映画『アルキメデスの大戦』に造船技術者として迫る
こんばんは、とだけんです!!
放映が終わって半年ほど時間が経ってしまいましたが、今年夏に放映された
【アルキメデスの大戦】をご覧になられた方いますでしょうか~?
今旬な俳優「菅田将暉」が主演で、
第二次世界大戦に向かう中で、戦艦『大和』の建造の是非を天才数学者が数学的にアプローチするという映画です!
実はこの映画、戦艦『大和』の建造をテーマにしているだけあって、造船分野の話や船体設計の話もちょくちょく出てくるので、
造船業界に働く者としては、また違う面白さを見いだせる映画でした!
なので、
菅田将暉は数学者として戦艦大和にアプローチしてたので、
造船技術者としてこの映画にアプローチしていこうと思います
※映画の結末とも繋がるの話があるので、
結末を知っている方もしくはネタバレOKな方のみ読んでください
造船技術者からしたら、専門的な単語がたまに出てくるだけでも嬉しかったです!
船体鉄艤装品、船体の曲線数式、満載排水量計算、一般配置図...等船舶建造において欠かせない重要なキーワードが飛びかっていて、なぜか誇らしげに見ていたのを覚えています!
ただこの映画を視ての一番の感想はそんなところにはありません!
造船技術者の観点での一番の感想は、
「船の使命」を見事に描ききった映画であった!
です
以前の記事でも書かせてもらってますが、
「ふね」って言うのは実はそれだけで国力にもなるし、歴史を変える力もある壮大なものです
この映画のすごいところは、
戦艦『大和』を「武力」としての兵器ではなく、
「象徴」としての使命を描いてたところです
映画のストーリーでは、
菅田将暉演じる天才数学者が『大和』の建造費を低く見積もった見積書の虚偽を暴き、『大和』建造の中止を叫びました!
ところが虚偽を暴かれた『大和』建造支援者が、『大和』を建造する意義を説きます!!
『大和』建造支援者が視ているのは、
『大和』建造による日本の太平洋戦争の勝利ではなく、
敗戦が視えている今の状態から、いかに日本国を守るのか!
つまり、
国家最大の武力の象徴としての『大和』が沈没することにより、
日本国民の戦意喪失を促し、日本人の不要な死を止めるための『大和』建造だといいます
そもそも戦争の反対を謳う天才数学者は、
日本国の行く末を思い苦悩の末、
最終的には『大和』建造を進める選択をする形で映画は終わります
『大和』建造は戦争という単位で見ると、敗戦の大きなきっかけとなり勝利をもたらせず失敗だったかもしれませんが、象徴『大和』の沈没によって日本国の被害は最小限に抑えられ、次のステップのための架け橋になったわけです!
まさに沈没した瞬間に、歴史を変える大きな力を持つ「象徴」としての使命を全うしたわけです
違う映画の話になりますが、
出光興産の復興を描いた「海賊と呼ばれた男」でも
石油運搬船として建造された「船」がただの輸送体としてではなく、出光興産の社運を背負う、という重要な「使命」を持って建造されるシーンが脳裏に焼き付いています
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造船技術者としては、「船」に使命を持たせる考え方がたまりません!
この映画を見て、
船というのは、国運を担うだけの影響力を持っていて
造船設計はあらためて誇りある仕事なんだと再認識しました!
これからも船は日本、世界の歴史の節目にあるべきものであると思っています。
最後に、造船会社への入社が決まったのちに行った
「大和神社」の写真を載っけて...
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