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かぶら会狂言発表会が終わってござる

和ろうてござるか〜

この春四月の岡山後楽園能舞台での発表会を終えた後、打ち上げの席にて次のお稽古演目を相談いたしましてござる

岡山では『萩大名』のシテ大名でござったによって
次はどなたかの相手役「アド」をすることになっておりました

いつもなれば、常の相方さんがござるが
この後は一人で舞う狂言小舞『景清』を舞うと決まっていたのでござる

狂言『口真似』をしたいと云う方があって
それにはシテの太郎冠者とアドの主人ともう一人があり、これをすることに

もちろん大事な役でござるが
「ちょっと足りないでしょう?」と云う師匠のお言葉!
「せっかくなんで、なんか小舞されますか」
と云うことで仔細は省いてござるが
狂言小舞『祐善』を舞う運びとなってござる

この祐善は
舞狂言『祐善』の中でシテが舞う舞で
下手で売れない傘貼り職人だった祐善が
作っても売れない傘を持って
その心残りを謡に乗って舞うのでござる

扇に代わり和傘を持って舞う姿が美しゅうて力強くも悲しげでもある小舞でござる

これまで茂山千五郎師の舞を二回
我が師島田洋海師の舞を一回観ており
その都度、この舞の流麗さ迫力を感じ
いずれ舞ってみたいと思うてござったが
その機会が急にやってきたのでござる

お稽古は四か月、八回あり
狂言ならば少々長くても余裕をもってできるところでござるが
まず謡を覚え、それに合わせて舞う型を覚え
一つの型を調えつつそのつながり
タイミングを覚えて参りまする

八月になってようやく
流れが身に付き
舞台で舞えると感じ
自主お稽古を二度挟んでの九月二日を
迎えてござる

四人の玄人衆が地謡を謡うてくださる中
五分ほどの一人舞

誂えた袴も眩しいことでござる


細かな誤りはあったものの
謡から外れることなく
舞が抜けることもなく
氣もちよく舞い切れたのは
新たな自信となってござる

ここに描いたことは、けんすけ福のかみが
大蔵流茂山千五郎家 島田洋海社中にて
狂言を学んだことを基に学んだことや思うこと、時に舞台に感じたこと、そのほかもろもろの興味を通じて
実際に狂言を(できれば生で)観て
和らい(笑)和らぎ和んでもらいたいと願うて描いてござる🖋

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