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内省と内発的動機の重要性



WaLaの哲学の屬健太郎です。

今日は、改めて内省と内発的動機の重要性についてお話ししたいと思います。企業活動において、社員の内発的動機がその重要性に比してまだまだ重視されていないと考えるからです。そのような状態ではCXの成功はままならないでしょう。

根本問題は、社会は各個人が内省し、内発的動機を持つ仕事をしているという前提で動いているにも関わらず、各個人は内省に慣れておらず、内発的動機を何に対して持っているかわかっていないということです。現代社会に適応した高い知性を持っておられる方でもそうなのだということが、改めてわかってきました。つまり前提条件が不一致、非対称なのです。

内発的動機の重要性(既存事業、新規事業)

事業の寿命が30~50年から10年未満と短くなり、企業は変革を続けねばなりません。変革にはリーダーが不可欠であり、またリーダー一人の覚悟で済むものでもないので、程度に違いがあれど、全員が改革マインドを持つことが不可欠です。

既存事業領域において
既存事業というものは顧客から見た基本的価値は確定しています。事業者が次に行うことは、もっと早く、安く、多く提供することになります。これを最適化と呼びます。現代では技術革新が早いため、一人当たりの生産性を高めることは、シンプルにいうとより少ない人数で価値提供するということです。人口減少局面に入ると需要が伸びる業界は少なくなるため、これに拍車がかかります。

売上を伸ばすことができない中、より少ない人数で利益を確保するということは、ある意味では撤退戦と言えます。このような事業領域で、合理化を進める社員にはかなりの負荷がかかります。それを、自ら志願してやるほどの強い想い(内発的動機)を持つ人間にしか、こうした業務を経営も任せることはできないでしょう。

新規事業領域において
新規領域では、まだ、顧客から見た価値は確定しておりません。
プロジェクトを進めるには

・時間はかかる
・失敗もある
・独自の視点が必要(でなければ、"新規"たり得ない)
・一方で、共感される必要もある(でなければ事業として立ち上がらない)

こうした領域をそれでも開拓するには、やはり、強い想い(内発的動機)を持つ人間が必要です。

既存、新規のいずれの事業領域においても強い内発的動機を持った人間以外にこうしたことを任せてうまくいきません。

にもかかわらず、現状は内発的動機の確認がなされないまま、もしくは、命じらた者は当然強い動機はあるだろうとの甘い期待をもとに進められていることが多いように感じます。
一方で本人に確認しても、本人が内省の経験があまりに少なく、目を内側に向ける経験の少なさから、自らの内発的動機へ自覚がないことが問題でもあります。


内省による自己決定

私は、企業に必要な人材は概ね以下の3タイプだと考えます。

・愛国者
(自らのミッションとして自社事業を愛する人材。ゆえに変革にも熱心)

・開拓者
(自分のミッションを既存事業の外に見つける人材。ゆえになんとしてもその事業を生み出すという野心を持つ)

・専門家
(ミッションは持たないが自らの専門領域を活かし、ミッションを持つ人間を支える人材)



大学を卒業し企業に入社した際は、もちろんこのようなことはわからないでしょうが、10年以上働き、30代にもなると、このような自己決定が必要となるでしょう。自分が何をやって生きていくのか、会社の辞令に基づいてではなく自ら決定するのです。もちろん、選んだものを変更してはいけないということではないですが、自分の生き方を自分で定義しなければならない。そのために必要なのが徹底した内省です。


内省による地図とコンパス

世間は、私たちが人生を自ら選択したとの前提で動いていますが、本当にこれが自分の選択した人生であると言える人はどれほどいるでしょうか?
進学時や就職時に選択をした以降どれほど真の意味で選択続けたでしょう?時々で与えられた選択肢から、選んだ方が多いと思います。しかし、その選び方は本当にこれで良いのでしょうか。追い込まれた上での選択肢ではどれを選んでも願いは手に入らないかもしれません。

例えば、WaLaの哲学やその自己適用のためのT3(Transition to Transformation)プログラムにおいては以下の問いに徹底して向き合ってもらいます。当然一問一答という種類の問いではないので、これを理解するための自身の内部記述を表出するフレームワークを活用します。

