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人を受け止め、歓迎できるようになるためには

本日(3/23)付けの日本経済新聞に「銀行変身(下)働き方アップデート「退職者カムバック」歓迎 みずほ、中途採用者が新卒超え」という記事があり、興味深い内容でした。
本記事では、メガバンクで中途採用者数が増えており(みずほ銀行では新卒より多い)、かつては退職者に冷たかった行風が一変、退職者の再入行も当たり前になっているというのです。
 
私はかつて銀行向けのコンサルティングに従事していたため、かつての銀行の文化、風土は多少なりとも知っていました。しかし、それも10年近く前の話で、こうした記事に接すると、今は大きく変わっているのではないかと感じるのです。そのころは、銀行員はほぼ全員プロパーで、退職者に冷たい、というより、退職者自体が少なかった記憶があります。中途採用者がいても、異質な人と受け止められていました。
それが今や、中途採用者が新卒者と同じくらいの数となり、かつ退職者の再入行が当たり前となっているというのです。隔世の感があります。
 
なぜ銀行はこのように変わったのでしょうか。
新聞やニュースなどで語られているように、「デジタル化などの大きな環境変化のなかで、銀行が変化に対応するためには、外部の専門人材や新規事業経験者を経営として必要としている」ということがあります。これは多く語られているところであり、私もその通りだと思います。
 
ただ、このように変われた要因として他に大事なことがあると思うのです。
それは、「銀行員が、自分達ももしかしたら退職、転職することもある可能性があり、そうであるならば、中途採用者も退職の出戻りも自分と同じ人である」というように考えられるようになったからでは、と考えるのです。
かつては、銀行は就職したら一生安泰であり、特にライフイベントを経て様々なものを抱えるとなおさら、そこでなんとか勤め上げようとする空気がありました。
しかし、世の中全体の人材の流動化が進むなかで、周りでも転職などに踏み切る人をみるようになり、多少なりとも「自分も何かあれば転職できる機会があるかも」と考えられるようになったのではないでしょうか。
そうしたなかで、かつては退職、転職する人は自分とは違う人で、異質な人と思い、なかなか心から歓迎することはできなかったものの、徐々に退職、転職する人も自分と同じ人(自分もそういうことがある)と思うことで、受け止められる気持ちが生まれるようになったのでは、と想像するのです(多分に想像で書いていますが)。
 
この話に限らず、人間は自分と違う人、異質な人と思うと警戒したり、歓迎できなかったりしますが、自分と同じ人と捉えられると、受け止めたり、歓迎できたりするものです。
そのように考えると、自分と同じ人と捉えられる範囲が広いほど、いろいろな人を受け止めたり、歓迎できたりするのでは、とも感じたりします。

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