見出し画像

心電図検定はマッチング選考に有効か?

もう10年くらいマッチングの面接官をやっておりますが

最近目につくようになったのが、
「心電図検定1級!2級!」
「BLSインストラクター、ACLSプロバイダー」
などの民間資格を自動車運転免許と並べて書いている方々です。

特に心電図検定は最近流行っているようで特に増えたように感じます。

一部の学生では、マッチングの面接対策として少しでも履歴書に箔をつけるために、また国試勉強も兼ねて受検しているようですね。


結論から書きますが、

面接試験の際に、これらの民間資格についてはほぼ触れられることはありません。スルーされます。

残念ながら、競合する他学生との差別化にはならず、アドバンテージにもなりません。


ただ私個人としてはとても評価しています。

それは自分がプライマリケアに関わる救急医であり、その価値をわかっているからです。

面接官の多くは、50代から院長クラスの管理職で、いわゆるストレート研修世代ですのでプライマリケアの系統立ったトレーニングを受けていません。

「心電図検定、なにそれ」レベルです。

つまり、評価する側にとって刺さる情報ではないのです。。


履歴書に箔をつけるなら・・


ということでマッチング選考においては

数十時間の勉強で取れてしまうような民間資格についてはスルーされます。


ではどのような内容なら良いでしょうか。

過去にあったものとしては、

「行政書士、宅地建物取引士、税理士、日商簿記検定1級、中小企業診断士、TOEIC満点、iELTS 8.0」などなど、それだけで事業化できそうな資格のオンパレードです。

医学生のポテンシャルや恐るべしw


このような資格競争ではキリがありませんし、面接試験対策として一般化もできません。


では、履歴書でどんなことを記載したら良いか。

資格情報を書くなら、

「それらの資格を以って、医師として何を成し遂げたいか」などのビジョンが求められます。


一番まずいのが、「なぜ心電図検定1級を取ったのですか?」という質問に対して「国試対策です」とか「なんとなくです」のようにビジョンが伴っていないパターンです。「循環器系志望だからです」でもまだ弱いでしょう。

面接でこういう薄っぺらさが露呈すると、むしろ資格情報が仇となってしまう可能性すらあります。。


誤解しないで欲しいのは、学生としての評価なら十分だと思います。よく勉強して難関の試験をクリアして素晴らしいことだと思います。

しかし社会人としての評価は、尺度が違ってくる点に注意してください。


極端な例で言えば、

「医師として病院に入職した、いつも医局で数学の勉強をしている」

学生なら褒められるかもしれません。しかし、被雇用者である以上は、雇用側の視点で見ると組織へ何の価値ももたらさない活動をしていることになります。


まとめ

心電図検定は医師に限らず他職種対象ですので受験者数も多く、心電図は検査数も多い低侵襲な検査ですし、その読影能力を磨くことは一生ものの知識となり、とても良い認定資格だと思います。

面接対策としてでなく、自己研鑽の一環として興味の範疇で、ぜひがんばって勉強してほしいと思っています!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?