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座頭市 (映画031)

「座頭市」

2003年に公開、主演も兼ねた北野武監督の「座頭市」は演芸の数々が随所に散りばめられていて言わば演芸会のような作品です。フィナーレはタップ・ダンスというのも華々しい演出ですが、本作は演芸を生業にする人たちへのリスペクトやエールが汲み取れる作品でありました。元々は浅草ロック座の会長がオファーして映画に至ったとのことですが、北野武監督の原点や関係者への感謝の表れを垣間見ることができます。結果的にヴェネチア国際映画祭で監督賞を受賞というのもドラマチックでありました。同時期に日本を舞台にした「キル・ビルVol.1」や日本の漫画が原作の「オールド・ボーイ」が公開されていました。興奮してそれらを観ている一方で日本人として微かな嫉妬、それを取り払うような海外での評価も嬉しかった「座頭市」です。「座頭市」を含めて三作品は系統が似ていてセットにしている作品、これらはいくつかのジャンルが複合されていて個人的には理想的なパターンの構成です。「座頭市」はアクション、バイオレンス、ミステリー、コメディ、どれも不足がなく満足、特にミステリーの要素で実は座頭市は盲目ではないというどんでん返しは驚きました。盲目という事柄を活かした笑いも印象的、見当外れなことを想像した座頭市に対して咎めるおうめ(大楠道代)のシーンは爆笑を誘いました。目玉を描かれた座頭市の姿もそうですが座頭市とガダルカナル・タカが演じる新吉との関係も微笑ましかったです。音やリズムが映像とシンクロする場面等は良好なアクセント、凝らして観ても狂いがなくて見事でありました。


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