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【危機感は?🤔】逼迫し続ける日本の財政と先送りされ続ける目標:日経新聞解説📰 2023/08/06

日本経済新聞の記事で
注目したい内容がありましたので
記事にしたいと思います💖

長いですが、目次をご活用いただきまして
どうぞ最後までご覧ください!

財政赤字、25年度1.3兆円 税収増でも「黒字化は26年度」 内閣府試算、少子化対策費も未反映

内閣府は25日、2025年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)が1.3兆円の赤字になるとの試算をまとめた。

物価高で税収が上振れし、1月の試算から赤字幅は0.2兆円縮んだものの、政府がかかげる黒字化は達成できない形となる。黒字化は26年度になるとの見通しを据え置いた。

 25日の政府の経済財政諮問会議で示した。
試算は例年1月と7月の年2回公表している。PBは社会保障や公共事業といった政策に必要な経費を借金に頼らず、税収でどのくらい賄っているかを表す。

 PBは22年度の27.8兆円の赤字から改善を見込むが、歳出増加が予想される少子化対策などは未反映で、収支改善に課題は残る。

 国内総生産(GDP)が20年代後半に実質で2%弱、名目で3%程度のペースで伸びる「成長実現ケース」で、25年度のPB赤字が1.3兆円となった。
1月の試算から0.2兆円ほど圧縮したものの、赤字額のGDP比ではマイナス0.2%で横ばいにとどまった。

 成長実現ケースは企業の技術革新などを反映する「全要素生産性」がバブル期並みの1.4%ほどで伸びる前提に立つ。楽観的過ぎて前提が甘いとの批判は以前からある。

 このため生産性を過去40年平均の1.1%とした試算も初めて示した。成長率は実質・名目とも1%台半ばとなる。25年度のPBはGDP比で0.2%マイナスと成長実現ケースと同じだった。

 名目・実質ともゼロ%台の「ベースラインケース」では25年度のPB赤字は2.3兆円となった。
より現実的な試算と言え、赤字額は成長実現ケースより1兆円膨らむ。

 赤字額の見通しが縮小したのはインフレが主な要因だ。22年度の名目成長率は実績で2.0%と、1月時点の1.8%見通しから上振れした。
22年度の税収は物価高を受けた消費税収などの伸びで71兆円超と過去最高を更新。試算の税収見通しを押し上げた。

 政府は25年度の黒字化目標を堅持する。岸田文雄首相は25日の会議で、脱炭素や人への投資などで生産性を高めて歳出改革を続ければ「25年度の国と地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化が視野に入る」と述べた。

 ただ、試算は24年度からの少子化対策の予算増額を織り込んでいない。

 政府内には1兆円超の財源を歳出改革でひねり出す案がある。少子化予算の多くは特別会計での管理が想定され、政府が試算しているPBの算定上は除外される可能性がある。それでも国の一般会計での歳出改革分を特別会計に回せば、国・地方のPBの悪化要因になりかねない。

 10年で20兆円を支出する脱炭素の関連予算もPBの試算からは除いている。

 二酸化炭素の排出に価格をつける「カーボンプライシング」の導入で将来的に財源を確保するとしているが、制度の詳細は決まっていない。
脱炭素などを反映した試算は成長実現ケースでも25年度のPB赤字が2.9兆円、GDP比でマイナス0.5%に膨らむ。

 物価高は短期で見ると収支を改善させる。一方で、中長期では歳出増を招く恐れもある。

 与党内には9月末で終わるガソリン高などの緩和策を延長すべきだとする声が上がる。新型コロナウイルス禍のような借金頼みの補正予算が続けば、PBの赤字は広がりかねない。

 金融政策の変更も懸念材料となる。
25年度以降の長期金利が0.5ポイント上昇した場合、低成長ケースでは国・地方の債務残高はGDP比で209.4%と金利が上昇しない場合と比べて3ポイントほど上振れする。

 税収で返済しなければならない普通国債残高は1000兆円を超える。インフレの定着で長期金利が上がれば、利払い費の膨張で各種政策に使える予算は圧迫される。
財源の確保と効果を見極めた財政支出でPBを早期に黒字化することが欠かせない。

