見出し画像

構造化シナリオ法を使って考えてるサービスがイケてるか?分析してみよう!

日頃仕事で「ユーザー体験(UX)をきちんと考えないと!」なんて話を知ったふうにお客さんにしていますが、いつも付け焼刃の知識で誤魔化しているので、UX Designについてきちんと体系的に学びたく学校に通う事に。
Xデザイン学校:https://www.xdesign-lab.com/

月に1回、全10回で2020年の2月までのコースなので、学んだ事の中で気になったポイントに絞ってnoteにまとめていきたいと思います。

Xデザイン学校ベーシックコース 07 / 2019年11月30日(土)

Xデザイン学校7回目。後半戦が佳境を迎えています。今回は「構造化シナリオ法」を学びました。授業の時は「何でこんな事するんだろう?」感が強かったのですが、noteにまとめていく過程で随分頭の中が整理されたので、なるべく分かりやすく「構造化シナリオ法って何なの?」をまとめていきたいと思います。

構造化シナリオ法とは?

Xデザインの学校に通ってからずっと感じていますが、専門用語って難しいですよね。「構造化?シナリオ?」と、いつも新しく出てくる言葉とその意味を頭の中で結び付けるのに苦労しています。

構造化シナリオ法って何なんだろうな?という疑問へのとりあえずの私の理解として、ユーザーが求める本質的価値、それを達成する為のプロセス・行動を「構造化=分解して親子関係を整理」して「シナリオ=物語り」として共有し検討できる状態にしましょう、というUXデザインの手法の1つです。

【構造化って何?】
ラーメン -- 麺
      スープ
      具材 --- チャーシュー
          メンマ
          のり
                                  たまご  
こんな感じで構成要素を分解していき、親子関係を整理するのが構造化。

構造化シナリオ法はバリューシナリオ、アクティビティシナリオ、インタラクションシナリオの3つの異なるシナリオを書く事で、新しく考えているプロダクト、サービスがユーザーの本質的欲求を満たせているか?を検証する手法の様なんですが、一度学校でやっただけでは3つのシナリオの違い、役割を理解出来なかったので、構造化シナリオ法を使って既存のサービスを分析する過程で自分の理解を深めていきたいと思います。

対象となるサービスはなるべく多くの人が知っている方がイメージしやすい&最近自分も使ったばっかりなので、Airbnb(https://www.airbnb.jp/)を分析してみたいと思います。

【構造化シナリオ法の全体図】
バリュー -- アクティビティ①
      アクティビティ②
      アクティビティ③ -- インタラクション①
                 インタラクション②
                                 インタラクション③
構造化シナリオ法の構造はこんな感じ。現時点では、へぇ?という感じなんですが、各ステップの役割、意味を段階を踏みながら理解していきたいと思います。

まずはペルソナ作成から

構造化シナリオ法を行う為にはペルソナを作っておかないといけません。誰が使うのか?が分からないと、そのサービスがユーザーにとって有益なのか判断しようがないですものね。

そしてXデザイン学校では「ユーザーインタビュー、上位下位関係分析、グルーピング」といったステップを踏んでペルソナを作る流れを学びましたが、今回はそのステップをサボる為に自分をペルソナとして考えていきます。

こんな感じでしょうか。趣味に美少女と書いているのは、基本的にアイドルが好きだからで、最近は日向坂46の上村ひなのさんの大喜利の才能にハマっています。全然このnoteと関係ないですが、面白いので是非ご覧ください。

バリューシナリオ

続きましてバリューシナリオを書いていきます。バリューと名前にある通り、「価値」にフォーカスしてユーザーの本質的欲求に対してビジネス側がどういう価値を提供するか?をユーザーの体験(UX)視点で記述していきます。

書いてみると「ビジネス提供価値」と「バリューシナリオ」の何が違うのか良く分からなかったです。各項目で何を明確にしたいのか?そしてその目的は何なのか?が良く分かっていないとこういう事になりますね。

何が違うのかな?と調べているとこんなBlogがありました。こちらに掲載されている資料を見ると「ビジネスの提供価値」のところが「ビジネスの提供方針」となっており下記のような記載がありました。

ビジネスの提供価値
ビジネス価値に基づく、価値の提供方針。

「方針」という事になると、自分で書いた文章だと少しニュアンスが違うので修正してみます。

【Before】
ホストにとっては、使っていない家や部屋をゲストに貸し出す事で収入を得る事ができる。ゲストにとってはホテルより安価に多様な宿泊先を選ぶ事ができ、旅の選択肢を広げてくれる。
ホストとゲストが交流する様な場合もあり、単に部屋の貸し借りだけではない、旅先での人との交流もAirbnbの魅力となっている。

【After】
旅行者に、ホテルや旅館より安価な宿泊先を提供する為、個人が所有する部屋や家を旅行者に簡単に貸し出すことができるマッチングサービスを提供する。ホストにとっては使い道の乏しかった資産の有効活用、収益化に繋がり、ゲストにとっては宿泊先の選択肢が広がる事で、もっと自由に旅行を楽しむことができる。

なんとなくこんな感じでしょうか。うーん、これでもバリューシナリオとの違いがあんまり明確にならないですね。バリューシナリオがいけないのかな?という事でこちらも書き直してみます。

