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「分断されつつある社会」について

非常に納得感がある記事だったのでシェアします。年末年始、東京から地元に帰る方々が多いと思いますが、私が地元の長野県飯田市に帰るたびに思う、なんとなくの「違和感・喉のつっかえ」が説明されていると思いました。

「ニューヨークやロンドン、東京はもはやその国を体現する都市ではなくなった」

オックスフォード大学のポール・コリア教授の記事です。グローバル都市として国内各地方の人材・富を吸収するセンターとなっている東京は、日本の首都(政治・文化・経済の司令塔)というよりは、一つの都市国家としての様相を呈しています。

「教育を受け都市に生まれ育ったエリートは、広く共有すべき価値観から離れていってしまった」

良い教育を受けた、優秀な人々の力が、大企業の利益など資本主義の歯車をより一層早く回すことに使われているのが現状で、Publicly goodなことに彼らの能力をダイレクトに活かすことができていない構造的問題があります。(現在、進んでいる副業・兼業の緩和がこれに対する解決策でもあると思います)

「繁栄が人々の帰属意識や自尊心と組み合わさったものになるよう、資本主義の欠陥の修復を急がなくてはならない。」

ここでは、欧米におけるポピュリズムの蔓延を、資本主義を自動運転に任せたためと語っています。地域コミュニティへの帰属意識、地域コミュニティに属することへの自尊心(ローカルプライド)が持てるような社会設計が必要です。(さらに言えば、都会に生まれ育った人々は、「浮き草」のように生きることを余儀なくされています。)

「地方都市に政府が知識産業のあたらしいクラスター(集合体)をつくることは一案だ。合理的な計画でも市場メカニズムだけに委ねていては実現できない調整の問題であるからだ。」

メディアを含めた知識産業が中央に集合しすぎている(テレビが流す東京の「オシャレ」な情報は、地方に住む人々の目を、日々不必要に東京に向けさせている気がします)ことが現状の問題です。日本の地方を本気で良くするためには、この提言のように、国づくりの根幹から見直す必要がある気がします。もちろん、これだけで問題が解決される訳ではなく、そもそもの教育のあり方(起業家・開拓精神を持った人材を育てる教育への転換)も含めた制度の見直しが必要ですが、何れにせよ、分断されつつある日本社会の分断を防ぐための、ドラスティックな意思決定が必要です。

そんなことを考えながら、地方創生関連の事業に邁進する日々です。

同教授の最新本はこちらです。


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