2023/07/26 日本経済新聞朝刊 5ページ 1544文字

記事に対するコメント📝

現在、日本が抱えるも問題の
ひとつとして「財政赤字」問題があります

国民ひとり当たり○○兆円の借金、という表現はよくわかりませんが、社会保障制度の維持など私たちの生活を支える仕組みを維持できなくなってしまう可能性が高いことこそ、最大の危機であります

PBは私たちの生活ならびにに人生を支える
社会保障や公共事業、教育や防衛関連などの
政策経費を新たな借金なしで賄えるかどうかを示す指標でありますから

これが、赤字ということは、すなわち💦💦
かなりまずい状況であるということですね😢

経済学解説:財政とは??🌟

以下では、「財政」とは、というテーマに対して経済学解説を加えてアウトプットしたいと思います

財政の3つの機能

まずは「財政」の有する3つの機能について理解しましょう

➀資源配分機能

これは、市場の失敗(外部性、公共財、情報の非対称性、不完全
競争)を補正するための機能です

これを税の役割と関連付けると公共サービスの財源確保としての租税などがあります
例えば、公共財供給ですね
また、主体の行動を変えるための租税があります
環境税、炭素税などもあるでしょう

②所得再配分機能

これは、貧困格差への対応となります

事例としては、累進所得税です
高所得者に高税率を課し、低所得者へ還付することによって所得の再分配を実施しています

③経済安定化機能

これは、財政政策や公共事業などを通して景気の安定を図る機能です
なお、注意点として所有権・契約履行の担保があります📝

所得税・法人税の自動安定化装置などが該当しますね👍

財政収支とプライマリーバランスの定式化

フローとしての財政収支を定式化します
まず、政府はある年 t の税収Tと財政支出Eが等しくなるように財政運営を実施するようにします

$$
Fiscal  Management\\
T_t= E_t …➀\\     \\
T:Tax  Revenue\\
E: Government  Expenditure
$$

ここで、公債Bを発行したケースを想定します
ある期tのストックの政府債務残高Bt、新規の国債発行をΔB=
Bt-Bt-1とします
なお、利子率をrとして公債にかかる利子なども考慮します
そして、政府支出を公債費( r ×Bt-1)とその他の政策経費Gtに分解して考えると、以下のような式を得ます

$$
Issuing  the  Bond\\
T_t +ΔB_t = E_t \\
\to B_t = B_{t-1}-(T_t-E_t)\\      \\B_t =(1+r)B_{t-1}-(T_t-G_t)…②\\    \\Primary  Balance:T_t - G_t\\
T_t < G_t : Primary  Budget  Deficit\\
T_t > G_t: Primary  Budget  Surplus
$$

政府債務の持続可能性

以下では、政府債務の持続可能性条件について考察していきたいと思います
理論から抑えることで、より理解が深まると思いますので、一緒にインプットしていきましょう

上記で導出した②式を、プライマリーバランスは均衡している状態のうえで、両辺をGDP:Ytで割ることにします
すると、実質国債発行残高bとGDP成長率gという表記を用いることで、以下の式を得ます

$$
b_t = (1+r)\frac{B_{t-1}}{Y_t}…③\\     \\r:Interest  rate\\b_t \equiv \frac{B_t}{Y_t}\\
g \equiv \frac{Y_t - Y_{t-1}}{Y_{t-1}}
$$

このようなプロセスからGDPあたりの単年度の政府の予算制約式を得ることになります

$$
Budge  Constraint  of  Government\\  \\
\frac{b_{t+1}}{b_t} = \frac{1+r}{1+g}…④
$$

ここで、私たちは「ドーマー条件」を得ることになるのです

$$
Domar  Condition\\   \\r< g  \to b_{t+1}< b_t
$$

ここで、注意すべき点は、政府債務の持続可能性条件においてプライマリーバランスの均衡を前提としないこと、です
この記事でお伝えできる範囲では、このような解釈をせざるを得ないのです

ここで、政府債務の持続可能性の定義を再確認すると、債務残高を税収でカバーできるか、どうかというニュアンスです
もし、持続不可能な状態になれば、将来のどこかで財政ルールの変更する必要があるのです
財政破綻してしまう状態は、債務不履行になってしまうことなのでこれだけは避けてほしい限りですね💦

本日の解説は、ここまでとします
日経新聞を読むうえで、なぜこのような記事が取り上げられて、このような経済問題が顕在しているのか、ということを理論から把握することでインプットの効率を劇的に上げることができると思います💖

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だからこそ、ご縁を大切
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥

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あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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