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リーダーシップの強さと企業の盛衰

先週、「伊藤忠 財閥系を超えた最強商人」(ダイヤモンド社)を読んでみました。最近、江戸時代からの商人や明治以降の企業の歴史にも興味をもっており、そうした観点からも読み進めてみました。
 
本書は伊藤忠さんの繊維の専門商社から総合商社に発展した歴史、そして現在、未来に向けた事業開発について多角的に描いていて、どの章も大変興味深かったのですが、全体を通して感じたのは社長のリーダーシップが強かったということです。リーダーシップの強さが新規事業や事業変革を可能としてきたのです。
 
リーダーシップが強くなった原因はいくつかあると思うのですが、少し印象に残った話しがあります。
それは、山崎豊子さんの「不毛地帯」などで有名な瀬島龍三さんが業務部長(経営企画部長に相当)だった時に、戦前の日本陸軍で優秀な参謀だった瀬島さんは伊藤忠の組織改革も行ったのですが、衆知を集める常務会を整備する一方で、社長に最後は意思決定できる強い権限を与えたことです。
 
この社長権限の明確化が、もしかしたらバブル期の過剰な不動産等の資産運用につながった面もあるかもしれませんが、その後の丹羽社長によるリストラ、小林社長によるIT分野強化、岡藤社長によるBtoC強化など、強いリーダーシップがないと取り組めない施策の推進につながったのです。
 
衆知を集めた上で、という前提でですが、社長のリーダーシップの強さが企業の盛衰を決めていくことを感じさせます。

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