夢分析-序②

 夢に人を加えると「儚」いとなる。とすると夢は空しさ、取るに足らない象徴のようなものと思われる。
確かに、途中もよおして、目が覚めて、今夢を見ていたことに気が付くが、それから10分ほど後にはもう夢を忘れたりする。儚い記憶がそうさせたのかもしれない。
ところが夢は一方でそれらのこととは打って変わって、人間にとって、非常に貴重で普遍的な、他者との対立や、国家間戦争などを抑止するための、なくてはならない心であるらしい。といってもほとんどの人はそのことを知らないのであるが。
というのは、本来の夢は意識の閉ざされた無意識の主体、睡眠中に見るものであるが、、この状態は、何とも言えない気持ちの良い、種の一段階進んだ類種(心)、また仏教で言う「悟り」の心、境地に似ているから。
たぶん前のは過去の、後のは未来の出来事を対象にしている違いはあるが。

 自然生命の欲求には個体と種の保存がある。夢は後の種(性)の保存、フロイドの言う系統発生に属するが、しかし彼のの言うように動物にもあるようなあるがままの状態ではなく、それから一段階進化した状態で夢は在るのです。いわゆる種-類へと高度化移動となって、、

 つまり人間は、四種の心(個体心、種心、類個心、類種心)を持ち、後の人間だけが、人類だけが持つ二つの心が夢の持つ心なのである。


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