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アはアーケードのア 第41回『レインボーアイランド』(1988年/タイトー)

ゲームバランスを壊すほどのパワーアップについて改めて考えてみる

アーケードアーカイブス版『レインボーアイランド』が発売されました。同ゲームについて少し語ってみたいと思います。

『レインボーアイランド』は当時クリアもした大好きなゲームという大前提で、全要素を把握して後半へ進むとどんどん大味になってしまう(なり過ぎる)ところはどうなんだろうともずっと思ってたのですが(とくにウィングはゲームを壊してる)、今見ると近年のローグライト系ゲーム的なよさもあるなと改めて感じました。

直近で思い出したのがたとえば『Vampire Survivors』。あのゲームって最初は絶対にクリアできないバランスになっているのですが、強化してトライし直すたびにどんどん先へ進めるようになり、最後はホントにゲームを壊すぐらい自分が強くなってしまう。

強化で突破できるようになる仕組み自体は普通のことですが、『Vampire Survivors』はエスカレートっぷりが極端でおもしろい。『レインボーアイランド』もそれに近い気がして、虹にしても1個と2連と3連の違いってものすごく大きい。デジタルに2倍3倍に射程が伸び、それが攻撃にも移動にも防御にも有効ってそりゃ強くもなる。

『レインボーアイランド』は欠点も含めて作家性が強烈に出ていて、三辻富貴朗(MTJ)さん作で一番好きなゲームですね。思いつくまま贅沢に全部詰め込んで、その勢いのままノンストップで仕上げた感じが出ていてホントによい。

当時、三辻さんとお話ししたときの思い出

印象に残ってる思い出があって、当時プレイしていて、ワールド6からマップレイアウトが急に無個性な感じになるので、不思議に思って三辻さんに(ちょっと失礼な質問なんですけど)なぜですか? ってお聞きしたら、記憶違いでなければ、たしか6から9は別のかたが配置されていたらしいんですね。

当時、『ヴォルフィード』と並行で作業をされてて多忙だったため、一部を他のスタッフに振っていたという話だったと思います。スタッフのかたは真面目に作られてたと思うし、三辻さんが具体的に指示をできればよかったのでしょうけれど、それだけの時間が取れなかったのかもしれないですね。

ワールド3のモンスターアイランドから4のトイズ、5のDOH'Sに向かってマップがどんどん尖がったつくりになっていく辺りはとても美しいので、少し残念ではあるんですよね。でも最後のバブルアイランドはさすが特徴的ですね(ただ、到達した時点で最強になってて、もうマップがあまり関係ないのですが)。 了

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