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シャングリラへゆく⑲時の止まった村に迷いこむ★動画付き

雲南の香りに魅せられて僕は旅をした
冒険家が探し求めたシャングリラに想いをよせ
奥へ奥へ雲南省の秘境を旅した記録

①から読めばより深く楽しめます
シリーズ「チベットへゆく」の第二部
シャングリラへゆく物語

時の止まった村に迷いこむ

10月4日夕方

香格里拉シャングリラに位置する山奥に
稲城亜丁ダオチェン・ヤーディンという
ダライ・ラマ五世が霊峰と拝んだ場所がある

午前中に登山で(ハイキングに近い)で
海抜4700Mにある五色海と
海抜4600Mにある牛乳湖(ミルクレイク)を見にいく

3時頃山を出て次の目的地を目指して南下
瀘沽湖ルーグーコという湖があり
その周りには世界最後の母系社会で知られる
モソ族が住む村があるらしい

しかし、そこに行くには大回りするルートか
危険な山間を抜けていくルートしかない

運転手の孫君は危険なルートで最短距離を選び
僕らを乗せて進んでいた

国道を建設する予定が、自然災害が多く建設が困難
またメンテナンスが大変な事から途中で建設断念した路

一応貫通してるけど、通行禁止となるが
そのルートが便利な事で村に住む人が自主管理
この道を通るのは自己責任という事らしい

雨や自然災害で土砂崩れが頻繁に起きているので
道の入り口にはゲートがあり中に入る時に
申告しサインが必要

おそらく死んでも自己責任という事らしい
管理する人から 本当にいくなら気を付けて!と
言われ僕らは中に入る

そんな事も知らず僕らは孫君に任せ車に乗っている
もし土砂崩れが起きてて通行禁止だったら
引き返すといっても かなり遠回り
1日損するどころじゃない
だから僕らも、この道を通らなければルート的に厳しい

そして2時間程、そんな怖い道を走っていく

時刻は夕方になり、暗くなりだし そろそろ日が沈む

宿を探しているが そんな宿泊できそうな村は
どこにもない

でもnetで劉さんが少し前に調べた情報で
この道の途中から少しそれた場所に
宿泊できる村があるという

僕らは、その村へ行く事にした

そして陽が沈むギリギリ前に小さな川を挟み
丘に石で積み上げた建物が密集した村が見えた

車の中で5人は、みんな村を見て驚いている
というより興奮している

僕も、えっ映画?なにこれ?
こんな山奥に、こんな村あるの?

しかもなんか不思議な集落

ゆっくり車を走らせ村をみていると
横から牛を連れたオジサンが畑から戻ってきたのか
今日1日の仕事を終えて
馬には大きな薪の元の木を乗せて村に戻って来た
馬の首に付けた鈴が
歩くたびに音を鳴らし主が
村に戻ってきたと知らせる

車を止め
小さな古い橋を超えると
そこは異世界

馬を連れて家に帰るオジサンについて行く

こんな村に今日 泊まるの?
と僕と劉さんは妙にワクワクしていた
スゴイね~と大興奮!

時の止まった村ように見えた
この村は 俄亜大村 という名らしい
四川省納西族の村

ブル猫夫婦も興奮していたけど
奥さんは綺麗好きだから

こんな村で泊まるの??本気??と
嘘でしょ!!って感じで驚いてた

でも他にないし
とりあえず宿を探そう!

村の人に声をかけ宿の場所を聞きゾロゾロと
宿を目指す

集落の中を改造した
いい感じの宿が2,3件あったらしいけど満室

と言っても1件で2組くらいしか止まれないので
6組くらいしか宿泊施設がないような村
こんな村にも一応宿泊してる他の客がいた

どうしよう・・・宿泊できないかもと
話していると

オジサンが学校の裏で宿があるよ!と
教えてくれて行く事になる

どうやら学校があるらしく
村の外れに向かう

さびれた小学校らしき校舎があり
今は使われていない

陽が沈み暗くてよくわかりにくいが
小さな運動場があり
何個かの教室らしき部屋が平屋で並び
中を覗くと 戦時中のさびれた学校のようで
汚く放置されて中に入るのも嫌な感じ
外と中の境は壁しかなく中も雑草が生えている
初めは、ここに泊まるのかと思った

廃校を抜けていく

校舎を抜けた先に近年建てられた2階建ての木造小屋があり
ここが宿と紹介された

まぁ かなり汚い

部屋を見て
まぁなんとか寝れるけど・・・

そしてトイレとシャワーは何処かと尋ねると
裏にあるので見行く

まぁ見るまでもないけど
一応扉を開けて覗くと
まぁ汚い!
小屋の中にトイレとシャワー室
トイレには虫や変な生き物がウジャウジャいる

シャワー室

暗いから見えにくいけど僕は
うわっ!こりゃトイレもシャワーも両方無理!と
まともにお湯でるの??

