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なんのためにうまれて なにをしていきるのか わからないまま おわる

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喜多村英梨の現在地ー最新アルバム『IЯiDÉSCEИT%V!SIØN』を聴いた一般キタエリファンの感想

はじめに  2020年7月16日に喜多村英梨のアルバムがリリースされました。  これがまた現在のキタエリにしかできない音楽の表現になっているなぁと聴き込んでいてしみじみしたので、私には音楽の専門知識はないのでレビューは書けませんが、感想をメモしたいと思います。  また、ライブで聴いた印象も覚えている限りで(ここ重要)メモしておきます。 1『D!zzy ... &』  うおー!キタエリの王道ロックだ!とブチ上がり。たまらん!と思ってる人多いと思う。私はそう。(ライブ後)

    • 背骨から散らばる骨へ―「推し」を失った後で―宇佐見りん『推し、燃ゆ』読解

      1 はじめにかつてオタク用語だった「推し」は今では一般的に通じる言葉になっていると言って良いだろう。「推し」は、今では身近な存在なのだ。『推し、燃ゆ』は、そんな現代の「推し」文化を象徴する作品である。それでいて、現代社会の生きづらさを扱っている作品でもある。 本作は主人公のあかりの「推し」のアイドルがファンを殴ったことから始まる。ファンを殴った「推し」は、所属グループから離れ、最後には芸能界から離れていく。「推し」に生の意味を委ねていた主人公のあかりは、「推し」がいなくなる

      • りんご飴

        りんご飴専門店のりんご飴を食べた。 祭りの屋台にあるようなりんご飴とは違って、りんごがみずみずしくておいしいのだ。 一口かじると同時にパリッとした飴の食感とシャクっとしたりんごの食感があって、すぐに飴の砂糖の甘味とりんごの果実的な甘みが層になって口いっぱいに広がる。 異なる食感と異なる甘みが次々と口の中を楽しませるわけだ。 考えてみると、りんご飴というのは不思議な食べ物である。 飴が表面を覆うものの、りんごはりんごのままである。飴とりんごは交わらずそのままお互いの領

        • 「プロレス的」という言い回し

           「プロレス的」という言い回しについて考えてしまった。もちろん、そのきっかけはTwitter上の塩村議員の発言とこれに対する反応といった一連の事件だ。  私たちが「プロレス的」というとき、プロレスのようなものを指しているのであって、現実のプロレスそれ自体は想定されてはいない。  例えば「アンチのプロレス芸」と聞いた者は、アンチがリングに上がってプロレスの試合を行うことを指しているとは考えない。  ここでいう「プロレス的」とはおおよそ「結果ありきの闘い」をいうのだろう。

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        喜多村英梨の現在地ー最新アルバム『IЯiDÉSCEИT%V!SIØN』を聴いた一般キタエリファンの感想

          痛みの当事者になりきらない

          前回、今後生じる価値は突き詰めるとわからないのであるから、現時点では無根拠に、えいやっと判断しなければならず、それは尊いことだということを書いた。 今日も今日とて読書をしていると、次のようなエッセイに出会った。 将来の不確実性に対する無根拠な判断を、目の前で痛みを訴える人がいる状況に引き直すなら、三木によると、知識よりも倫理を重視する態度になるのだ。 不確実であることが倫理的であること。一見して、常識に反するようにも思える事態がここにはある。平常時であれば熟慮を重ね、確

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          文章に値段をつける

           文章に値段をつけるということは、文章を買わせるということだ。文章を買わせるには文章に価値があると思わせる必要があるわけだ。そうすると文章の価値とはなんだろうという話になってくる。結論から言ってしまうと時と場合と相手によるでしょうということになるだろうか。  例えば裁判所に出す訴状なんて考えてみると、うまく法律にしたがっていて事実が整理されていて裁判官に説得力をもって書かれていればそれは価値がある文章ということになるだろう。それが詩を書きましょうというときに法律どおりに事実が

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          ドトール、ジャーマンドック、世間話

           今回、しばらくの間、本を読んでみて、自分なりの批評をできないか、と思ってやってきたのだが、上手く書けるようになったのか、それとも段々と下手くそになっていったのかは正直なところ、わからない。  文章を読んで、書く、というのは基本的な作業でいるようで、突き詰めていくと無限に難しいことが改めてわかるという、まったく新しくもない経験をしたわけだ。もうそれは人生のテーマにすべきレベルのことなんだと思うし、今回において可能になるようなものではないだろう。ジャーマンドックのソーセージの香

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          耳かき音声の哲学ー聴覚、触覚、「近さ」

           最近、ASMRが流行しているのをご存知でしょうか。  個人的には、耳かき音声がすごいです。イヤホンをつけて聞くとあたかも耳かきをされているかのように聞こえてくる音声です。  今回は、耳かき音声について考えます。  耳かき音声は、当然、音を聞くことです。それでは、聞こえるという感覚はことはどのように起こっているのでしょうか。ここから整理していきます。  音は空気の振動です。空気の振動が、鼓膜を振動させ、神経を働かせ、脳に入力されるという経路をたどります(とても単純化してい

