見出し画像

はじめての自家現像

フィルムカメラ購入から約4ヶ月、カラーネガの自家現像に初めて挑戦してみた話です。


自家現像に挑戦してみたい

去年の11月にRolleicordを購入してフィルムカメラを始めました。

使ったフィルムはすべてカラーネガで、合計9本撮影しました。撮影後はフィルムを現像に出す必要がありますが郵送現像を利用してきました。

最初に利用したのは鈴木商会さんです。

返送料込みで800円と比較的安く、また120フィルムのスキャンも約2300万画素と高画素なデータで渡してくれて、かつCDのみではなくギガファイル便でデータを転送してくれるなど、一番気に入っています。

また、桜カメラさんにお願いしたこともありました。

120フィルムだとスキャンデータが約400万画素しかなかったり、データはCDのみなので取り込みの手間があったりするのが難点ですが、とにかく安価なのが良かったです。1本だけなど少量で出すと送料が痛いですがまとめて出すとかなりお得に現像してもらえます。

このように店に出せば現像してもらえるのでそれはそれで良いのですが、だんだんと自分で現像することに興味が出てきました。

自家現像に興味を持った理由として、まず料金と時間があります。店を選べば自家現像するのに近い値段で現像してもらえますが、送料を考えると複数本まとめて出す必要があります。自分はフィルムでたくさん撮るつもりはないので、何本か溜まるまで待つとなると撮った写真を見るまで時間がかかります。その時間を楽しむという考えもあるとは思いますけどね。

それでも自家現像してみようと思ったのはプライバシーの点もあるからです。現像に出すと当然外に写真を出すことになるので家族に少し嫌がられることもありました。自家現像なら気にせず撮影できるということが大きな利点になると感じました。

自家現像してみるとして本当にできるの?ってところも問題です。特にモノクロと違いカラーネガの自家現像は難しいという話を目にしていたのでハードルが高いのかなと。ただ最近は温度管理に低温調理器を利用すれば比較的簡単という話をいくつか見かけたこともあり挑戦してみることにしました。本当はまずモノクロフィルムの現像に慣れてからの方が良いのかもしれませんが、モノクロは撮らないので…

なお、現像の手順については以下のブログの記事を参考にさせていただきました。注意点なども含めて詳細に説明してくださっているのでとてもわかりやすい記事になっています。本記事では具体的な現像方法については記載しませんのでその点にご興味がありましたらこちらをご参照ください。

使用した道具

現像用薬品

MARIXの粉末タイプのC-41現像キットを利用しました。現像液、漂白液、定着液がセットになっています。停止液はクエン酸で別途用意しました。現像キットが2560円なので期限内に5本くらい現像すれば安いネット現像の店と同等くらいですね。ただその他の道具を揃えるのに合計で約2万円くらいかかったと思うので、元を取ろうと思うとフィルム100本くらいは現像する必要がありそうです。月2本、年24本としたら約4年、色んな意味でちゃんと続けられるか不安ですね笑

現像タンク

Jobo 1520を購入しました。もっと安いものにしても良かったのですが、数千円の違いなら多少高くても評判の良いものにしようかとJoboにしてみました。

なお、一番安そうなのはこちらの剑诚 (Jian Cheng)というブランドのタンクでした。

このブランドはおそらく上海GP3というフィルムなどを販売しているところです。このタンクは中国で買えば2000円台で買えそうでとりあえず試すのには良さそうでしたが、結局無難なJoboにしました。

ダークバッグ

LPLのダークバッグを約2000円で中古購入しました。

低温調理器

アイリスオーヤマのLTC-02を約5000円で中古購入しました。割と小さいので収納面で助かりました。

その他

計量カップや湯煎用の容器など、その他必要なものは主にダイソーで揃えました。

はじめての自家現像での失敗談

ということで自家現像に挑戦しましたが、慣れない作業にかなりバタバタして大変でした。フィルムのリールへの装填も含めると2時間半くらいかかっています。結果は後に載せますが、一応は成功と言えそうです。前述したように具体的な現像手順には触れず、ここでは発生したトラブルについて備忘録も兼ねてまとめてみます。

