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住宅営業にFPを勧める理由〜空き家相談の実例②〜

前回に続き、空き家相談の実例を紹介します。今回の実例は依頼主とのやり取りを交えながら書きたいと思います。
※所有者・相続人ではない親族からの相談実例

※前回の実例①

〜背景・相談内容〜
●1年ほど前に義父が亡くなり相続で取得した戸建てを所有、現在は空き家(築21年)
→義母の単独名義、首都圏郊外
●義父が亡くなり、義母は依頼主の自宅近くにある施設に入所(依頼主は長女の夫)
●依頼主は所有者の義理の息子だが、建築士であること及び長女と一緒に義母の面倒をみていることから親族に頼まれている
●所有者家族構成→長男、次男、長女(依頼主の妻)であり、次男のみ賃貸で生活していることから、空き家である実家に住みたいとの意向
●義母の心情→次男に住んでもらって良いのではないかと思っている
●売却査定の依頼→親族内で相談する際にベースとなるものがほしい

〜親族間においての懸念点〜
いずれ、兄弟姉妹間での相続問題にもなりかねないことを想定しておく必要はある。
空き家の利用ということを次男から意思表示されたタイミングで、空き家の解決策を見出していきたい親族内の意向を汲みとれたが、母の気持ちを尊重しつつの提案が重要であろう。

〜仮説・対策案〜
①次男夫婦の、空き家になっている実家に住みたい気持ちの度合いを確認しておくこと。
とくに、次男の妻の本音は?という点は重要。
→配偶者の家族が長年暮らしてきた家に住みたいかと言われたら?といった心情面には配慮し、所有者家族だけで話しを進めていくべきではないでしょう。

②次男は母から路線価額での取得をイメージされているようだが、時価ではない話しに長男及び長女が難色を示している。
→親子間売買の選択肢もあるが、現実的な話しとして金融機関の融資は難航すること及び金利優遇など条件面が悪くなる可能性も高いため、慎重に検討する必要がある。
※不動産会社は、フラット35という選択肢を持ち出しそうだが本質的な解決策になるかは微妙であると現時点では思う。

③空き家は母名義という点において、リフォームした上で賃貸に出すことも想定。賃料を施設の費用や生活費にあてること。
→母の年齢や病状をふまえ、売却し売却資金をそれらにあてた方が負担が少ないと思われる。
※退去リスク、確定申告の必要性、大家としての責任及び義務などを考慮する。

〜依頼主とのやり取り〜
依)妻の実家が空き家になっていまして、、
売却査定をお願い出来ますか?
※詳細は相談内容から(省略)

私)はい、では土地・建物の内容がわかる資料をお願いします。
※謄本や建築確認関係の資料を依頼

依)建物は、築21年経っているが注文住宅ですし綺麗に使っていたので是非見てほしい。

私)では現地確認のみならず、役所など調査も同行されますか?
※通常はしないケースですが、建築士であることと親族内で説明をされるのだろうと判断。

依)ぜひ、お願いします!

私)承知いたしました!!

〜まとめ〜
やり取りの内容は省略しているところもありますが、今回のようなケースでは、、、

一般的な不動産営業マンは、上司から「依頼主は第三者であろう」と一喝され、どうにかして所有者である年老いた義母に早く会おうとするケースではないかと想定できる。
さらに、依頼主が建築士と聞いたら不動産会社も構えてしまうかもしれません。

しかし、空き家を放置してしまっているケースは別として相続した不動産の活用や処分に関しては、関係者の背景や心情面などを汲み取り、様々な仮説を立てながら顧客のペースに合わせてあげることも必要ではないかと思っている。

依頼主(親族)が、地元の不動産会社へ行かず私に相談してくれた理由のなかに、不動産会社に行ったら「早めに売却しましょう」「当社なら高く売却出来ます」など急かされそうと言われていた。このような気持ちが先行してしまい、相談先を見つけられない、または何からどのように取り掛かれば良いのかと悩まれている方も、実は少なくないのではないでしょうか。

今回は、相続対策も含んだ話しということもあり、私が宅建士×FP1級を保有し住宅業界の経験が長いということも親族内で安心材料になっていると聞きました^_^
私の人間性も買っていただきたいが、それは結果論として…(笑

今後も、相続不動産の実例を書いていきます。
自身の環境や状況と近いケース、または他の人はどんな悩みを持ち、どのように行動しているのか知りたいといった方々を想像しながら、、

少しでも参考になれば幸いです♪

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