内藤謙一

日本センチュリー交響楽団でコントラバスを弾いてます。ヴィオラ・ダ・ガンバも弾きます。 …

内藤謙一

日本センチュリー交響楽団でコントラバスを弾いてます。ヴィオラ・ダ・ガンバも弾きます。 https://twitter.com/Ken1_Naito    https://www.youtube.com/@yamashighi

最近の記事

☆『象たちも憩いて草を食み』 〜コントラバスだけのコンサート

☆2023/10/6 「豊中まちなかクラシック」の公演として「象たちも憩いて草を食み」というタイトルの演奏会を行いました。当日、お客様に読んでいただいた「曲目解説のようなもの」を、ここに再録します。 私たちは日本センチュリー交響楽団のコントラバスセクションです。今年この4人にメンバーが定まって、その喜ばしい記念と共に(もしくは喜んだ勢いで…)四重奏を皆さんに聴いていただこう!という案が浮上したのでした。コントラバスだけの演奏会は昨今増えてきましたが、まだまだお聴きになる機会

    • あの頃も鳥たちはさえずり 2/3

      2022年11月11日 豊中まちなかクラシック (千里阪急ホテル クリスタルチャペルにて) 第2回です。(前回の記事はこちら) クープランといえば、「クープランの墓」(Le Tombeauを墓と訳すことについては言及を保留しますが)でおなじみ… 本末転倒ともいえるので、今回は、生きている頃のクープランについて。 ◇F.クープラン  ◆恋のうぐいす(クラヴサン曲集第3巻第14組曲より)(Picc. Cemb.) ◇F.Couperin (1668-1733) : Piece

      • あの頃も鳥たちはさえずり 1/3

        2022年11月11日 豊中まちなかクラシック    (千里阪急ホテル クリスタルチャペルにて) 今年も「豊中まちなかクラシック」で演奏させていただきました。初めての会場、千里阪急ホテルのクリスタルチャペルは、天井が高く、空も見えて、なにより響きのとても良い場所でした。 例年のようにオーケストラの同僚(Vn)と、今回はとくにお隣のオーケストラの仲間(Fl)、そしていつも古楽を一緒に弾いてくれている仲間(Cemb)とも一緒に、16世紀から18世紀末の曲を演奏しました。 お話

        • チェロとヴィオラ・ダ・ガンバ

          2021/11/13 「豊中まちなかクラシック」の一連の演奏会のひとつとして、同僚の渡邉弾楽くんとふたりで豊中市の西福寺で弾かせていただきました。 思ったよりプログラムが長くて(汗)、お話の時間を短縮する意味もあってプログラムについて少し書いて当日お配りした内容です。 noteに載せる必要は、ほんとうは、ないのかもしれないのですが、一年まえに弾楽くんと弾いて以来書くことが途絶えてしまっていたので、ちょっと「暖める」ような心持ちで投稿してみます。 【きょうのプログラムにつ

        ☆『象たちも憩いて草を食み』 〜コントラバスだけのコンサート

          大阪クラシック2020のこと

          大阪クラシックでは、たくさんではないけれど、以前から何度か弾かせていただいたことがあります。今年は通常の演奏会+YouTubeの無料配信というかたち(新しいかたち、として続くのだろうか)で行われて、同僚のチェリスト渡邉弾楽くんと弾いてきました。彼と2重奏を弾くのは初めてでしたが、リラックスした楽しいリハーサルと緊張感のある収録を終えました。 お客さんのいない広い空間での収録、それだけで緊張が起きるわけではなく、たぶん目に見えないやつらへの警戒心敵愾心恐れ嫌悪感とか、この状況

          大阪クラシック2020のこと

          弓のはなし 5

          自粛期間(なんて、イヤな言葉だけど)が次第に明け、弾く仕事が増えてくるにつれて、予想はしていたけれど、やはりこれを書く時間がなかなかできなくなってきました。あ、もう2週間過ぎた、もうひと月すぎちゃった、あら、あれよあれよ…という間に、2か月が過ぎ、9月に入ってしまいました。 しかし、というか、そこで、というべきか、しれっと続けることにしました。幸い「弓のはなし 5」というタイトルと、書きだしだけ残っていた次の文に続けて。 ↓ 迷ったけど、やっぱり書こう。「角度 3」について

          弓のはなし 5

          弓のはなし 4

          毎週書くのは、やっぱりむずかしい。間隔はまちまちになりますが、何とか続けたい…。 弓と弦の角度1と2きょうは、弓と弦がつくる「角度」について。 もちろん基準となるのは 直角・フルヘアー ですが、いつも決まったようにそう弾く、というのも考えもの。今までにも何度か言った(書いた)ことですが、「時と場合」です。どんな音を弾きたいか、が最初にあって、それに応じてテクニックを選べるようになりたい。もちろんそのために、全弓・直角・均等なボウイング練習は必要です。これは矛盾していない

          弓のはなし 4

          弓のはなし 3

          少し間が空いてしまいました。これからもきっとままあることなので、すみません。 弦上の場所きょうの動画は「弦のどこを弾くか」について、大まかに3分割して話しています。 1.指板末端の近く、もしくは指板上   →・「混ざる」音 ・柔らかい音色 ・軽くて速い発音 2.駒の近く   →・「張った」音  ・硬めの音色 ・重くて遅い発音 3.その中間   →その中間 ( ´ー`)/ 見てみてー ☆大事なこと   ・行ったり来たりする   ・弦によって「その中間」の基本位置や

