けんいちのエッセイ

感覚だけで表現されたエッセイ集です。 生活に何の役にも立たない文章ですよ。 あと、Vl…

けんいちのエッセイ

感覚だけで表現されたエッセイ集です。 生活に何の役にも立たない文章ですよ。 あと、Vlogerです笑笑 https://youtube.com/@dontstop_kenichi

最近の記事

仕事の休憩時間の過ごし方

仕事の休憩時間に外を歩いていたら 暖かい風がそよいでいて、雲の流れもはやかった。 このままどこに行っても大丈夫な気がした。 そんな時は本当にどこに行っても大丈夫だ。 電車に乗って揺られていく。 今のところまだきっと休憩時間だ。 そのままながーーいトンネルに入ってしまって眠ってしまった。 目を覚ます。 身体の疲れが取れてしまっているほど眠っていた。 大丈夫多分まだ休憩時間だ。 その時、オレンジ色のこの世界の始まりのような輝きが窓から入ってきた。 走る電車の中から

    • 予定のない日

      外から寒い風がピューっと吹き込んできている。 家にいる時の事だった。 風の正体をつかもうと思って、風の方まで行ってみたら 「ごめんなさい」という声がして風が吹きやんだ。 それっきり進むのやめてしまったんだけど、 家に帰ってから 風の先に何があるのか、やっぱり気になってしまった。 そう考えていて、 また風が吹いてこないか期待して、窓をあけておいた。 するとぬるい風がピューって吹いてきた。 ボクは今度こそ風の先に行こうと思って、 風の先に向かっていった。 すると

      • そういう日

        虎のしっぽがある日の夜中に家にやってきた。 ボクは1人で玄関に、虎のしっぽを迎え入れた。 「しっぽだけで来れてすごいだろ」と虎のしっぽは言った。 「すごい」とボクは言った。 虎のしっぽは家に上がってきて、 冷蔵庫の中とか、押し上れの中を見たがった。 目的はなさそうだけど、多分しっぽだけで家まで来たっていうだけじゃ恥ずかしいから、用事がある事にしたかったんだろう。 その次の日、虎のしっぽ以外が真夜中に家にきた。 「昨日はしっぽだけが来てずるいからな」と言った。

        • 目的がないからこその幸せ

          電車を目的もなく作った 楽しそうだし、作った時の達成感がすごいと思ったからだ。 同じような考えの人がいっぱい手伝ってくれて電車が完成した。 すごく満足して、 手伝ってくれた人とも熱い絆が生まれた。 そしたらやっぱり、走らせたいねっていう話になった。 みんなで電車に乗って走らせた。 どこに行くかも決まっていない。 目の前に駅が見えてきた。j 誰かが作った駅だ。 一緒に使わせてもらおう。 一日その駅で止まってゆっくりしていたら、 お客さんがいっぱい乗ってきた。

        仕事の休憩時間の過ごし方

          何気ない日常

          布団を干した次の日はすごい だって 布団を敷いたら、布団の先から紳士なおじさんがいっぱい歩いてくるからだ。 そういう日を過ごしているうちに 「あー布団が汚れたら、紳士なおじさん達が歩いて来なくなるのか」と考えた。 紳士なおじさん達は、ちなみに布団から出ると、 だんだんと歩くスピードが速くなって、ステッキを振り回してスキップをする。 その後で、もっと速く移動したいからか、 フォーマルな服装を脱いで裸になった。 急いで移動すると人は紳士じゃなくなるんだ。 そして全

          思春期なカレーパン

          途方に暮れているおじさんがいた 本当に何もかもうまくいかないでいた 仕事もなくダラダラと過ごしていると、 お腹が空いてきたので なけなしのお金でカレーパンを買った。 パン屋から出て、歩きながら食べようかと思っていたらカレーパンがどんどん大きくなってきた。 人間で言う12、3歳ぐらいのカレーパンなので急に成長しても無理はない おじさんは恥ずかしくなったので 家にカレーパンを持って帰って食べようとしたけれど、カレーパンはドンドン大きくなって浮かび上がってきた。 おじさ

          思春期なカレーパン

          ベロベロバー

          ある日世界を大きな暗闇が覆い始めた。 最初は大きな雲か、もしかしたら隕石と 思い始めたが違った。 その大きなモノはドンドン地球に迫ってくる 地球が終わる。 全員がそう確信していた。 信じられないぐらいの大きさで間近に迫った時。 とうとうアメリカとかの調査団は、迫り来る巨大なモノに接近して、上陸した。 検査の結果、それは巨大なベロだという事が判明した。 何でベロなんだ。 何のベロなんだ。 そしてさらに研究が進められた。 地球にぶつかるギリギリの期限まで調査

          キュビズムを食べてみて

          めちゃくちゃ美味そうな絵があったので、 皿にのせて食った。 色合いの割に味わなかったので、適当にドレッシングをかけて食った。 めちゃくちゃ美味しいというか、 絵の深みのように、後味がいつまでも続いた。 味が終わらない。 味は翌日まで続いて、そのまた翌日まで続いて恐怖が湧いてきた。 いくら美味しくても、旨味は何日も続くと怖さが上回る。 そして味が薄れてくると、意識が朦朧としてきてぶっ倒れて、気がつけば医者の前にいた。 絵について詳しくないので、知らなかったけど

