必要と考える企業が増えているのは間違いありません。
 
しかし、足元の在庫増加は、継続して供給するための「必要悪」としての在庫だけではなく、消費が落ち込み始めてくることからくる在庫の増加もあるのではないでしょうか。
一つには中国の不動産バブル崩壊などによる景気減速もありますし、あとは米国をはじめとする利上げで景気にブレーキがかかっていることも想定されます。
 
「必要悪」としての在庫は、供給を確保することにより売上を増加しますが、消費減による在庫増加は、製品を生産しても売れないのですから、売上が減少します。この売上減少は企業間で連鎖していき、経済全体の不景気となります。
1929年の世界大恐慌をはじめ、在庫の過剰が不況の原因となっていました。今後の景気動向が懸念されるところです。

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