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「ちゃんと」スル。それだけ。

以前から気になっていた書籍をようやく入手できました。
安達裕哉さんの書かれた「頭のいい人が話す前に考えていること」です。

著者の安達さんは筑波大学大学院卒とのこと。筑波大学大学院といえば、あの有名選手が移籍しているところです。しかしながら、書籍の内容は剣道とは全く関係ありません。おそらく安達さん自身も。

まだすべてを読んだわけではありません。というか、読み終えたのは「まえがき」部分+α程度です。しかし、その「まえがき」部分で僕の心は鷲掴みにされてしまったので、忘れない内に書き残しておくことにしました。

「ちゃんと考えてから話して」と言われたことはないだろうか?

(中略)

しかし、「ちゃんと考えた?」と言われたこと、言ったことがある人はいても、「ちゃんと」の部分を具体的に教わったこと教えたことのある人はいません。

頭のいい人が話す前に考えていること

よくよく考えてみると、「ちゃんと考える」ということをちゃんと考えたこともありません。もちろん、「ちゃんと」の意味もよくわかりません。
そういえば……


「ちゃんと」の意味

「ちゃんと」のニュアンスは何となくわかるのですが、明確な意味がわかりません。ネットのgoo辞書で調べてみると、下記のように書かれていました。

[副](スル)
1 少しも乱れがなく、よく整っているさま。
「部屋の中を—かたづける」「いつも—した身なりをしている」
2 確実で間違いのないさま。
「言われたことは—やる」「—した職業につく」
3 結果が十分であるさま。「朝食は—食べてくる」
4 すばやく動作をするさま。さっと。
「鉦 (かね) と撞木 (しゅもく) のやうに—だまんな」〈黄・御存商売物〉

goo辞書

どうやら、「ちゃんと考える」の場合は、1の「少しも乱れがなく、よく整っているさま」もしくは、2の「確実で間違いのないさま」を表すようです。

つまり、「ちゃんと考えてから話す」は、人に話す前に言いたいことを整理して確実に伝えることでしょう。

賢明な読者のあなたは気がついたのではないでしょうか。

「ちゃんと」はすぐに省略さる

「ちゃんと」はすぐに省略されます。しかも、僕のように、日々をぼけ~っとしながら生活している者にはなかなか気付けません。

たとえば、「攻めて、打つ」。おそらくここにも「ちゃんと」が省略されています。正しくは、「(ちゃんと)攻めて、打つ」です。つまり、確実に、間違いなく攻めて、打つ。

五段の審査で苦労していた頃、先輩には「(ちゃんと)攻めて、打つ。それだけ」と何度も言われました。

うん。
ちゃんと、攻めて、打った。

けど、不合格だった。

それの繰り返し。どう考えても「ちゃんと」出来ていなかったのです。審査員の考える「ちゃんと」と自分の考える「ちゃんと」にズレが生じていたということになります。これでは誰にも伝わりません。

「(ちゃんと)攻めた(つもり)」ではダメ。相手に伝わってこそ、ちゃんと攻めたことになります。相手に伝わらないものは、審査員にも伝わりません。ちゃんと攻めていないからです。

剣道の醍醐味は「攻め」

ただ「打つ」だけなら「運動」です。もちろん、剣道は運動芸術と呼ばれることもあり、運動であることに間違いありません。頑張ればシェイプアップにも最適です。

しかし、単純にスピードや正確性を競う競技ではなく、ましてや体重を減らす競技でもなく、そこには心の闘いがあります。

つまり、理合りあいに基づいた攻めです。剣道に限らず、対人競技であれば同様かもしれません。重要なのは、相手との駆け引きです。

自分がこう動けば、相手はこう動く。確実に相手を自分の思った通りに動かせれば、(ちゃんと)攻めたといえるでしょう。

それは簡単なことではありません。難しいからこそ、多くの人が挑戦し続け、試行錯誤するのです。しかし、ほんの少しでもできるようになれば、大きく前進できるでしょう。

ある人は、「攻めは自転車に乗るのと同じです。一度乗り方を覚えてしまえば、ずっと乗れますよ」と言いました。

ただし、「Aさんの自転車には乗れたけど、Bさんの自転車には乗れない」という状況も多いのが現状です。だからこそ、日々新たな乗り方にも挑戦し続け、相手によって乗り方を変えなければなりません。

一輪車にはまだまだ乗れそうにありませんが、一般的な二輪車にはそこそこ乗れるようになってきました。三輪車は逆にコケそうになるので難しいかもしれません。そろそろ、車輪が三角形△や四角形◇の自転車にも挑戦したいところです。

ちゃんと攻めるってどういうこと?

そんな疑問が残ってモヤモヤしている人は、ぜひ一緒に挑戦していきましょう。

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