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食器を漂白するのがすき。

洗った食器を、ハイターを溶かした水の中に沈めていく。気泡を含まない様に、そっと。
翌朝、冷たい塩素の溶けた水の中に浸かって、真っ白に、もしくは完全な透明に戻った食器を見るのがすきだ。

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夜を通って、水面に隔てられた食器たちは、まるで触れられることを拒んでいるみたいに静謐で、例えばそれは、夜、人々が寝ている間にひっそりと積もった雪面に似ている。

拒絶は美しさではないけれど、美しいということはいつも絶対の拒絶をどこかに含んで居ると思う。

透明度の高い湖とかには、生物が住んでいないものなんだって、昔何かで読んだことがある。
美しいというのは、そういうことだと私は思う。

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