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Project Lily(Leader tells a story, but no more Lie to yourself)経済産業省「大企業人材等新規事業創造支援事業」

Project Lily についてご紹介したいと思います。

Project Lilyとは、経済産業省の「大企業人材等による新規事業創造支援事業」の委託を受け進めているプロジェクトだ。

これは、ある仮説から始まっている。

1)大企業の人材の多くが「自分らしく働けない」「自分らしく生きられないと悩んでいる。その痛みに共感できる人は多い。

2)大企業の多くが、イノベーションが起きないと言っている。こちらも言われている通り。

この二つの問題は、実は表裏一体の一つの問題であり、そこを解消することにより、この二つの問題は解決されるのではないだろうか?ということだ。

順を追って説明する。

<1>現状分析

まず、多くの企業は以下の3つを行っている

「新規事業開発」「人材育成」「企業理念の見直し」である。それぞれ見ていきたい。

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1)新規事業開発部門

既存事業の運用では生まれない、もしくは事業部門が見落とす事業を生むために様々な部署が作られ、CVCなども作られ対応している。残念ながら、うまく言っているという話は聞かない。新しいことを起こすに、既存のオペレーションの文脈のマネジメントが入り込むことが一つの大きな要因だろう。【問題点】仮に部分的成功と言えるものがあったとしても、自社の存続にとりインパクトあるようなものは生まれない。そこには、変容するということへの恐れからくる、覚悟の不足、踏み込みの足りなさがあり、結果的にそれは変化を拒むこととなり、緩やかな死に繋がる。

2)人材育成

「VUCAの時代」「変化に対応する人材」などの名目で、自律的な人間を育成するというお題目で、多くの人事部が研修会社に仕事を依頼している。しかしながら、現状が面白くない人たちの言い訳になったり、その人間が、人生を賭けて実現したいようなものに届くことは多くはない。

【逆効果】一方で、本当の内発的動機に目覚めた人が出てきた際も問題がある。なぜなら現在の企業マネジメントにそうしたものを受け止める土壌がない。結果として彼・彼女が自分のミッションに目覚めたなら、多くの場合、退社するという選択肢になる。

3)企業理念の見直し

定期的に見直しが行われるのは、企業経営者からみて理念が自分の思うレベルでは浸透していない。この一つの御旗の下、会社が動けてないということが原因だ。また、経営者は自分の役割は変化を伴いながら時代につなぐことであり、そのためには一貫した軸となる何かを見つけねばならない。そのために、企業理念を紐解くのだ。

【逆効果】しかし、仮にいくらか新しいメッセージを作り直したりしても、会社が実態的に変わることはない。それは、それを落とし込むためのフレームが組織マネジメントの中にないからだ。

<2>本当に望んでいることは何か?

これら、3つを行う理由は、はっきりしている。

「変わらねば!」

現状維持では持たないという危機感だ。しかしながら、これら3つをバラバラの部門が全体を見ないで行っている限り消して実現されることはない。

この、企業を変える「トランスフォーメーション」という一つの目標を共有し、問題点をシェアした企業からしか変われない。そのためには、一つの会社の3つの部門、新規事業部門、人事部門、経営部門のエグゼクティブらが一同に問題に取り組まねばならない。また、これは自社だけの問題ではなく、どこの企業も同じ問題を抱えており、他社の状況を知ることで、自分たちの抱える「問題の深さ」「自社の相対的状況」「向かうべき方向性」「共創の可能性」などが見えてくるはずだ。だったら、複数の各業界を代表する企業のそうした人材に集まってもらい、そうしたことを、実践的にやり切るため、またそうした人たちの実践的支援のために立ち上げたのがこのProject Lilyである。

経験上、どの企業の、どの部門にも変えねばならないという想いを持った心ある人がいるものだ。また、後に述べるが、「大まかな問題の所在と変えねばならないこと」もわかっている。しかしながら、そのほかの多くの人は、変えることを嫌う。そのため、彼らが動こうと思うと、社内が抵抗勢力となり実践できない。そうこうしているうちに、改革のエネルギーは消え、自身のモチベーションも低くなってしまう。そのため、会社の外に同じ志を持った人が集まり、社内を説得するための知恵の交換、エネルギー、共感を受け取る場が必要だと考え作られた場が、Project Lilyだ。

