春学期時間割 - Texas大学ロースクール (1/2)
春学期も終わりに近づいているので、今のうちに時間割についてまとめておこうと思います。以下では、まず履修登録に関するルールを(再)確認[1]した上で、具体的な時間割に至るまでのプロセスを概観し、最後に各クラスの簡単な紹介をしたいと思います。長いので2回に分けます。
履修登録に関するルール・ストラテジーの(再)確認
基本的にはLL.M.通年でルールが適用されますので、それを再確認し、その上で、先学期(秋学期)での達成状況を踏まえて、今学期(春学期)に何をすればいいか、どのように取り組んでいいかを考えていくことになります。
通年ルールの(再)確認
卒業後に何を目指すか等によりルールも変わってきます。適用ルールを確定する前提となる当方のセッティングを改めてまとめておくと以下のとおりです。
以上を前提にすると、通年ベースでは以下のルールが適用されます(再確認)。
秋学期での達成状況を踏まえた、今学期の要件・ストラテジー
後述のとおり、春学期の履修登録は、秋学期中にEarly registrationという形で始まってしまうのですが、その時点で「仮に秋学期のCreditsを全部予定どおりに取得できたら」という前提で、春学期の履修計画を検討し始める必要があります。
秋学期に着々とクリアーしたため、上記の通年ルールとの関係で、春学期に積み残しとなっている要件は、以下のとおりです。[2]
以上をベースとしつつ、科目選択していくことになりますが、その際のストラテジーも以下のとおりまとめました。基本的には、先学期のストラテジーを踏襲することになります。もっとも、先学期での経験を踏まえて外した軸もありますし、逆に加えたものもあります。差分についても以下にて明記しておきました。その上で、全体的に再構成しております。
以上のストラテジーを胸に刻んで(時折初心を思い出しながら)、各科目の紹介ページを見つつ、履修登録を進めていくことになります。
履修登録プロセス
基本的には秋学期と同じですが、春学期は、Early Registrationという仕組みがある点において異なります。すなわち、秋学期の履修登録は、当該学期のDay 1から始まるのに対し、春学期は、直前の秋学期の途中から既に始まっていることになります。このEarly Registrationでは、人気科目の抽選等も完了してしまうので、非常に重要なプロセスと言えます。
あらかじめ全体の流れと、私個人が行った手続きを時系列にまとめておくと以下のとおりです。
詳細は、以下のカレンダーをご参照下さい。
以下では、重要なステップについて個別に見ていきます。
Early Registrationとは?
要するに、履修登録の前倒しのための仕組みです。この段階で抽選等が行われることになり、人気のクラスはEarly Registrationで全て埋まる(外れたらWait listに入る)のでここを逃すともう履修できません。なので重要です。他方で、秋学期の途中(10月)から春学期について考えることを余儀なくされるため、「この間、始まったばっかのに、もう次学期の話・・・?秋学期を乗り切れるかどうかもわからんのに・・・」と、やや気乗りしなかったのは否定できません。
このEarly Registrationは基本的に全てのクラスに適用がありますが、例外もあります。主な例外は、「Application-based classes」として個別指定されており、別途のApplicationが必要になる科目です。私の場合、一つだけこれに該当しました(Global Energy Transactions)。当該科目に係る個別対応については後述します。
Early Registrationでは、Seminar 2枠、その他クラス10枠を希望として提出することができます。それぞれ順位をつける必要があります。戦略としては、抽選で外れた際のプランB、プランC・・・も見据えて、全枠埋めるのがいいと思います。
抽選については、First-come, first-servedではないため、Early Registration期間中に申し込みさえすれば、タイミングの問題はありません。
抽選に関するTipsとして、ある科目につき、過去どれだけの確率で抽選に至ったかがシステム上わかるようになっています。[9] このデータを踏まえて、今回も抽選になりそうな人気クラスについては、優先順位を上げて提出しておくのが良さそうです。私の場合、Wind and Solar Lawだけ結構な確率(30%)で過去抽選対象になっていたことがわかったので、当該科目を第1位で提出しました。
個別対応
Early Registrationの対象外の科目が一つ存在したことや、Webで公開されている内容だけではいまいち実態が掴めないクラスが存在したことから、以下のとおり、Early Registration期間中に、並行して個別対応を行いました。
Global Energy Transactions
本科目は、Law Schoolだけでなく、Business School、Geoscience School、Engineering Schoolからも学生が参加するので、人数把握のため、Professorから個別に履修許可を得る必要があるとのことです。[10] メールを送ったところ、すぐに許可はもらえました。[11]
Seminar: Inside Texas Government: How It Really Works
こちらはゼミですが、タイトルと簡単な説明を見る限り、興味があったのですが、具体的なワークロードなどをもう少し知りたかったので、Professorにメールで問い合わせました。[12] こちらもすぐに返事があり、かつ、私の問い合わせをとてもポジティブに受け止めてくれている様子だったので、好印象でした。
Energy Finance Transactions
興味があったのですが、Webでの説明を見ると、1LのContractとPropertyがPrerequisiteになっていました。当然自分は履修していないわけですが、「母国で実務経験あるから」という理由(?)でwaiveを依頼したところ、特に問題なく応じてくれました。
Early Registrationの確定・結果公表
上記のとおり基本的仕組みについての理解を深めつつ、かつ、個別対応を通じて履修のハードルを一つ一つクリアーし、最終的には以下の内容で申し込みました。このうち、プランAに相当するものについては、そのまま最終的な時間割になったものもありますので、なぜ選択したかについて後述します。
