そういう日

虎のしっぽがある日の夜中に家にやってきた。

ボクは1人で玄関に、虎のしっぽを迎え入れた。

「しっぽだけで来れてすごいだろ」と虎のしっぽは言った。

「すごい」とボクは言った。

虎のしっぽは家に上がってきて、
冷蔵庫の中とか、押し上れの中を見たがった。

目的はなさそうだけど、多分しっぽだけで家まで来たっていうだけじゃ恥ずかしいから、用事がある事にしたかったんだろう。

その次の日、虎のしっぽ以外が真夜中に家にきた。

「昨日はしっぽだけが来てずるいからな」と言った。

「どうぞ」と言ってボクは家を案内した。

その後で、虎以外の何かが真夜中家に来た。
虎ではないけど、虎でなくもない、そんな何かだ。

「虎だけ来てずるいから来たぞ」とそれは言った。

その後も何だかんだ毎晩家にやってきた。

ボクの家に真夜中に来るっていうのは、何やらすごい事らしい。


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