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「家主居住型民泊のはじめかた」をまとめてみた

「自分が住んでいる一戸建て自宅の一部で民泊を始めたい」と思いたってから、したことをまとめました。

同じように考えている方の参考になれば幸いです。

ご注意
・マンションの一室でやりたい
・転貸してやりたい

などの人には、一部当てはまらない項目があります。
また、地域の条例、法律改正などにより対応が異なる場合があります。
必ずご自身の地域での条例・最新法令をご確認ください。
本記事をみて実施された場合に発生した、いかなる損害等について一切責任をとりません。ご了承ください。

 

そもそも、家主居住型って?

民泊運営には、

「家主不在型」
「家主居住型」

2つのタイプがあります。
読んで字のごとく、家主が居住しているかしていないか。という違いで、
「施設管理業務の委託」
「消防設備の設置」 

の要件に違いがあります。

「家主不在型」

「施設管理業務の委託」 
必要
民泊ホスト自身が管理業務を行う場合は不要ですが、別に仕事をしていると自主管理はなかなか大変かと思います。

「消防設備の設置」 
必要 
ホテルや旅館と同等の消防設備の設置基準が求められます。
避難照明や消火器などですね。


つまり、家主居住型は民泊を始めやすい!
初期費用も支出も抑えられます。


「家主居住型」

「施設管理業務の委託」
不要
なにしろ居住していますから、移動時間がかからず掃除や管理もしやすい。
管理者への支払いもありません。不在型と比べると始めやすいですね。

「消防設備の設置」 
不要
まったく不要、というわけではありませんが、宿泊室の床面積の合計が50平方メートル以下なら、設置が必要な設備が緩和されます。


全体の流れ

申請から民泊開始までスムーズにするため、まずは全体の流れを確認しましょう。

1.自宅で始められるか条例を調べる
2.消防許可を得る
3.周辺住民へ説明する
4.民泊ポータルサイトで申請する
5.認可が下りる
6.宿泊に必要なものを買い揃える
7.エアビーに登録する

やることがけっこうあります。
僕は1〜7まで約2ヶ月くらいかかりました。

1.自宅で始められるか条例を調べる

まず、大前提として、都道府県等が定める条例により、

・事業を実施する区域
・実施期間の制限

が定められている場合があります。

僕が住んでいるのは長野県でして、
「長野県住宅宿泊事業の適正な実施に関する条例」
がありました。

具体的に、民泊運営へ影響する内容としては、

・「住宅宿泊事業の実施を制限する区域及び期間」として、「都市計画法における住居専用地域」では「月曜から金曜まで」のみ実施可能。

と定められていました。

つまり、土日休日しか民泊運営できないことになります。
まぁ、どのみち僕自身が土日しか対応できないので、この点は問題なかったです。

ほかにも、
・観光地の近くでは通年できない
・学校の近くでは平日の運営ができない
・民泊制限がかかる番地、町名指定がある
などの制限がありました。

僕のケースのように平日制限ならまだ運営できますが、常に制限がかかる場所に戸建があると、そもそも民泊運営ができません。

必ず、お住まいの地域の条例をチェックしましょう!
「地域+民泊条例」などで検索すれば、調べることができます。

2.消防許可を得る

民泊できることが分かったら、次は「消防法令適合通知書」を取得します。

これは、宿泊所が消防法に適合している、という証書のこと。
これがないと、エアビーに登録したり、民泊開始の申請ができません。

消防法令適合通知書を取得する流れ
1.消防法令適合通知書交付申請書と住宅図面を準備する
2.火災報知器を設置する
3.管轄消防署へ書類を持っていく
4.検査を受ける
5.消防法令適合通知書を受け取る

1.消防法令適合通知書交付申請書と住宅図面を準備する

「市区町村名+消防法令適合通知書」でググると、PDFのダウンロード先が出てきますので、参考にしましょう。

ここで、ふと疑問が。
「ホテルのように、避難誘導灯や非常灯の設置が必要なのかな?」
と。

結論から言うと、僕のケースでは不要でした。

分かりやすいフローチャートが載っている資料がありましたので、リンクをのせておきます。

▼民泊において消防法令上求められる対応等に係るリーフレット

https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/suisin/items/minpaku_leaf_horetai.pdf