1週間ほどで結果が公表されますが、基本的にはすべて希望どおりになりました。すなわち、1学期の上限Credit (16)に到達するまで優先順位上位から埋められていきます。具体的には、Seminar第1順位(Inside Texas Government, 3 credits)、通常クラス第1順位(Wind and Solar Law, 2 credits)、第2順位(Bankruptcy, 3 credits)、第3順位(Energy Finance Transactions, 2 credits)、第5順位(Mergers and Acquisitions, 2 credits)、第10順位(Professional Responsibility for LLMs, 2 credits)を押さえることができました。[13] ただ、Mergers and Acquisitionsは、Early Registrationの枠組みの中では押さえてしまったものの、結局、Early Registration対象外科目であるGlobal Energy Transactions (3 credits)を取ったので、それにリプレイスされることになります。この時点で15 creditsです。
Add/Drop
秋学期に1回目のAdd/Dropがあるのですが、上記のとおり、全て希望どおりになったので、特に動きはありません。
また、春学期直前にもう1回Add/Dropが来るのですが、Winter Break中にSyllabusを公開するProfessorが多いことから、このタイミングでは、全ての科目においてより詳細な内容が出揃っていることになり、学期を通じたワークロードの全体像を見通すことができるようになります。その結果、負担が重すぎることからSeminarはドロップすることにしました。なお、春学期のAdd/Drop期間は、授業開始第1週終了後まで続くため、初回の授業を見てから考えることも可能です。ただ、私のSeminarに関しては、Syllabus見ただけで気持ちが折れたので、初回を見ることもなくドロップしました。
Tuition支払い
Seminarをドロップした結果、全体で12 creditsになります。先学期は、14 creditsだったので、2,000ドルほど学費が安くなりました。
次回
ここまでルール、プロセスを見たということで、次回は、いよいよ具体的な時間割について書きたいと思います。
[1] 先学期に、履修科目選択に関するルール等をまとめましたので、以下の各記事をご参照下さい。
[2] なお、各ルール・要件との関係で何がどれほど足りていないかについては、最終的には自分でちゃんと計算したほうが良いものの、大学が提供しているDegree Auditという便利な仕組みがあります(下記スクショ)。また、後述のとおり、FacultyのLL .M.担当者が、履修登録に先立って、個別面談を設定してくれますので、疑問があればそこで聞くこともできます。
[3] 「Bar試験対象科目」が何なのかは、どこの州のBarかと、各大学が開講している科目の内容によります。テキサス大学で開講されている科目のうち、何がBar試験対象科目に該当するかは、過去記事をご参照下さい。なお、これについて交渉する余地がないか、LL.M.担当のAssistant Deanにダメもとで聞いてみたところ、Texas Board of Law Examinersとの間で年度初めに合意済みであるため、大学側の裁量ではもう動かせないとのことでした。
[4] 新しいネットワークを開拓したいという要請から来るものですが、「信頼に足りるProfessorか」という軸とは、排反する面があるのは否定できません。
[5] 手っ取り早いのはSeminarをとることですが、要件との関係では、先学期の時点でSeminarはクリアー済みなので、マストではありません。また、Seminar以外にもペーパーを書く機会のあるクラスは存在します(後述のWind and Solar Lawなど)。
[6] 先学期、一部の授業(Negotiationなど)で、リスニング力不足でいまいち消化不良になってしまったという教訓によるものです。Visual Aidがあるかどうかは、現場に行ってみないとわからないですが、Reading Assignmentの充実度合いはWebサイトでの科目紹介や、Syllabusを見れば大体わかります。
[7] 先学期のSeminarで、エネルギー関連の判例を輪読するスタイルだったのですが、Property等の基礎知識がないと、結構きつくて途中から手を抜いてしまったので、その反省によるものです。当該Seminarについては下記記事をご参照下さい。
[8] これらの他、先学期のストラテジーでは、「iv. J.D.が多数参加するなど、英語力の強化を望めるかどうか」を加えていたのですが、これを重視して先学期履修したNegotiationが微妙だったため、Law Schoolの授業を通じて英語力を強化すること自体を断念し、ストラテジーから外しました。Negotiationの授業については下記記事をご参照下さい。
[9] Early Registrationの際に手元に残しておいた記録によると、正確には以下のとおりです。
[11] 実際は、少し一悶着ありました。Professorからの承認があった後に、承認があった旨をStudent Affairs Office(履修登録を所管する部署)に連絡するのを忘れていたのです。その結果、11月くらいにSAOから、履修が拒絶された旨の連絡があり、これに対し、履修させろとProfessorに直訴したところ、なんとか認めてもらいました。このSAOとのやり取りの裏では、FacultyのLL.M.担当者もフォローを入れてくれたみたいです(私が履修登録について経験が浅く、仕組みが分かってなかったようなので、どうか容赦してほしい・・・みたいな趣旨のメールを見ました。)。ありがたい限りです。
[12] 参考までにメールのフォーマットを共有しておきます。一発目のコンタクトになるので、ちゃんとした英語で書くのが大事かなと思っていました。
[13] Professional Responsibilityは、第10位ですが、Bar受験資格との関係で必修になるので、最優先で押さえられたのだと思います。第4位のTexas Energy Lawは、抽選が行われたらしく、優先順位が低かった私は外れたようです。
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