金曜日に実施した工房での作り手の女性達とのワークショップの準備が忙しかった週。僕にとって現場の意味を確信するきわめて大事な機会だった。でもその話はもうちょっと消化してからまた書きますね

かものはしの理事会

月曜日はもう第5回となる2020年度のかものはしの理事会に参加。まず丁寧に議題や議案書が送られてくること、資料の裏付けがしっかりしていることが素晴らしいと思う。財務も事業の数字も順調にうつる。僕はこういう組織運営の丁寧な詰めとかがからっきし苦手なので、古巣ながら、かものはしはうらやましいしちょっと嫉妬します。

一方で整っていれば上手く進むかというと全くそうでもなく。イノベーションのジレンマ的なことだったり、長年の組織のゆがみだったり色々な物語が背景に。「かものはしプロジェクト」という名前が重みを持ってきたことが、組織内で誇りとなることもあれば、逆に重荷になってしまうということに隔世の感。

僕はできる限り今までの経緯を知っている人として事業の理解には努めているが、（特に経営に外から口を出せるような）経営のプロな訳ではない。内部の理事に較べて内部の今の人の気持ちを鑑みてあげられるわけでもない。極めて中途半端な立ち位置だなとおもってドキドキすることもあるんだけど、きっと創業者だからできることもあるんだろうと思って頑張って発言するようにしている。

まぁ1番のモチベーションは組織運営からプログラム運営までSALASUSUの参考にさせてもらっているという学習者としての立場かも知れないけど！

理事の皆さん、内部のスタッフの皆さん、本当にいつもお疲れさまです。本当に丁寧に良い事業をしようというみんなの頑張りに理事会のたびに励まされます。

メガネ工場でバングラ人とアバールデカホベ

工房の数キロ手前に香港資本で莫大な金額を投資して建てられたメガネ工場。長年協力の糸口を探ってきたがひょんな事から一気に話が進み、工房の卒業生の受け入れや、作業の発注などが現実的な話として進み始めた。

ということで僕もメガネ工場に訪問してみた。大人の社会科見学ということでメガネを作るプロセスを沢山見せてもらう。中国に元々あった工場をカンボジアに移していて今は200人近くの雇用がある。そしてそこからメガネが世界中に発送される。

僕らがちょうど目にしたのは例えばアメリカのあるブランドのメガネや、釣りの時に使うスポーティーなメガネなどなど本当に沢山。

何よりも工場の生産プロセスを管理しているのがバングラデシュ人の方々で、「シェムリアップの外れにあるクチャ村の、香港の方が建てた工場にて、カンボジア人だけじゃなく日本人とバングラデシュ人で話し合って色々とコラボレーションをする」っていう状態に面白みを感じた日だった。

「貧困層の女性達だけじゃなくて、障害者なんかも雇用したいと思っているんだ。これはお客さんからの要求とかじゃなくて、僕らの会社としてのビジョンなんだ」
と誇らしげに話してくれる彼らに凄く頼もしさを覚えた。この話も前に進めて行くぞ。

僕がバングラやコルカタに行ったときに覚えた唯一のベンガル語「アバールデカホベ（see youという意味）」を使う機会があったのが嬉しかった。

疲れの構造に勝つ癒やしの構造

金曜日のワークショップはきちんと改めて記事を書くので、それ以外のできごとを一つ。

この数ヶ月特に組織の中が疲れている。特に経営層がストレッチにストレッチを重ねてもう無理です。というところの半歩手前にきているところもある。

僕たちの哲学や志からしてやりたいことがたくさんあり（一方で組織としてリソースを集中させる戦略は弱く）、みんなが品質へのこだわりを絶対に捨てられず（だからといってお金をかけて解決することはなかなかできず）、カンボジア人も含めたスタッフの成長も目指したい（だからといってやはり適切な採用・育成の仕組み・マネジメント能力が追いついているわけでもなく）。

そんな僕らがとりがちな手段が「マネジャーが現場の仕事も含めて頑張る」ということ。これ本当に短距離でしか使えないはずなのに、いくつか案件が重なったこともあり長期化してしまった。。。

とはいえ、この疲れの構造を打破するために、という話し合いをすることができたのは良かった。

僕たちの「疲れの構造」に自覚的になること、それを打破する投資をすること、そしてきっと「癒やしの構造」を持つことだろうな。大事なものを色々と大事にできたら頑張れる。みんなと共になら頑張れるんです。そしてちゃんと休めれば頑張れるんです。

一人は、走りっぱなしは、途中で「あれ何のためにやってるっけ」と感じるプロジェクトは、疲れる。できる限り愚痴でも言い合いながら、お互いちょっと文句でもいいながら、共に過ごしたり、共に休んだりしたいですね。

経営者としてたぶん僕が1番アップデートしなくちゃいけないところ。

これは月曜日にいったキックボクシングで本当に疲れている私。

（30分）

※扉写真は新しいインターンの歓迎会！こんな時期にカンボジアに来てくれることが嬉しいです