・自然に湧き上がる願いは何か? 
・どういった世界観(理想/現実)を持っているのか? 
・自分が向かうミッションは何か 
・それらをミックスして、どういった時間軸で人生を捉えるのか (1200M)
・ここでいう自分とはそもそもどのような存在か? (瞑想(セルフ)/曼荼羅(エゴ))
・落ち着いた心、高い洞察力、動ける体で1日に向き合っているか? (調身、調息、調心)
・1日を振り返り、描いたように生きたか? (時間管理/振り返り)


こうした問いに向き合うことなく、人生に挑むとしたら、地図もコンパスもなく、航海に出るようなものです。現時点が、どこにいるか分からないため、どっちに行っていいかもわかりません。

これらは、当人の持つ”実力” 以前の問題です。


軸について

一日一日の積み重ねこそが私たちの人生と言えます。
私たちは、その今日一日をどれほど大事に積み重ねているでしょう?
今日一日。
これを蔑ろにして、得られる偉大な成果など存在しません。

力士が土俵に入る前、武道家が道場に入る前に一礼するのは、場そのものへの敬意です。私たちは、毎日自分の舞台が幕開けする前に、一礼するような敬虔な気持ちで日々を送っているでしょうか?そうした準備をしているでしょうか?

これは、体と心の双方に言えます。
「落ち着いた心」「高い洞察力」「動ける体」というのはどのような仕事をする上でも必要ですが、そうした仕事を日中行うには、それに相応しい準備が必要でしょう。トップアスリートがわかりやすいですが、準備を当日だけでなく、日々怠らない者のみが、トップアスリートと呼ばれるようになる最低条件でしょう。

軸とはなんでしょう?地図上の一点から、より高いところとの結びつきを持てるかにより、その人間の視座が変化します。自分の中の最も高い視座と地図上の一点を結んだ線を軸と呼んでいます。高い視座に固定されることはないでしょうが、この往来の中で自身が見えるものが変わってくるでしょう。

これも、”実力”以前の問題です。



地図と軸と構え

私は、「地図、軸、構え」が重要だと説いています。

生きていく上ではさまざまなスキルが必要です。ファイナンス、マーケティング、アカウンディング、など専門能力は高いに越したことはない。これらを「外なる構え」と呼んでます。

また、私たちは一人では何も為せない。集団を動かす以上、その集団が一つの生命体として動くために中心人物には、メンバーを束ねる力がいります。寡黙なリーダーも、説明責任が上手なリーダーもいるが、総じていうと人間的な魅力ということで、これを「内なる構え」と呼んでいます。

外なる構え、内なる構えの双方があっても、その人物が、地図とコンパスを持っていなければ、どこにも辿りつかない。また、日々を迎えるにあたり、基本的な心構えができていなければポテンシャル発揮は叶わない。

外なる構えは、リスキリング・プログラムで学び
内なる構えは、自身の人間関係の中で学んでほしい。
但し、地図や軸を持ちたければ深い内省が必要だろう。

WaLaの哲学/T3 では、深い内省のプロセスを提供しています。



まとめ

外なる構え、内なる構えのコアに、地図と軸があることは、既存事業、新規事業どちらにも不可欠です。
そうした、地図と軸は徹底した内省により手に入り、その上での自己決定のみが、あらゆる困難を跳ね返し前進する力を、当該個人とその周囲に与えることになるでしょう。

より多くの方がそうした力を手に入れた先に、私たちは希望ある未来が描けるように思えます。

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【ご案内】

企業経営に関わる方が社員の内発的動機の問題に気づくと問題の深刻さとどこから手をつければ・・・という気持ちになられると思います。

1)企業を超越し、内発的動機に向けた人的資本投資と企業変容を検討する場としてTCFA(Transcendental Corporate Field Association)という場をPwCコンサルテインング様と一緒に運営しております。人事、経営企画、新規事業などの企業幹部の方で関心のある方はぜひご連絡ください。ともに、理想的企業変革を進めるための知見を重ねましょう。

2)内省の型を学ぶ、WaLaの哲学の次回講座11期の開始は2024年4月と少し先になりますが、自社に導入を検討されたい方は以下まで、ご連絡ください。
MAIL to:info@wala.jp

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