見出し画像

【労務費 Part②】賃金の消費と予定消費賃率による原価計算フロー:エッセンシャル会計学 No.57🏭

今回の労務費 Part②では
「賃金の消費」というテーマについて
一緒に理解を深めていこうと思います。

材料費と同じパターンになりますが
賃金にも「予定消費賃率」によって
迅速な計算を行うことがあります。

労務費を正しく分別した上で
適切な計算方法で原価を算定できる
ようになることが理想状態ですね✨


会計・財務についてもっと学びたい🔥

会計業務や経理、財務、簿記についての
基本的な知識を持つことは
ビジネスパーソンにとって非常に
重要であると感じています。

今後、定期的に投稿していく
【エッセンシャル会計学シリーズ】では
会計業務の重要性から経理や財務の役割まで
私が勉強したことをわかりやすく
アウトプットしていきたいと思います🔥

さらに、経理業務の具体的な内容や
財務業務の目的、簿記の種類と特徴に
ついても詳しく掘り下げていきたいです💛

そして、日商簿記検定2級合格を
最終的な目標として
会計学を
勉強していきたいと思います!

ビジネスにおける財務情報の管理や
経営判断の基盤となる知識を
身につけるため、最後まで
ご一読いただけますと幸いです💖

前回のお復習い📑

賃金の消費とその計算期間💴

今回のテーマは「賃金の消費」ですので
これは貸方の論点になります📝
結論、賃金のうち直接労務費は仕掛品勘定へ
間接労務費は製造間接費勘定へ
振り替えられることになります!

そして、給与の計算ですが
工業簿記の原価計算期間(毎月1日~毎月末)
と一致していれば問題ありません。
しかし、賃金の支払額を計算するための期間を
給与計算期間が「毎月20日締めの25日払い」

いった形で設定されている場合には
ズレが生じてしまいますね!

このように、給与計算期間が原価計算期間と
一致しない場合には、要支払額と当月支払額の差
となる未払調整(未払賃金の見越計上)
をする必要あります📝

結論、未払調整のための計算式は以下の通りです。

$$
\\当月消費額(要支払額)=当月支払額+当月未払額-前月未払額
$$

例えば、給与計算期間が6月21日~7月20日
原価計算期間が7月1日~7月31日としましょう。

この際、当月支払額は6月21日~7月20日分となります。
しかし、要支払額は7月1日~7月31日分となる点に留意しましょう。
したがって、前月未払(6月21日~6月30日)分を引き
当月未払(7月20日~7月31日)分を足すという調整が必要なのです✨

なお、この仕訳は、以下のようにしてまとめることができます!

$$
\\<月初時の仕訳(前月未払賃金の再振替仕訳)>
\\未払賃金:×× / 賃  金:××\\       \\<賃金支払時の仕訳>\\賃金:×× /現 金:××\\      /預り金:××\\       \\<月末時の仕訳(当月未払賃金の経常仕訳)>\\賃金:×× /未払賃金:××\\       \\✅当月消費額(要支払額) \\= 当月支払額 + 当月未払額 - 前月未払額
$$

予定消費賃率を用いた直接高賃金の計算🏭

まず、予定消費賃率とは
「予めこれくらいだろうと見積もった
1時間あたりの消費賃率」
のことです。

材料費の計算で予定消費価格を用いたのと
同じように、直接工賃金についても
実際消費賃率に代えて、予定消費賃率
いう予定単価を用いて消費額
を計算することが認められています。

なお、予定消費賃率は直接工賃金のみの論点
であること
に留意しましょう📝
※間接工は、当月の要支払額
 の全額を間接労務費にするため…

そして、期首時点での予定消費賃率の決定と
原価計算期間における消費額の計算方法は
以下の5ステップで行われます。

  1. (期首時点)予定消費賃率を決定

  2. (各原価計算期間中)直接工賃金の予定消費額を計算

  3. (月末時点)直接工の当月実際消費額(要支払額)を計算

  4. (月末時点)賃率差異の算定

  5. (会計年度末)賃率差異を売上原価に賦課する

それでは、実際の演習問題をアウトプットするなかで
今回の論点である「賃金の消費」について
基礎的なポイントから理解していきましょう!

Q1. 以下の資料に基づき、当月の賃金消費額(要支払額)を計算しなさい。
・給与計算期間に基づく当月の賃金支払総額は300,000円であり、8月25日に源泉所得税20,000円を差し引いた残額を現金で支払った。
・前月末(7/26~7/31)の未払賃金は70,000円であった。
・当月末(8/26~8/30)の未払賃金は60,000円であった。

解答:要支払額=290,000円
※当月賃金支払額300,000円+当月未払賃金60,000円
  -前月未払賃金70,000円=290,000円

Q.2 以下の資料に基づき、当月の直接労務費と間接労務費の金額を計算しなさい。
・直接工の当月支払額は300,000円であった。
・直接工の前月未払賃金は90,000円、当月未払賃金は70,000円であった。
・当月の直接工の作業時間は200時間であり、その内訳は直接作業時間が150時間、 間接作業時間が50時間であった。