彼らリーダーが物語を語るのは当然だ。しかし、その物語を作る力は時に自分を騙すこともできてしまう。「本当は別にこうしたことやりたい、やるべきと思っているわけではない。」と。だけど、違ったはずだ。それは、その困難さ故に、自分の本当の想いから目をそらすことだ。もう、それを逸らしてはダメだ。私たちが抱えている問題を次の世代まで持ち越してはならない。もう、自分に嘘をつくのはやめよう!そうした思いが、このno more Lie to yourself という言葉に入っている。

先に述べたように、概ね、問題の所在はわかっている。しかしそれを解消するには資本主義と真っ向から対立しかねない。資本主義に基づき、この株式会社が成立している以上、その重力を超えていくのは極めて難しい。故に、彼らが、企業トップに話をする際は、直訴となる。

そうそれは、徳川慶喜を支える四大老の一人出会った土佐藩の山内容堂に、家臣である後藤象二郎が、「大政奉還の建白書」を書いて欲しいとの直訴に等しい。当時の幕藩体制そのものを突き崩すことになりかねない提案を、藩のトップが幕府にするというのは、現在で言うなら、企業のトップが株主に対して株主資本主義の優先順位を下げると言うことだ。しかし、これ無くして現在のあらゆる問題は超えていけないだろう。写真は、龍馬伝の一部だ。出よ!後藤象二郎たちよ!


<3>新しいアプローチ TCCモデル

Transcendental Corporate Field/Capital 超越的企業場/資本

多国籍企業のことを、当初 Multinational Companyと呼んでいたが、後にTrans National Company と呼ばれるようになった。時代の変化に伴い、国家より小さかったcompanyが国家を超えて行ったのだ。これと構造的に同じ変化が起きる。

企業に従属していた資本が、企業を超えていく。その概念を表したのが、このTCC(Transcendental Corporate Capital)超越的企業資本と言う考え方だ。

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図にあるように、まず、

1)会社という制約条件のない場所で(Transcendental Corporate Field)

2)人の深層心理の奥にある暗黙知領域から、内発的動機を引き出し=A

3)内発的動機を内発的公共性に昇華し=B

4)そこに、必要な資金も投下しそれを社会実装していく=C(Transcendental Corporate Capital)

こうしたABCという一連の流れを、考え実装し、洗練させていくのがTCCである。TCCに関わる者にとって大事な目線は、自社に有益かどうかではない。

A :それにより個人の才能は開花するのか?

B :それは、社会に必要とされる物語か?

C :それを社会実装する際に必要な支援をえられるのか?

こうした問いかけだ。おそらく幕藩体制が解体され、明治政府・日本国ができてきたように、今後、現状の資本主義の枠組みで、ギチギチに固まった企業経営と資源(ヒトとお金)の使い方は、こうしたコンセプトの下、大きく開放されて行く流れとなるだろう。

これは、歴史の流れから止まらない流れである。

これまでも、たびたび語ってきた「WaLaの哲学」は、このAの内発的動機を個人が発見するためのもので、このTCCというコンセプトの部分を構成している。

また、Contemporary Practical Philosophyの場として、WaLaの哲学の修了者のみが集まる場として作った、BAC(Born Again Club)は、このBに類するものだ。

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これまでは、CのTCC自体の準備ができていなかったため、その物語を社会に出現して行くところに寄せて行っていないが、準備期間を経てシフトして行くつもりだ。

そして、C 超越的企業資本 だ。

これから来年にかけ、この組成に入りたいと考える。これまでのベンチャーキャピタルのように、リターンの可能性を主軸にファンディングと投資を考えるものではなく(そうした意味ではこれまでのVCに関わってきた方々が苦悶しながら超えたかった問題点を超えていく一つのアプローチとも考える)、

個人の内発的動機→内発的公共性→その社会実装→企業の変容

という一連の流れを、作ることだ。これに参画していない企業は自社の変容を望んでいないというくらい、強烈な流れとなって行くと考える。

さぁ、これまで理想を現実との間でなんとか妥協させながら進んできた、勇気ある者たちよ!立ち上がる時だ!

Transcendental Corporate Field/Capital 超越的企業場/資本

に関心ある方、共に進みたいという方は、どうぞ、WaLaの哲学のお問い合わせから、ご連絡をください。

シリコンバレーモデルを超えたイノベーションの仕組み、資本主義を超えた社会システムは、ここ、日本から始まる!


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