【Before】
ホストは今まで使っていなかったり、持て余していた家、部屋を簡単に旅行者に貸し出す事ができ、そこから収入を得る事ができる。
ゲストはホテルや旅館、ゲストハウスといった宿泊先の選択肢に、新しく手軽に利用できる民泊が加わる事で、宿泊先の選択肢が広がり、今までに無かった体験を安価に体験する事ができる。
ホテルや旅館では感じずらい、旅先の人の暮らし、生活に触れられるのも民泊の魅力。

【After】
ホストは今まで使っていなかったり、持て余していた家、部屋を簡単に旅行者に貸し出す事ができ、そこから収入を得る事ができる。
ゲストはホテルや旅館、ゲストハウスといった宿泊先の選択肢に、新しく手軽に利用できる民泊が加わる事で、宿泊先の選択肢が広がり、今までに無かった体験を安価に体験する事ができる。
ホテルや旅館では感じずらい、旅先の人の暮らし、生活に触れられるのも民泊の魅力。
マッチングの手数料で収益を得るビジネスモデルの為、通常のホテル経営などに伴う投資、オペレーションコストなどは発生せず、初期投資をかなり抑えた形でグローバルな事業展開が可能。

ビジネス面からのバリューについての記載を追加してみました。これが正解かは分かりませんが「ビジネス提供価値」と「バリューシナリオ」の違いは少しはっきりしたと思います。

【構造化シナリオ法の全体図】
バリュー -- アクティビティ①
      アクティビティ②
      アクティビティ③ -- インタラクション①
                 インタラクション②
                                 インタラクション③
今ココです。上の方にも書きましたが、ユーザーの本質的欲求に対して、どういう価値を提供するか?をユーザーの体験(UX)視点で物語化したのがバリューシナリオ。こうやって見ると、今やっている事が「ユーザー体験」をデザインしようとしているんだな、というのが実感できます。そうそう、私はUXデザインを学びに学校に行ってるんだった。

アクティビティシナリオ

次はアクティビティシナリオを書いてみます。アクティビティシナリオはバリューシナリオに書いた「シーン」を1つずつピックアップして、そのシーンにおけるユーザーの体験を記述します。

アクティビティシナリオの大事なポイントは「スマホ画面の申込ボタンをタップする」の様なデバイス、インターフェイスに依存する記述をしないこと。構造化シナリオ法は「ユーザーに優れた体験を提供できる物語が出来ているか?」を仮説検証する為にあるので、ユーザーの体験、感情の変化にフォーカスして一連の体験における1シーンを深堀していきます。

【構造化シナリオ法の全体図】
バリュー -- アクティビティ①
      アクティビティ②
      アクティビティ③ -- インタラクション①
                 インタラクション②
                                 インタラクション③
今ココです。「バリュー=価値」を体験するシーンを分解し、そのシーンでユーザーは具体的にどういった行動を取るのか?そしてそれによってどの様に体験、感情が変化するのか?を記述します。一連の体験が構造として分解されてきたのが分かりますね。

インタラクションシナリオ

最後にインタラクションシナリオを書きます。インタラクションシナリオはアクティビティシナリオに書いた「タスク」をデバイス上での具体的な操作などを踏まえて現代語に翻訳する、という感じの作業で分かりやすいです。

【構造化シナリオ法の全体図】
バリュー -- アクティビティ①
      アクティビティ②
      アクティビティ③ -- インタラクション①
                 インタラクション②
                                 インタラクション③
最後まできました。アクティビティをタスクとして分解し、それを現代語に翻訳した形です。「仕組みを使えるように準備する」という文章を「アプリストアに行ってAirbndアプリをインストールする」みたいな感じで翻訳をしていきます。

ここまでやると3つのシナリオの役割がだいぶ理解できた感じがします。

バリューシナリオ
→ 「価値」にフォーカスし、ユーザーの本質的欲求に対してビジネス側が提供する価値をユーザーの体験(UX)視点で記述する。UXデザインのあらすじ。
アクティビティシナリオ
→ 体験全体の物語をシーンごとに分解し、切り出されたシーンにおけるユーザーの行動、感情の変化を記述。このステップを踏むことで、各シーンにおける物語で繋がりがおかしいところが無いか?体験として不快なものが無いか?を検証。
インタラクションシナリオ
→ アクティビティシナリオの現代語訳版。実際のインターフェース上の操作を記述する事で、リアルな体験をストーリーに落とし込む。

構造化シナリオを作ったら次は何するの?

構造化シナリオを作る事で、ユーザー体験の大きな物語と、そのシーンごとのユーザーの感情の変化、具体的な操作が見えてきました。その上で次のステップとして、プロトタイピングを行います。簡易的にサービスを体験できるモックを作って「実際に使ってみたらどうだろう?」をテストするフェーズですね。

今ちょうど仕事帰りのロマンスカーでこのnoteの仕上げを書いているので、続きのプロトタイピングは明日の授業で行います。自分が所属するグループが考えているサービスの企画はインターフェースが多岐に渡るのでどうやってプロトタイプするんだろう?とちょっと心配ですが、どんな風になるか今から楽しみです。

自分用授業メモ/備忘録 07
知らない場所に行く、知らない人と会う。そうすると自分の中にマイルが貯まる。マイルが貯まると自分の変革に繋がる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?