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J1リーグ 前半戦の各チームvol.4

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今回も前回の続きで、現在のJ1リーグ16〜20位のチームのここまでと今後を展望します。

ガンバ大阪

勝点14:試合数15:勝数3:分数5:負数7:得点7:失点14:得失点差-7
ホーム:勝数2:分数2:負数3:得点5:失点8:得失点差-3
アウェイ:勝数1:分数3:負数4:得点2:失点6:得失点差-4

ここまでの概要
新型コロナウイルスの影響により、活動休止を余儀なくされ、思うようなトレーニングやコンディショニングがオーガナイズできなかった。これは無視できない事象だ。再開後、即座に結果が出なかったことも致し方ない部分もある。しかし、クラブは成績不振により監督交代を決断した。その内情を知ることはできないが、こちらも単に成績だけの問題ではなかったのだろう。昨季は守備をベースに結果を残したが、天皇杯決勝での敗戦のみならず、今後を見据えた上で今季は攻撃力アップを掲げていた。その改善が見られなかったという判断もあっただろう。実際、15試合で7得点は少なすぎる。それは、「ガンバ」というブランドを考えての話だ。中身の話をしよう。監督の違いによって異なるが、システムは試行錯誤している。1-4-4-2、1-4-3-3、1-3-4-3などを採用している。現在は最後の1-3-4-3を敷き、2勝1分け、今季初めて複数得点も記録するなど結果も出ている。ただ、好転しているかと言われると断言できない。自陣での攻撃はロングボールで逃げることもあり、最前線の外国籍選手の「個」によって成り立っている。ここは昨季取り組んでいなかった部分でもあると思われるので、時間はかかるだろう。ただ、それを越えた敵陣での攻撃では、テクニックがある選手たちが距離感を縮められている時にはパス交換からチャンスシーンを作れるようになってきた。両WBの攻め上がりとクロスシーンをベースに、ボランチが散らし役となって組み立てる形が徐々に実を結び始めている。一方の守備は、失点数こそ低いとは言えないが、大崩れした試合はない。唯一3失点を喫した浦和戦も、CBのミス絡みでもあった。組織として崩壊した試合ではなかった。ただ、敵陣での守備はまだ整理されていないように思う。1トップが単独でプレスをかけるシーンもあり、連動性が見られないこともある。どこでスイッチを入れるのかがより整理されれば、高い位置で奪うシーンも増えるだろう。とはいえ、自陣での守備は人数をかけられており、相手の繋ぎが巧みでないと崩すのは難しいほど、ライン間や選手間の距離はコンパクトにできている印象だ。特に最近の5バックは相手がすべて下位チームだったものの、裏を取られるシーンも少なく、安定していた。このシステムと守備力を基準に、攻撃を組み立てる方に舵を切るのだろう。

今後の展開
まだ15試合を終えただけなので、シーズン折り返してもいない。順位こそ16位だが、前半戦の残り3試合をすべて勝つならば中位に位置する。そんな簡単な計算とはいかないが、つまりは悲観する順位ではないということ。シーズン前から取り組んでいたであろう「守備力を維持して攻撃力を上げる」作業を、この中断期間に積み上げられたのであれば、後半戦の巻き返しは十分にあり得る。特に、自陣での攻撃だ。いかに敵陣に進入する術を整えるか、自分たちのポゼッション率を高めながらもゴールから逆算して考えられるか。カウンターやロングボールだけにならぬよう整理することが求められる。あるいは、敵陣での攻撃における最後のイメージ共有も必要となる。自陣での攻撃ほど機能していないわけではないが、ゴール数が伸びていないのも事実。可能性の低いミドルシュートばかり狙うのではなく、ボックスに仕掛けるアイディア等も膨らませていく必要があるだろう。

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