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自ら考え行動する国民

いまの日本と中国を対比的に表現する興味深い記事https://www.businessinsider.jp/post-239184

長年中国に住んでいた著者ならではの視点での考察だ。

「日本人は政府に文句を言いながら、政府が何かしてくれるのをじっと待っている。中国人はそもそも政府をあてにしていないから、自分たちで判断して行動する」

その一方、日本人は小さい頃から「先生の言うことは聞きなさい」「決められたルールを守りなさい」と言われ続け、自分で考えるより、誰かが決めたことに従うことを良しとして育ってきた人が多い。

「我慢すればいつか報われる」刷り込み
「決定には従う」「とりあえず様子を見る」という日本人のマインド

いまここにきて、自ら考え最善の行動をとるという点において弱さが露呈しているのは事実。

一方で、その最善が「みんなのため」「社会のため」より「自分だけのため」の行動をとる人も明らかに昭和や平成の前期より増えているのではないだろうか。

その「自分だけのため」・・・いわゆる個人主義的な発想は良い悪いは国によって評価がわかれるところかもしれない。欧米は日本と比べその傾向が強いため、それを言ったところで「何がおかしいんだ」となる人も少なくない。また日本でも最近は解釈に程度の差はあれ「アドラー心理学」という名の(心理学とは言い難い)思想を根底に持つ個人主義的発想の人も多く、若者を中心に受け入れられやすい傾向にあるのかもしれない。

ただし、それが目先の欲求を満たすためだった場合、例えば友人と飲み歩くことが「不要不急」ではないと言い張る輩は、間違いなく感染症の拡大の要因になっていることは否定できない。ここも「いまが大事」「未来なんてわからない」論者からするとあまり聞き入れられないところかもしれない。

「社会のため」「未来のため」に重きを置く人たちからすると「自分だけのため」「今さえよければいい」と考える人達は迷惑極まりない。が、それも多様性とするならば、これからの社会は非常にバランスをとるのが難しい社会になっていくのかもしれない。

2021年現在、シンガポールと並んで世界で最も渡航可能国が多いパスポートを持つ日本国民。これは過去何十年、いや百年以上、日本の先達が培ってきた「社会のため」「未来のため」意識した国民的思想の賜物と思われるが、それを維持できず、経済も先進国とは言い難いところまで低迷してきた国に明るい光はあるだろうか。


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