▼その他、関連する資料はこちら

住宅図面は、いわゆる「間取り図」でOKです。

・家主専用の部屋
・宿泊する部屋
・共有で使う部屋

それぞれがどこか?を聞かれますので、答えられるようにしておきましょう。


2.火災報知器を設置する

消防署員の方に検査内容を聞くと、一般住宅で民泊をする場合は

・民泊で利用する面積が、法令で定める面積以下になっているか
・火災報知器が設置されているかヒアリング

を行う、ということでした。

ということで、火災報知器を購入して設置しましょう。

購入した火災報知器はこちら。
電池式で設置場所を選ばず、電気工事免許も不要なパナソニック製

https://amzn.to/3fRWAAq

設置したら、火災報知器の写真を撮影して印刷しておきます。


2.管轄消防署へ書類を持っていく

書類が準備できたら、管轄する消防署へ持っていきます。

持っていく書類は、

・消防法令適合通知書交付申請書
・住宅図面
・火災報知器の写真

訪問前に、

・民泊を始めたい
・消防法令適合通知書がほしい
・書類を持っていく日時

を電話しておくとスムーズです。


3.検査を受ける

僕の場合は、書類上の確認のみで訪問でのチェックはありませんでした。
もしかしたら消防署によって違うかもしれません。

4.消防法令適合通知書を受け取る

申請から1週間ほどで「消防法令適合通知書」が発行されたので、消防署へ取りに行ってきました。

じゃーん!
申請が通ると進捗を感じられて、うれしいですね。

さて。
次にやることは、周辺住民の方々へ宿泊事業を行うことの説明です。

3.周辺住民へ説明する

民泊事業をするということは、地域に馴染みのない人が出入りすることになります。

民泊施設周辺に住む人から見れば、あまり心地よいものでは無い、と感じる人もいるかもしれません。
条例で定められている・いないに関わらず、挨拶に伺っておくと、周りと良い関係が築けるのでオススメです!

長野県条例では、周辺住民への説明を必須要件としていて、各種様式も定められていました。

説明が必要な範囲はこちら。

いわゆる、「向こう三軒両隣」ってやつですね。

事前説明する内容はこちら。

長野県条例 住宅宿泊事業 周辺地域の住民に対する事前説明

https://www.pref.nagano.lg.jp/shokusei/seikatsu/minpaku-tetsuzuki.html

口頭で伝えるだけでは、言った言わないのトラブルが考えられるので、

・説明の場にいなかった、ご家族の方にもあとから確認してもらえるよう説明内容を簡潔にまとめた書類

についても独自に作成して、手渡してきました。

必要な書類は全て揃ったので、次はいよいよ「民泊ポータルサイト」で申請です!

ここからが長かった・・。

4.民泊ポータルサイトで申請する

申請は基本的にオンラインで「民泊制度ポータルサイト」から行います。

民泊ポータルサイトで申請する書類を確認しておきます。
書類は大きく分けて2種類。

・住宅宿泊事業の申請に必要な書類
・住宅宿泊事業をする際に、条例として必要な県へ提出する書類


住宅宿泊事業の申請に必要な書類

申請に必要な書類としては、
・届出書
・届出書に添付する書類
があります。

申請に必要な様式はこちらからダウンロードできます

大変なのは、添付書類。

・破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書
・住宅の登記事項証明書

「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書」とは聞き慣れない言葉ですが、市役所で発行できます。
「住宅の登記事項証明書」は、法務局ですね。

郵送でも取得可能なので、各自治体のサイトを参考に取得しましょう。

書類がそろったら、民泊制度ポータルサイトから申請。
書類に誤りがあっても即不許可とはなりません。安心してください(^o^)

担当部署の方から「このように直してください」と指摘をもらえます。

何度か往復するかもしれませんが、めんどくさがらず頑張りましょうw


5.認可が下りる

認可が下りると、「標識」が都道府県の担当部署から送付されます。
認可された連絡を頂いてからおよそ1週間程度で到着しました。


標識の掲示位置についても決まりがあるので、こちらもチェック&対応します。


引用:https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/business/host/responsibility02.html