ブル猫の奥さんの目が合う

ブル猫の奥さんは泣きそうな顔

でも僕と劉さんは開きなおっている
トイレとシャワーは無理だけど
寝れる場所が他にないので選択がない
ブル猫の奥さんは

文句いいながら値段交渉で安く値切る
汚なすぎるを連発(笑)
オーナーも困った顔しながら
安い宿が更に安くなる

荷物を置いて晩御飯を食べに行く

橋を渡り村を出た所の倉庫みたいな奥に
店が1軒あり入る
僕なら発見できないような店だ


食事しながら

すごい村だね~とずっとその話
どうやら村の中に1軒のバーがあるらしい
と情報を店主から得る

旅の疲れもあるのに興奮している5人
食事を終えて村に戻る時も
夜、月光に照らされ不気味に見える村

川の音がゴウゴウ聞こえ
虫の鳴く声も聞こえ

近代文明から遠く離れた村に迷い込んだ

夜は幻想的な村

村の奥が どうなっているのか散策したけど暗くて
怖いし迷いそうだから一人でウロウロは出来ない

みんなで歩いて村に1軒あるバーを探す

見つけたバーは
四角い部屋に仕切りをつけテーブルを置いて
田舎のディスコのような証明と変な田舎の音楽
一人の若い村の女性がいて
とりあえずビールを頼み席に着く
奥に村の若者が4名ほど座ってた

こんなバー初めてだね~
ホント なんもない(笑)

村にゆいつあるバー

1時間程でバーを出て宿に戻る
飲み足りないようでバーで瓶ビールを買って
ブル猫の部屋に行き部屋飲みが続く

宿に戻るが裏のトイレやシャワー室には近づけない
女性陣は それでも仕方なくトイレに行っていたけど
こういう時、男でよかったと思う

適当に川の横でトイレができる
絶対に蛇とか変な生き物が夜になると活動してそうで
怖い だからあまりウロウロしたくない

運転手の孫君は一人 バーに残り
バーの村に住む女性をナンパしていた(笑)

劉さんとブル猫の奥さんは
孫君は田舎者だ!あんな女性を口説くなんて・・・
と話をしている
ブル猫と僕は
まぁまぁ 孫君も 男だからさ
好きにさせてあげて(笑)
奥さんと離婚してるし楽しみを奪うんじゃないよ!
と孫君が田舎者をナンパしてる話で盛り上がる

劉さんは
じゃ貴方たちも いっしょにナンパしに行けば!

そうだな!行って遊ぶか!と僕は冗談言うと
ブル猫は 妻の顔を見て 真面目に
孫君はバカだ!あんな田舎者ナンパして!と
態度が急変!

妻の顔色みて ブル猫は急に真面目になってる
ブル猫の奥さんは 
実は こんな汚い宿に泊まりたくない!と
機嫌が悪かった!

彼女は綺麗好きで宿に不満だらけ
人生で一番汚い宿だ!を連発していた
まぁ僕はもっと汚い宿で泊まった事あるからと
まだマシな方と話もしていた

どうしようもないので笑話のように感じてたけど
実はマジ目に怒っていたらしい

でもブル猫は奥さんの目がマジなので
これ以上怒らせると大変だ

そんな本気で怒ってる事を知らない僕は
ブル猫にナンパ行くか!って誘ってた(笑)

妻公認だから(笑)

結局何もやる事がないと
そんな会話になる(笑)

1時間程話して僕は一人部屋に戻り先に寝る事にした

翌朝、まだ皆が寝てる時間に僕はドローン撮影

で思ったのは 珍珠海で拾いに潜って良かったと!
あの時諦めていたら
この撮影は出来なかったな~と

撮影をしてから宿に戻り劉さんと二人で村を散策

建物が繋がり横の家と横の家は行き来ができるらしい
中で繋がっていると聞いた

馬小屋があり馬は階段を登り家まで戻る
奥にずっと続く細い道
どれほどの人が住んでいるのだろうか?

みんな自給自足のようなくらし

朝になると男性は馬や牛を連れて
山に出かける

そして畑仕事をして夕方村に帰ってくる
女性は家を守り家事をする
なんか昔話で読んだような暮らしだ

この村にも若い人がいるが村から出て行くのか
村を継ぐのか どうなんだろう?
聞いてみたくなる

ここの人からしたら近代文明とかから
乖離されたような暮らし方だ

もちろんスマホは普及し使われてるけど
若い人だけのようだ

朝、川で水をくみ
バケツにいれて髪を洗い
野菜を洗い
薪で米を炊く

裏山の畑で取れた野菜と
川で取れた魚を食べる

食料を取る為に1日働く男達

それが仕事で それがこの村の暮らし

あまりにも僕らの社会とかけ離れている

でも

不幸かと言えば そうとも言い切れない

朝、散策しながら暮らす人達を見ていると
活き活きと活動している

むしろ僕らよりもストレスもなく生きている

同じ日常をルーティーンし変化の少ない人生ではあるが

幸せとは そういう日常だと考えさせられる

文明の便利な社会で生きてる僕は
この村の暮らしは不便で耐えれないかもしれないが
もし

この村で生まれていたら
僕は今の人生よりも

幸せだったのかもと考えさせられる

幸せの定義があるとするならば
それは
変化が起きない暮らし

それを理想郷と呼ぶのなら
僕はシャングリラに たどり着く事が
出来ないのかもしれない・・・

時の止まった村に迷いこむ

10月5日朝
少し後ろめたさを感じ村を出た

なぜだろう・・・
そんな気持ちになるのは
決して綺麗でも住みやすいでもない
でも
世の中の社会に悩まされず
村という社会で生きている人達
村の人は助け合い共存し
お互いに人生を共有している

大きく変わらない暮らし
大きく変わらない関係
大きく変わらない景色
大きく変わらない生き方

少しずつ
少しずつ
大きな歯車の中で生き
ゆっくりズレていくような世界

こんな生き方も
この世界には残されている

なんだか都会の暮らしが
急に息苦しくなった

さぁ最後の目的地へ南下
母系社会の残るモソ族の住む地を目指す

★最後にドローン+写真で村をご紹介!

⑳母系社会モソ族の村 へ続く

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