          弓のはなし 3

          さくらのうた のこと

          今日YouTubeで公開しました。もう聴いてくれましたか? この曲を最初に弾いたのは、もちろん なにわ《オーケストラル》ウィンズの演奏会でした。それ以前に弾いた、同じく福田洋介さんの課題曲「風之舞」と同じく、とても強く印象に残っていました。 その後何年かの間には、あちらこちらの学校の吹奏楽部でのレッスンで、ときどきまた聴いたり弾いたりしましたが、親しみやすい旋律がアタマのどこかに幾分刷り込まれたように残っていたのだと思います。 もちろんYouTubeへ行くと、それほど潜る

          さくらのうた のこと

          弓のはなし 2

          さて、次の話題。 弓の場所(弓のどこで弾くの?)もちろん、根元から先までじゅうぶんに使えるように練習しなくてはならないのですが、そのことは「根元から先まで同じ質の音しか出ないようにする」ことを目指しているわけではありません。 弓は道具ですから、その特性をよく知って、上手に使いこなしたいと思っています。 動画↓あります 本当にその音楽にふさわしい場所を探すのは、宝探しのようでなかなか面白いものです。そして、音楽が進むにつれて弓のうえで、ふさわしい場所が変わってきて、それを

          弓のはなし 2

          弓のはなし 1

          今まで、音を出す前や後の話ばかりしていましたが、今日からは「音を出す道具としての」弓の話。 「どのくらい張るのが正解ですか?」と、質問されることが多いです。大変多い。そして私から見て張りすぎているひと・もう少し張った方がいいように思うひと・もっと張らなくてはいけないひと…それぞれたくさんいます。極端な例も含めて、本当にまんべんなく人口分布している感じ。教則本などにも「このくらい張りましょう」とか記載はあるのに、なぜなのかな?と考えてみました。 弓は個体差が大きくて、見た目

          弓のはなし 1

          コントラバスのお作法2

          ところで、弓についていつも思っていることが二つあって、いつかどこかに書きたいと思っていました。 1.弓は袋に入れませんか?もちろん弓だけ持ち歩くことが多いので、弓ケースはあった方がいいけど、普段私は、こうしています。 キルティングの布で、弓がそのまま入る長さの巾着を作り… …いえ作ってもらいました💦。 「楽器カバーに弓ケース」の場合に比べて ・弓ケースの分だけ軽い ・楽器の片付けがラク ・楽器カバーが薄い材質の場合、運んでいるときに弓ケースが駒を圧迫したりするおそれがない

          コントラバスのお作法2

          コントラバスのお作法 1

          「お作法」…て突然言われてもねえ、という声も聞こえますが、どんどん進める。  ( ´ー`)/( ´ー`)/( ´ー`)/( ´ー`)/( ´ー`)/( ´ー`)/( ´ー`)/( ´ー`)/( ´ー`)/( ´ー`)/( ´ー`)/( ´ー`)/ 「お作法」…実は演奏のなかみではなく、楽器と弓の扱い方の話をしようと思っているのでした。 1. 弾く前に楽器ケースやカバーに弓を入れている場合は、弓をケースごと一番先に出して、安全な場所に置きましょう。それから楽器を出す、と

          コントラバスのお作法 1

          きいてみて4

          中高生の(に限らず、若い)コントラバス弾きのみんなに、聴いて・見てほしい曲とか。【その4】+ 松脂(松やに)の話 きょうは、コントラバスだけのアンサンブルの紹介と、最後に松脂の話。 BASS GANG 去年日本に来て、NHKで放送もされたので、見たひとも多いかも。 4人ともすごく弾けるし、その上手さがそれぞれ少しずつ違っていて、面白い。立って弾いても座って弾いても、うまくいく方でいいんだよ。そう思う。 おっもしろいよなー。 彼らのYouTubeチャンネル、ついずっと見

          きいてみて4

          きいてみて3

          中高生の(に限らず、若い)コントラバス弾きのみんなに、聴いて・見てほしい曲とか。【その3】 週に一度くらいアップできるといいな、となんとなく思っています。何曜日何時とか決められない(「忙しくて」ではなく、性格的に…)。 3回目の今日は、室内楽ひとつとオーケストラの曲ひとつ。巻末におまけつき。 S.プロコフィエフ:五重奏曲これを書いている今日(4/23)は、たまたまプロコフィエフの誕生日なので、思いついて紹介。 パッとみて思うでしょ、なんて変わった楽器編成(Ob-Cl-Vn

          きいてみて3

          きいてみて 2

          中高生の(に限らず、若い)コントラバス弾きのみんなに、聴いて・見てほしい曲とか。【その2】 きわめて無計画に進めてますが… 第2回は、室内楽とオーケストラの曲ふたつ。 最後に、ネット上で見られる楽譜について、少し書いてます。 ☆C.サン・サーンス:動物の謝肉祭象さんは、コントラバス弾きの永遠のショウ・ピース。「白鳥」も、この中の1曲。 ↑N響の吉田秀さんの象さん。いい音だー。 ↑全曲あります。フレンチボウ、C弦エクステンションつき ↑象さんと、↓フィナーレ。このシリ

          きいてみて 2