その人らしさを表すもの

 今話題のそして、バトンは渡されたを借りて読んでみた(ネタバレします)。

主人公は高3の女子(優子)で、親が何度も変わっています。

そして現在は30代後半の父親との2人暮らし。

主人公は父のことを森宮さんと呼びます。森宮さんは友達との仲が悪くなった優子を元気づけるために餃子を何日も続けて作り続けたり、それで避けられる原因を(餃子に入る)ニンニクの匂いのせいにしちゃおうとするような風変わりで、チャーミングな人だと感じました。

他にも片寄った行動や思考が多いのですが、僕は森宮さんのようなクセの強い人が好きだなと思いました。

自分の楽しみ・喜び感をちゃんと持っているし、偏狭にも感じるようなこだわりもいい。誠実な人だと感じました。

森宮さんと優子ちゃんの会話はコントのようでもあり、面白かったです。

 そして僕が心惹かれた場面は優子ちゃんと森宮さんの関係がお互い気を遣うことでぎこちなくなってしまったところ。

優子ちゃんは学校の友達に悪く思われ、クラス全体から仲間はずれにされた時も冷静に対応し、なんとかなるとどしっとしていられるのに

父との些細な行き違いを気にし、他のことがうわの空になっていました。

父とうまくいかないことを何人かの友達に伝えると笑われ、そのことで気に病むことがおかしいみたいなことを言われます(先生にも話すのですが、いいこと言うので読んでみてください)。

こういう理解されにくい悩み(思い)を持つことは辛くもあるけど、自分なりの受け入れ方を模索する作業はその人を強くするし、孤独にも強くなれると僕は信じています。

誰かから見れば些細な悩み(思い)だけど、自分にとっては切実な悩み

こんな悩みこそ大切にしたい


コーヒー飲んだり、カレー食べたり、本買ったり心の栄養になることに使わせていただきますー!