僕は、100円ショップの両面シート磁石を貼り付けて、玄関ドアに掲示しています。


6.宿泊に必要なものを買い揃える

なかなか難しかったのが、買い揃える備品類。
「最初にどこまで揃えるか?」
迷うところです。

買いすぎると予算が膨らむ、少なすぎると宿泊者の満足度が下がる。

参考にしていただけるよう、僕が

・買ったもの
・買わなかったもの

それぞれに分けて、紹介します。

買ったもの

1.寝具

当たり前ですが、これがないと始まりませんw

布団・マットレスはコチラを使っています。

あとは、

・布団カバー
・マットレスシーツ
・マットレスパッド
・まくら
・まくらカバー

を寝具として、5セット(定員4名+予備)用意しました。

違うお客様が連日宿泊されると予想されるなら、定員の倍数の予備を持っておくと安心ですね。

僕の場合は、土日休日しか宿泊できないので、倍数までは予備を持つ必要はないと判断しました。

ちなみにまくらは、同じくニトリの「ホテルスタイル」

https://www.nitori-net.jp/ec/product/7550711s/

 

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横になったとき、ふわふわでとても気持ち良い・・!
お客様にも好評です(^o^)


2.冷蔵庫

小型で良いので、あると喜ばれます。
必須。くらいでも良いかも。

冷蔵のお土産を入れたり、コンビニで買った飲み物やアイス、翌朝の朝ごはんを入れておいたり。

購入した冷蔵庫はこちら


3.ハンガー

木製ハンガーを購入。
プラスチックハンガーより値段張りますが、やはり見た目がいいです。

特に冬は、コート・マフラー・インナーダウンなど身につけるものが増えるので、定員の倍数で揃えておくと、喜ばれます。


4.タオル

ワークマンの「もっちりタオル」で揃えました。

1枚299円で、ハイブランドタオルに引けを取らない高品質!
わが家でもこちらを愛用しています。

▼紹介ブログ


5.デスク

ホテルにいくと、必ずデスクがありますよね。
財布や携帯、車の鍵など、身の回りのこまかいものを置くのに便利です。

デスクでなくても、ローテーブルでもOKです。
部屋にあう方を選んでください。


6.フロアライト

フロアライトがあると、部屋の雰囲気がグッと良くなります。
おすすめ。


7.ドライヤー

家主居住型民泊だと、多くの場合、お風呂や洗面台が家主と共有になります。

となると、部屋でドライヤーを使えた方が便利ですよね。

サロニアのドライヤーが安くておしゃれでおすすめ。

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8.カップ、トレイ

飲み物用のカップと


カップを置いておくトレイ

https://www.nitori-net.jp/ec/product/8910599s/

共有部にキッチンはありますが、料理していただくことは想定していないので、飲み物用のカップがあれば十分。と考えました。

また、ファミリーターゲットなので、お子さんが使うことも考え
「丈夫そうな素材のカップ」

割れにくい素材を予め選んでおくことで、「カップを割ってしまった!」という事故の可能性を下げられます。


以上を揃えて、およそ15万円ほどでした。


買わなかったもの

電気ポット

あれば便利そうですが、

・リビングにウォーターサーバーがある
・お湯を取りにきた時に、コミュニケーションのきっかけになる

という理由で、不要と判断しました。


電子レンジ

こちらも、電気ポットと同じ理由。


備品がそろったら、Airbnbへ登録していきましょうー。


7.エアビーに登録する

Airbnbへの登録は、消防法令適合通知書さえ取得していれば、特につまづくところはないかと思います。


こだわりたいのは写真。
あなた自身が宿を選ぶときも、

・宿はキレイそうか
・必要な設備があるか
・宿の周りは適切な周辺環境か

など判断しますよね。

くらしのマーケットなどで出張カメラマンに依頼するのがおすすめ


まとめ

家主居住型は、
・家賃も掛からず
・出費も少なく
・利益は多く
始められます。個人的には副業としておすすめ。

もし廃業する場合も、寝具や家具を自分たちで使ったり、損も少ない。

ぜひチャレンジしてみてくださいねー!

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