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コンピテンシー評価とは?【サンプル20項目付き】で基礎から導入手順までわかりやすく解説

コンピテンシー評価とは、高水準の業績を上げる人材をベースに評価基準や評価項目を作成し、それを基に行う行動特性に特化した人事評価のことです。
そもそもコンピテンシーとは、高水準の業績を上げる人材の行動特性を意味します。
人事評価だけでなく、人材育成にも役立てることが出来る側面もあります。

この記事では、人事評価制度を見直したい方や知見を得たい方、初めての方にも分かりやすく紹介します。コンピテンシー評価の概要やメリット・デメリットなどを解説しますので是非ご参考にしてください。

人事制度設計に関する理解を深めたい方はこちら⇩


まずは概要から、そもそもコンピテンシー評価とは?


コンピテンシー評価とは

コンピテンシー評価とは、高水準の業績を上げる人材をベースに評価基準や評価項目を作成し、それを基に行う行動特性に特化した人事評価のことです。

そもそもコンピテンシーとは、高水準の業績を上げる人材の行動特性を意味しており、1970年代にハーバード大学のマクレランド教授が提唱した人事管理の概念です。

「なんでこんなに仕事が出来るんだろう?」
「なんでこんなに効率よく生産性が高いんだろう?」
このような人材の行動特性を分析し、自社に合ったコンピテンシーモデルを定めます。

このコンピテンシーモデルをベースにした評価基準を明示することで、同じベクトルで仕事ができ、長所や短所を洗い出し人材育成にも有用であります。

コンピテンシー評価と職能資格制度(能力評価)の違い

日本では、職能資格制度(能力評価)による人事評価を行っている会社が数多くあります。
職能資格制度は、従業員が持つ能力において等級を定める制度になります。
責任感や強調性など明確化しにくい評価基準のため、評価者の主観に影響されやすいという可能性があります。

一方でコンピテンシー評価は、行動特性に特化した評価方法で具体的な行動が評価基準になります。

・業務の効率化に努めているか
・良好なコミュニケーションを取れているか
・信頼関係や一体感を築けているか

このような具体的な行動が評価基準になってきます。

6領域20項目で分類したテンプレート|コンピテンシーディクショナリー

コンピテンシーディクショナリーとは、行動特性を整理した一般的なコンピテンシー項目を6領域・20項目に分類したものです。

自社の項目に適しているとは限らないため、あくまで参考程度にして、オリジナルのコンピテンシー評価を策定しましょう。

コンピテンシー評価の4つのメリット


①効率的な人材育成ができる

自社に適したコンピテンシーモデルを定めて、具体的で明確な行動指針による評価項目を基準とした評価をすることが可能です。
そのため、従業員は「何をすればよいのか」「なにを努力すればよいのか」など具体的な行動がイメージしやくモチベーションも高まりますし、能力開発や人材育成にも期待出来ます。

②生産性・業績や成果の向上

評価基準や行動指針が明確になるので、従業員は行動目標を設定でき、自分自身の課題把握、改善がしやくなります。
改善できれば評価や昇給に反映されるため、向上心も高まり生産性・業績や成果の向上に繋がります。

③従業員の評価がしやすくなる

これは評価者側のメリットになります。
行動に基づいた明確な評価基準があるため、評価者の主観の影響を受けにくくなり、本質的で公平な評価をすることが出来ます。

④評価に対しての納得度が高まる

具体的な行動指針が明示されているため、それに基づき「出来ている」「出来ていない」を明確に評価することが出来ます。
そのため被評価者は自分自身の行動を可視化できるため、評価に対しての理解と納得がしやすくなります。

コンピテンシー評価の3つのデメリット


①コンピテンシーモデルの選定・導入ハードルが高い

コンピテンシーモデルの選定や評価基準の策定などは、多くの時間とコストがかかります。
自社に適した独自性が必要になるので、決まったテンプレートがあるわけではありません。
また、部署や職種ごとに具体的に明示する必要があります。

②会社の経営状況やフェーズなどの環境変化に適応しにくい

コンピテンシー評価は、明確な評価基準がある反面、明確な評価基準は細分化されているため柔軟性に乏しく環境変化に適応しにくいです。
環境変化に適応するためには、多くの時間とコストをかけ評価基準を再構築する必要があります。

③策定したコンピテンシーの定期的なメンテナンスが必要

策定したコンピテンシーが自社に適しているかどうかは、運用してみないと分からない部分があります。
そのため自社に適したコンピテンシーにするために、何度も検証やメンテナンスが必要です。

6ステップ|コンピテンシー評価の導入手順


①高業績を上げる従業員へのヒアリング

まずは、部署や職種ごとに高い業績を上げている従業員を選定し、ヒアリングを行います。
ヒアリングから他の従業員との違いや、行動特性を特定していきます。
特定材料を増やすために、多角的な視点からヒアリングを行いましょう。

②コンピテンシーの洗い出し

ヒアリングから得た情報を分析し、行動特性を特定していきます。
特定した行動特性を、コンピテンシーディクショナリーと比較しながら、コンピテンシー候補の洗い出し作業を行います。

③会社のビジョンや経営戦略との合致度チェック

洗い出したコンピテンシー候補を、会社のビジョンや経営戦略と擦り合わせをして、合致度の低いものをチェックします。
合致度が高く、より精度の高いコンピテンシーにしていきましょう。

④コンピテンシーの決定

ブラッシュアップしたコンピテンシー候補から、評価基準として用いる項目を決めていきます。
より自社に適している項目を、選定していきましょう。

⑤コンピテンシーレベルの明文化

各コンピテンシーに対して、3~5段階のレベルを設けます。
レベル分けをすることで、評価者が利用しやすくなり、公平性な評価にも繋がります。

⑥検証・修正

仮のコンピテンシー評価が出来たら、適正な評価基準かどうかテスト検証します。
テスト検証を行い、調整の必要性が生じたら都度修正を行い、精度が高く自社に適しているコンピテンシー評価を策定していきましょう。

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コンピテンシー評価導入時の注意点3選

①導入目的は成果の向上

コンピテンシー評価は、人事評価や人材育成に活用出来る制度ですが、あくまで本来の目的は「成果の向上」になります。
本来の目的を見失っては、多くの時間とコストをかけて導入した労力が無駄になってしまう可能性があります。
最大限の成果の向上に繋がるよう、再度意識する必要があります。

②全てのコンピテンシーを完璧に満たす人材はいない

コンピテンシー評価を導入しても、全てのコンピテンシーを完璧に満たす人材はいないということを事前に理解しておきましょう。
もちろん評価基準に則り、行動を促すことは重要です。しかし、あまりに強制力が強すぎると、従業員のモチベーション低下など逆効果になるケースもあります。

③定期的にメンテナンスが必要

経営戦略や外部要因の変化に伴い、定期的なメンテナンスが必要になってきます。
労力がかかる部分ではありますが、本来の目的は「成果の向上」であることを忘れずに、定期的なメンテナンスを行っていきましょう。

最後に

本記事では、コンピテンシー評価に関してのメリットやデメリット、導入手順、注意点などについてご紹介しました。コンピテンシー評価は、人事評価や人材育成に有用な評価制度になります。人事評価や人材育成に関わる制度ですが、本来の目的は「成果の向上」にあります。
是非この記事を参考にしながら、自社に適したコンピテンシー評価の制度を構築してみてください。

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