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          フェミニズムではなく「おじさん以外の人」が生きるための方法として―松田青子『持続可能な魂の利用』読解

           あなたは「おじさん」に出会ったことがありますか?正直なところ、出会ったことのない人はいないと思います。学校、会社、あらゆるところに「おじさん」はいます。あなたは「おじさん」をどう思っていますか。なんとなくマイナス、あるいは強い拒否、消してしまいたい…なんてこともあるでしょう。そんな「おじさん」の正体について考えたことはありますか?「おじさん」をどうしたらよいか考えたことはあるでしょうか?  今回の文章では本作の「おじさん」を明らかにします。「おじさん」の性質をレヴィナスの

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          初音ミクと結婚することーキャラクターとの合意論

           Twitter上で初音ミクと結婚した方の発言が話題になっていました。  ある方に返答するかたちで、「結婚に合意が必要なのは、人権を有する実在の人間です。初音ミクは架空のキャラクターなので、合意は取れませんし、必要ありません。現実と架空の区別を付けてくださいね。」と発言したいうものです。  この発言はおかしなものでしょうか。私は少々考えてみる必要があると思います。キャラクターと結婚すること、そもそも「合意すること」について、少しだけメモしたいと思います。  まず私たち人

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          ふしぎな法律のことば

          はじめに  法律は言葉です。法律は普段の言葉づかいと同じ言葉もあれば、当然のことながら違うものもあります。  例えば、「善意」と「悪意」のように普段の言葉づかいと同じ表記なのに意味が違うというものさえあります。ややこしいですね。  今回は、わたしが法律に接していて独特だなーと思った言葉づかいを思うままに挙げていこうと思います。なかには司法試験くらいしか使わない特殊なものもあると思います。  なお、言葉に添えた意味はかなりざっくりなものなので、詳しく知りたい方はご自身で調

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          あなたに「コンビニ店員という動物」の声が聞こえますか?ー村田沙耶香『コンビニ人間』読解

           以下の本文では、村田沙耶香『コンビニ人間』を、國分功一郎『暇と退屈の倫理学』を補助線にしながら、普通の生き方を選ばずに一つの環世界の〈動物になること〉を選んだ人間の物語として読み解いていきます。  本作の概要はこうです。古倉恵子はコンビニのバイトです。恵子はコンビニのバイトに異様に人生の重きをおいており、就職し、結婚し、子供を作り、育て生きる「普通の人間」ではありません。家族や周囲の人からは「普通の人間」になることを望まれますが、うまくいきません。  同じく「普通の人間」

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          「現代キャンプ論」ーあるいは資本主義のたのしみ方

           少し前から、キャンプがブームになっています。  まちを離れ、自然に出て、焚き火をしたり料理をしたりテントで寝泊まりしたりします。キャンプをする人は、普段日常を過ごしている環境とは異なる環境で生活することを求めてキャンプをしているのだと思います。  キャンプをする人が目指しているのは、きっと、普段生活している「商品の世界」から隔絶された場所で過ごすことでしょう。つまり、キャンプは市場における価値とは別の価値を求める行動だということです。  ただし、現代のキャンプは少々入り

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          ガンプラの「リアリティ」とはーガンプラ批評の可能性、「ディテール」、「シルエット」

          はじめに  わたしは最近、ガンプラを作っています。  ガンプラとはそのまま、ガンダムのプラモデルのことです。コロナ禍でステイホームが言われていた間に自宅でできる趣味ということではじめました。(HGムーンガンダムを最初に作りました。完成したときの達成感と完成度は今でも忘れません。)  (今のところは)いわゆる素組みに墨入れをして、つや消しスプレーや光沢クリアコートを吹きつけるような簡単に仕上げをする程度の作業です。 エアブラシ塗装をするとなると、いよいよ止まらなくなりそうなの

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          綿矢りさ『かわいそうだね?』ー「かわいそうな人」になる人とのかかわり方、「かわいそうな人」にならないための倫理

           みなさんのまわりに、自分から不幸になっている人っていませんか?もしかして、あなたもそうなっているかもしれません…  本文は、自ら「かわいそうな人」になる人との付き合い方、自分が「かわいそうな人」にならないための方法を、本作の読解を通して、千葉雅也『現代思想入門』をイメージしながら考えていきます。  本作は、樹里恵と交際している隆大が元カノのアキヨを「かわいそう」だからという理由で同居させることから始まります(!)。  これに対して、樹里恵は始め断固拒否しますが、隆大は別

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          鳥沼公園の記録 その2ー透き通る水と緑あふれる木々が非日常的な風景を作り出す富良野の絶景

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