ダークバッグの内布が弛んでいて邪魔

中古なせいか、使用前に洗濯機にぶち込んだせいか、ダークバッグの内布が弛んでおりフィルムをリールに装填する際にかなり邪魔でした… 中が見えないのでリールとフィルムの間に内布が垂れているのかがパッと判断できず、何度も触って間に何もないことを確認しながらの装填作業になったため、ただでさえ慣れておらず大変だったのに余計に疲れました… 次は弛まないように横をクリップで止めるか、上から垂れないように中に高さのある台などを入れるか、何かしら対策するつもりです。

容器のサイズでトラブル

低温調理器の動作に必要な水の深さと現像液などの薬液を入れる容器(計量カップ)の高さがほぼ同じだったせいでとても面倒でした… 薬液容器を入れていない状態で低温調理器動作ギリギリの水量を湯煎用容器に入れた場合、後から薬液容器を入れると水位が容器の高さを超えてお湯が薬液に混ざってしまいます。なので容器を入れた状態で最低水量になるようにするのですが、そうすると薬液を使おうと容器を取り出すたびに低温調理器が水量不足のエラーで止まってしまうのでその都度動かし直す必要があり…

また、薬液容器が太いせいで湯煎用容器に2つまでしか入らず、現像液と停止液、漂白液と定着液の2回に分ける入れる必要があり、また漂白液、定着液が温まるのに思ったよりも時間がかかったので無駄に時間を食いました。このサイズの問題は湯煎用容器を決める際にも気づいていましたがまあいいかと思って許容したのを後悔しました… 薬液用の計量カップをもう少し細く背の高いものに買い直したのでこれで解決するはずです。

タンクの蓋を閉める際にもたつく

現像タンクの蓋が意外と閉めにくく、現像液を入れてからすぐに撹拌しようとしたのに蓋がなかなか閉まらなくて焦りました。蓋を閉めてからタイマーを動かそうとしてしまったこともあり、もたついている時間の分現像時間が不正確になってしまいました。後で何度か締める練習をしたので次は大丈夫なはず…

撹拌時に蓋が外れる

ちょうど停止液を入れて撹拌している時、これが最後の撹拌と思っているところで急に蓋が少し外れて中身をぶちまけかけて焦りました… どうせ使い終わったら捨てる停止液で良かったなと思います。下手したら他の薬液にガッツリ混ざりそうだったのでそこまでのことにならなかったのも良かったです。それ以降は外れないようにかなり注意して攪拌したら大丈夫でした。

ガッツリ水跡が残る

おそらく水切り剤の使い方が良くなかったと思いますが、フィルム乾燥後にがっつり水の跡が残っていました。水切り剤を使う時にフィルムをリールに巻いたままにしていたのが良くなかったのかなと。次はリールから外してから使ってみます。

現像結果

このようにいろいろなトラブルがありましたが、なんとかはじめての自家現像が完了しました。

ひとまず像はちゃんと出てきており、撮影して現像したものの何も写ってないという悲しい状態にはならなかったので一安心です。

水洗後に干しているところ。

今回はモノクロではなくカラーということで色の出方も気になるところです。それをどうやって判断すれば良いのかわかっていませんが、まずスマホのネガフィルム観賞用アプリ (NEGAVIEW PRO) で確認したところ、かなりマゼンタ被りしていました。

左:店現像のKodak PORTRA 160
右:自家現像のLomo Color Negative ISO100

トラブルもあり現像工程で良くない点があったかもしれません。ただ、少なからずフィルムの違いもある気がしていて、今回使ったLomographyのColor Negative 120 ISO 100自体に多少そういう傾向がありそうです。以前店に現像を出した時にもロモのフィルムは変色してて〜と言われたこともありました。とはいえ、ちょっと赤すぎる気もしますが…

ただ、このフィルムが使えないのかと言うとそうでもなくて、ちゃんとスキャンして処理すれば普通に綺麗な色の写真を得ることができました。今回のスキャンにはLomographyのDigitaLIZA+を使ってミラーレスのPEN-Fで撮影し、LightroomのプラグインであるNegative Lab Proでネガの反転処理を行いました。Negative Lab Pro、なかなか便利なソフトウェアですね。はじめての自家現像でちゃんと綺麗な写真を得ることができて良かったです。

上:スキャンした現像後のカラーネガフィルム
下:Negative Lab Proでネガを反転したもの

おわりに

ということで自家現像に挑戦してみた話でした。はじめてということでかなり大変でしたが慣れれば問題なさそうに思うので引き続き挑戦していきたいと思います。

この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?