          キュビズムを食べてみて

          金の寿司人間

          この寿司職人はついに黄金の体になった。 寿司を極め過ぎてしまって、 神みたいなやつに体を金色に塗られてしまったからだ。 金色の寿司職人は、身体から望むだけ寿司を放出できた。 朝起きると、身体から、中トロを100個放出して、世界に放つ。 放たれた中トロ達は、栄養の足りていないモノに飛んでいって、ぶつかって浸透すると、対象のモノは活力が溢れた。 やる気のないチンタラ走る電車に、中トロが3個ほど突っこむと、電車はやる気がみなぎって、運転手無しでも何人でも走れた。 金色

          広告を抱きしめる温もり

          町の中華屋のラーメンの器に描かれているドラゴン(以下、描ドラゴン)はうんざりしていた。 器以外に描かれてみたいというか、もっとオシャレな広告になりたかった。 そして中華屋の昼休憩中に抜け出して、 外国のIT企業まで飛んだ。 大人気スマートホンの背面のロゴになりたかった。 企業のCEOに自分をスマホの背面のロゴにして欲しいと言ったら、知識がないとわからない皮肉を言われた。つまりNOだった。 描ドラゴンはイライラしたので、企業のビルにしばらく張り付いてやった。 人々

          広告を抱きしめる温もり

          幻の入学

          おじさん自分は社会経験を経て、もう一度学び直そうと大学へ進学した。 そのために仕事を増やして、 ようやく学費を貯められた。 苦労したけれど、新しい人生のために 学ぶ事が楽しみになって、 ワクワクしてあまり寝られないで 入学初日を迎えた。 入学初日に学校へ行った。 郊外にある、社会の空気から分離されたような、静かで自然豊かな空間だった。 まるで、絵の中に入ったかのような 寂しさがあり、もう戻れないような空気感があった。 校門の入り口でじいさんが巨大なカニを洗っていた。

          ねーこー

          ねーこーは猫とよく誤解されるが、猫ではない。 だけど猫と非常に見た目が似ているので、混同されてもおかしくはない。 ねーこーは夜になると、 山と山の間から身体をピカピカ光らせて出て行った。 そして街をパトロールした。 今日も街には顔のでかい、おじいちゃんおばあちゃんがいた。 顔がでかいおじいちゃんおばあちゃんは、 わざと顔を大きくして、夜道で待ち伏せしては人を驚かせる習性があった。 ねーこーの役目はこのおじいちゃんおばあちゃん達を回収する事だ。 今日も顔のでかいお

          ファッションモデル楽屋の覚醒

          ファッションモデル達の楽屋が覚醒というか、ブーストした。 前まで狭いところでひしめき合って着替えていたのに、向こうが霞むほど急に空間がブーストして、端っこも霞んで見えなくなった。 これで取り巻きも連れて来放題になったし、 わざわざお互いに気を遣あってくっついて準備しなくてもよくなった。 そうなれば、キャンプ場貸し切りの様な気分で、わざわざ広大なスペースを求めて、 ファッションモデル達は楽屋の方々に散って行った。 客の温かさは異常だった。 ファッションモデルが出て来てい

          ファッションモデル楽屋の覚醒

          ふぁいなんしゃるいんでぃぺんでんすりたいああーりー

          おっさんが通勤中にピカピカのバイクのアクセルを握っていた。 気のせいだと思っていたけれど、 アクセルを握っている間、身体の芯でムズムズする快楽があった。 このアクセルを全開にすれば、この快楽は爆発するという身体との繋がりを直感的におっさんは感じていた。 チャンスは一回きりだった。 都会には珍しい、 ながーーーーーーーい信号無き、 人通り少なき道があった。 そこでしかアクセルを全開にするチャンスはなかった。 おっさんはその道に出ると、 選択を迫られた。 最

          ふぁいなんしゃるいんでぃぺんでんすりたいああーりー

          熱と自信と旨み

          旬な時期にカニは捕らえられて、そのまま グツグツした鍋に入れられて、すっかり茹で上がった。 うはー。とカニは言った。 こうしてまた食べられるクソ人生だ。 さっきまでは生物。今は食。 だけど皮肉にも自分の味には自信があった。 カニはスーツを着た大人に捕らえられて インタビューを受ける事になった。 初めての事態だった。 「どうして君は茹でられた瞬間に自信が湧いているんだ?」と大人は聞いた。 どうしてだろう。 だけどカニはこのまま、自分を食う人間に爆発的な多幸感をもたらす自信

          異次元自己中のミニマリスト

          ミニマリストのおっさんは 家賃削減のイケイケ持ち物少ない生活をするために 不動産を漁った。 すると月7円の賃貸が見つかった。 早速もろもろを済ませて入居すると、 完全に訳あり物件だった。 というのも、部屋のど真ん中にめちゃくちゃ大きい脳みそがあった。 しかも脳みそはまだ現役で、波打っていた。 これは不動産屋さんには一切聞いていなかったので詐欺のレベルを超えていると思ったが、月7円なら文句を言う資格はないと、 ミニマリストのおっさんは思った。 その辺のシンプ

          異次元自己中のミニマリスト