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北欧PrintOnDemand工場見学ツアー/アパレルを始めたばかりのスウェーデンの大手工場

PrintOnDemandサービス「Printio」をやっています。OpenFactoryの堀江です。全国の専門工場をWEBでつなげています。現在は埋め込みサービスですが、本サービス稼働にむけてウェイティングリストを公開しています。

オスロでの用事を済ませて、今回はデンマークのコペンハーゲン空港を経由してスウェーデンのマルメに来ました。

今回案内してくれたのはスウェーデンの大手の印刷工場で、官公庁や教育機関などの印刷をメインでやっている会社でした。

創業以来数々の会社をM&Aしながら業態を広げつつ事業内容に変化させています。

発注ロットの減るオフセット印刷

スウェーデンの中で大手の工場も軒並み発注ロットが減っていっているようです。今回案内してくれたアパレル工場も元々はオフセット印刷機が置いてあった場所にオフセット機を撤去してアパレルのプリンターを入れて事業の幅を広げていました。

車で走ること1時間半の郊外へ

前回の工場でも感じたのですが、紙が出自の会社と布系の出自の会社では選ぶ設備に違いがありそうです。
また、日本、ヨーロッパ、アメリカとそれぞれのエリアに強く、サポートの手厚さなどでも設備選定が変わってきます。

今回の工場は大量生産志向が強く、既存顧客が大手法人が多いので、超高速機かつ品質で選んだようです。これまでみたことなく気になっていたメーカーを見ることができました。

前処理機も一体型でセンサーで位置を読みながら全体的に塗布できるタイプでムラも少なそうでした。白引きしてインクジェットする時に一番印刷のムラが出るのがこの前処理の不安定さなので、不良率は低いようで、自社内検品で不良率を1%以内に収めようとしていました。

印刷もプラテンが3台付いていて、それぞれが独立して動くので、自由にコントロールができていました。バーコードスキャンがセットボタンの中央にあり、それぞれ独立してモニターで確認できるので、大量生産からオンデマンド生産まで幅広く対応できそうで、とても素晴らしい機械です。(価格も素晴らしい)

アパレルの印刷する前のボディ在庫についてはかなりの数を持っていました。メーカーもGILDANやBella+Canvasが中心です。

日本はトムスやキャブ、フェリックなど独自進化をしています。GILDANも日本から撤退をしてしまうくらいで、ボディも一枚単位で即日出荷してくれるので在庫をあまり持つ必要がなく恵まれているんだなと感じました。

プリントオンデマンドで一番気をつけるのは誤配送をいかになくすか?と言うところです。あまりここでは詳しく書けないですが、この会社は個人の写真集もやっているので、アパレルよりセンシティブなアイテムの管理をしているのでとてもいい方法を聞くことができました。

紙の印刷もアパレルもデジタルへシフト

今回、紙の現場も見せてもらいましたが、機密情報も多く、ご紹介するのはアパレル工場のみです。アパレルは始めたばかりなので特別にやっていることは少なかったのですが、本業の紙の方はさらに驚きの連続でした。

会社の売り上げ構成も年々オフセット印刷の割合が下がっていて、今では4割をデジタルプリントが占めています。見学した時もオフセット印刷の工程より明らかにデジタルエリアが忙しそうでした。

紙と布の境目がデジタルで無くなる

デジタル印刷の中でもTシャツなどの顔料印刷は染料印刷に比べ、蒸しや洗いの工程がなく手を出しやすくなります。

これから今まで以上に競争も激しくなり、強い会社が残るのではなく最適な会社が残るのだろうと感じる出張でした。

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