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コーヒー屋なんか辞めてやる


『病んでるの?』

と言われそうなタイトルですが、決して今の心境の話ではありません。

20代半ばの頃、何をやってもあまり上手くいかなくて自分自身に期待出来なくなってしまった時期があります。

『将来店をやって会社を作る』と豪語してスタートした飲食の仕事ですが、始めてみたら体力的にもそれなりにキツイし、その当時働いていたお店もまだ全然軌道に乗っていなくて成功するイメージが沸かず「コーヒー屋やるのって本当に甘くないな」と感じていました。

上手くいっていない時って周りが羨ましく見えたりするものです。


大学時代の同期は大手銀行や名だたる商社に就職してキラキラとした社会人生活を送っているのに、自分はこんなうだつのあがらない生活をしていて良いのか。
今からでも遅くないし、転職してサラリーマンやるのも悪くないな。自分ならそれなりに上手い事やれそうだし。
そんな考えも巡っていました。

でもここで言い訳して諦めて、
「昔は店やりたいとか思ってたんだよね〜」
とか飲み会で言いながら武勇伝を語るダサいおっさんにだけはなりたくないな、という気持ちも同時にふつふつと湧きあがってきました。


夜遅くに電車に揺られながら、お店の仲間と駅の階段でワン缶(仕事終わりに缶ビールで乾杯する事)しながら日々そんな事を考えては悶々と過ごしていたのです

【夢見る事を辞めてはいけないよ】


就活の時期に友達に勧められて読んだ『アルケミスト』という本の中にこのようなフレーズがあり、何回かその言葉に救われて、もう少し頑張ってみようかなと思った事があります。

自分は何でいまここにいるのか
そもそも何を想って夢を描いたのか

頭の中を少し整理しながら、もう少し今の環境で出来る事があるはず、とプラスに考えて直向きに働いていたら、少しして自分にチャンスが巡ってきました。
それが独立する直前まで働いていた千駄ヶ谷のコーヒースタンドに店長として異動する、という話でした。
そこで自分自身とも仕事とも真剣に向き合う機会を頂き、その後は独立に向けて加速していく事になりました。

日々仕事に追われていると忘れてしまいそうな事ですが、自分の夢の原点に戻れるような瞬間を持ち続ける事も、長くモチベーションを保っていくには大切な事かもしれません。

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