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Employee Journeyの3つのExperience

大きな文脈としての「人的資本経営」への注目、その文脈の中でキャリアの自律、主体的な学びなど、働き手においても変化が求められています。社員にそれを求めるということは、逆に組織(会社)も社員から選ばれる存在であり続けること、そういう組織を目指すことが重要な課題になると理解しています。よく言われる「組織(会社)と社員が互いに選び・選ばれる関係になる」ということです。
さて、そのような関係になるために、いよいよ人事という組織機能にも変化の波が来ていると捉えています。互いに選ぶために、互いに選ばれるために人事ができることは何でしょうか?
「互いに選び、選ばれる関係」の主語に組織を置くと「組織が社員を選ぶ、組織が社員から選ばれる」ですが、社員を主語にしてみると「社員が組織を選ぶ、社員が組織から選ばれる」になります。このどちらもありですが、いままではどちらかというと、最初の「組織」を主語にして採用、育成、配置といった人材マネジメントの発想になっていたかもしれません。それは人事が組織(会社)を顧客として捉えているからこそで、ある意味、経営戦略と人事戦略の連動が実際に取り組まれていると言って良いかと思います。一方、後者の「社員」を主語にすると、これまで顧客として捉えていた「組織」というフィルター(網)を通り抜けて、人事から社員一人ひとりの「個」に向けたサービス実現という新しい視点が生まれてきます。これが社員体験価値(Employee Experience)を考える軸になる。採用の局面においては未来の社員に提供するExperience、育成・配置の局面においては現在の社員に提供するExperience、すなわちCandidate ExperienceEmployee Experienceの2つ。そして、兼業、副業、複業が働き方の一つの形として社会の中で定着していくならば卒業した社員に提供するAlmuni Experienceもこれからは設計する必要があるかもしれません。この3つのExperienceがEmployee Journeyを構成する時代が来ると考えています。人事業務オペレーションの効率化、人材情報の可視化だけではない、HR DXにおける大きなテーマの一つには、組織(会社)が提供する(または提供してきた)Exeperienceを変革する大胆な構想とその実現があると考えています。それが実現されてこそ、社員は自身のEmployee Journeyを重ねることができる組織(会社)を選ぶことが可能になり、互いに選び・選ばれる関係となり、組織(会社)は社員から選ばれることになるのではないでしょうか。

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