見出し画像

エッセイ「オールタイム10選」 第一回 アルバム

ベガーズ・バンケット/ローリング・ストーンズ レッド・ツェッペリン/レッド・ツェッペリン 初期のRCサクセション/RCサクセション    愛していると云ってくれ/中島みゆき      エレファントカシマシII/エレファントカシマシ  浮世の夢/エレファントカシマシ        生活/エレファントカシマシ          エレファントカシマシ5/エレファントカシマシC.B.Jim/ブランキー・ジェット・シティ    ギヤ・ブルーズ/ミッシェル・ガン・エレファント

先に個別にアルバムの感想等を書きました。それはそのまま、わたしの好きなアルバムのオールタイム10選ですが、補足等を交えてあらためて振り返ってみたいと思います。なお、発表された順に並べてます。アコースティック・サウンドが特徴の二作品、曲の並び、構成が充実している作品が二作品、エレファントカシマシの作品が四作品、ダイレクトにロックを感じさせる作品が二作品、大きく分けると四つで構成された10作品です。

RC サクセションもローリング・ストーンズも数々のアルバムの中からアコースティック・サウンドが特徴のそれぞれを選びました。両作品は探究心から比較的、早い段階での初鑑賞でした。カラフルでポップな80年代、そんな時代背景も加わってエレキギターでもないキーボードでもないそれはこれまでになかった感触で新鮮でした。

「レッド・ツェッペリン」と「愛していると云ってくれ」は構成が充実していました。曲の配置の好位置や統一感、コントラストやバランスは良好で起承転結も感じられて乱れがなく、そんな意味合いでは聴きやすいです。

エレファントカシマシの数々は先に挙げた四作品、それらも含めて、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、RCサクセション、中島みゆきのいくつかの作品を手本にしたような感じが伺えて親しみやすさがありました。

ローリング・ストーンズの「ベガーズ・バンケット」はアコースティック・サウンドが特徴ですが、一方、ブルース・アルバムという位置付けもされていて、本作の後に発表された「レット・イット・ブリード」も同様です。とは言え、本作はいくらか、エレクトリック・サウンドが強く、つまり、両作品は同じブルース・アルバムではありますが、「ベガーズ・バンケット」はアコースティック・サウンドが強めで、「レット・イット・ブリード」がエレクトリック・サウンドが強め、ということになります。これをエレファントカシマシの「浮世の夢」と「生活」に当てはめると同じ春夏秋冬、つまり、季節感の主張を感じられる両作品ですが、「浮世の夢」は春で、「生活」が秋という好対照な作品という訳です。また、喜怒哀楽で示すなら「浮世の夢」が喜と楽の主張が強く、「生活」は怒と哀が強いですが喜怒哀楽に着目しても好対照な作品でもありました。

秋のイメージが強い「生活」に至っては同じく秋のイメージの強いRCサクセションの「楽しい夕べに」を連想させるし、同様に喜怒哀楽で言えば、中島みゆきの「愛していると云ってくれ」や特には「生きていてもいいですか」を連想させます。

「生活」は音楽的にはレッド・ツェッペリンの前期の四作品を手本にしているようなハード・ロックとアコースティック・サウンド、特に後半のアコースティックな統一感は「レッド・ツェッペリンIII」を連想させました。

ダイナミックなロックンロール・アルバムのブランキー・ジェット・シティの「C.B.Jim 」とミッシェル・ガン・エレファントの「ギヤ・ブルーズ」、93年に発表された前者は同じくその年に発表されたエレファントカシマシの「奴隷天国」よりも魅力的だったし、後者は98年に発表されましたが、同じくその年に発表されたエレファントカシマシの「愛と夢」よりも、これもまた、魅力的でした。

エレファントカシマシのファンなだけにそれらを中心に文を進めてきました。あらためて振り返ってみると挙げたエレファントカシマシの作品を好きになるのは地盤が整っていて必然だったのかもしれません。筋道は通っていて満足できるオールタイム10選になりましたが、RCサクセション及び忌野清志郎のアルバムの数々、ゆらゆら帝国及び坂本慎太郎のそれらも入らなかったのは少し残念でもある十選でした。10作品を選び、並べて、考えて、加えて感想等を書いて気付いたことは起承転結、春夏秋冬、喜怒哀楽、そのような事柄に対してのこだわりが、わたしにはあるということでした。考えてみると飲食店に行った際は四つで組み合わさったセットメニューや定食を選ぶ傾向があります。



この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?