解答:直接工の消費賃金の計算
直接労務費:210,000円
間接労務:70,000円

※要支払額:280,000円
当月支払額300,000円+当月未払賃金70,000円-前月未払賃金90,000円

直接工の実際消費賃率=@1,400円/時間
※当月の要支払額290,000円/作業時間合計200時間

直接労務費=@1,400円×150時間=210,000円
間接労務費=@1,400円×50時間=70,000円

<直接工の賃金消費時の仕訳>
仕掛品:210,000  /賃 金:280,000
製造間接費:70,000
✅直接労務費⇒仕掛品、間接労務費⇒製造間接費

重要例題:予定消費賃金と賃率差異の計算

Q3. 以下の資料に基づき、当月の直接労務費、間接労務費および賃率差異の金額を計算しなさい。
・当月の直接工の作業時間は200時間(直接作業時間150時間、間接作業時間50時間)であった。
・直接工の予定消費賃率は@1,000円/時間である。
・当月の直接工の要支払額は220,000円である。

解答:予定消費賃金と賃率差異の計算
直接労務費:150,000円
間接労務費:50,000円
賃金差異:20,000円(不利差異)

直接労務費:150,000円(@1,000円×150時間)
間接労務費:50,000円(@1,000円×50時間)
予定消費賃金:200,000円(@1,000円×200時間)
賃金差異:予定消費賃金200,000-実際消費賃金(要支払額)220,000円=△20,000円(不利差異)

本問題(Q3)におけるポイントは以下の通りです。

$$
賃率差異=予定消費賃金-実際消費賃金(要支払額)      
    \\    =(予定消費賃率-実際消費賃率)×実際作業時間
$$

賃率差異を求めるときは、予定消費賃金から
実際消費賃金を引いて計算します。
そして、 その計算結果がマイナスになるとき
(予定額<実際額の場合)は不利差異(借方差異)となり
計算結果がプラスになるとき(実際額<予定額の場合)
は有利差異(貸方差異)となります📝

そして、賃率差異は原価差異に該当するため
会計年度末において適切に処理することが求められています。

具体的には、損益計算書の売上原価に賦課します。
不利差異(借方差異)の場合は、売上原価に加算し
有利差異(貸方差異)の場合は、売上原価から減算する
というような調整を行います。
※材料の消費価格差異の会計処理と同様になります。

本日の解説はここまでとします!

出所サイト:勘定連絡図

工業簿記においては、上図のような「勘定連絡図」をイメージしていくことが本当に大切となります。
次回から、3つ目の費目別計算である「経費」について考えていくことにしましょう💖

私が考える会計学を学ぶ意義💖

会計知識は、経理や会計士だけが理解して
いればいいというわけではありません🔥

なぜならば会計は、経理や監査法人の
会計士だけではなく、営業や管理職
経営全般まで、会社に所属している
全て人にとって必須の知識である
と考えているからです!

ほとんどすべての会社は
営利団体であると思われます!
つまり、ボランティアではなく
利益を追求し、事業活動を行い
会社は成長していくことを
本質的な目的にしていること
でしょう。

私も株式会社に就職を予定している以上
利益の出る仕組み、お金の流れは確実理解を
しておく必要があることを自覚しています。

例えば、営業マンだとしても、売上の目標や
予算作成に関わることがあると思います!
そして、その予算の仕組みも、売上の処理も
全て会計が関係しているのです。
また、営業の売上は経理が処理をし
会社の利益がいくらになるかを
算出していくことになります!

総じて、会計を知ることで、会社にどれほどの
インパクトをもたらしているのかを把握でき
予算の作成においても精緻に行えるようになる
と言えますね💖
また、数字に強くなり、定量的な分析に基づく
思考法やビジネスが行えるようになるでしょう。

そして、会計の知識を洗練していけば
将来的に経営者の視点を手に入れることができる
と思いますので、新規プロジェクトに
アサインされたり、昇格のきっかけにも
なり得るかもしれません🔥

会計の基礎知識である「財務3表の理解」
を中心に理解を深め、財務3表とは何か?
これを見て、何をどう判断するのか?
などを考えていきたいですよね!
この知識があるのとないとでは、今後の
仕事の仕方が大きく変わることに
間違いはないでしょう。

これからの時代はグローバルに活躍できる人材
というのがより一層求められると思います!

私の投稿でも会計の基礎を身に着けるのであれば
英語も交えて知識をつけると、今後ますます
活躍できるフィールドが広がっていくと
考えていますので、グローバルスタンダードにも
挑戦していくことにしましょう🔥

なお、参考資料は以下の通りです。

おすすめマガジンのご紹介🔔

こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです。

改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました
🍀

だからこそ、ご縁を大切
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥


最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

お気軽にコメント、いいね「スキ」💖
そして、お差し支えなければ
フォロー&シェアをお願いしたいです👍
今後とも何卒よろしくお願いいたします!

この記事が参加している募集

転職してよかったこと

入社エントリ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?